鈴林です。花のち晴れ5巻の感想とネタバレを書いていきます!

今までの自分の記事パーっと見返しても…文字数多すぎるよね…。自分でも引くわ…。でも上手く伝えるにはあれくらい書きたくなってしまうんだよなぁ。もっと簡単に伝えられたらいいんだけど…どうにも上手くできない…。

この5巻からもうちょっと意識してみようと思います!どこから読んでも面白いけど、この5巻くらいから面白さが強くなってる気がする。

そして…2巻とか3巻では敵としてバチバチだった愛莉がとってもかわいくなっていくのが本当に楽しい。

花のち晴れ ネタバレ 5巻

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第28花

「Wデート?」ハルトと一緒に来たメグリンの提案に、天馬くん・ハルト・音ちゃんの3人が揃って口にした。

メグリン曰く「だって同じ場所にいるんだし」とのこと。そんなメグリンに「そもそもオレ達はデートじゃねぇだろ!お前がどーしても来いって言うから!」と反論する。

そんなハルトを見て天馬くんは「見苦しいな神楽木。デートでも何でもいいだろ。2人で来てるのは事実なんだからとケンカ腰に話しかける。天馬くんの後押しを受けて、メグリンも4人で回ることに更に乗り気だ。

音ちゃんは「天馬くんやめようよ…」と言うも、当の天馬くんは睨んでくるハルトを一瞥してから「俺はいいよ。4人で回っても」と、ハルトと戦うような姿勢を見せる。

まさか天馬くんがダブルデートを受け入れるとは思わず唖然とする音ちゃん。

ハルトも天馬くんがダブルデートを了承するとは思っていなかった。しかし『男らしく逃げも隠れもせず、オレに江戸川とのデートを見せつけたいってことか!?』と受け取る。

天馬くんを睨むハルトを見て、メグリンは心配してハルトの服の裾をつかみ「平気だってことを見せてやろう。もう、あなたの走って逃げる後ろ姿を見たくないよ」と言った。

その言葉でハルトは決意する。『こんなとこで会うなんて、なんて運の悪い。でも確かにここで逃げたら、オレはずっと逃げ続ける。決めろハルト』と自分を応援し、

「おジャマじゃねーの?別にオレはいいけどよ」とさも気にしていないように見せながら答えた。ハルトもダブルデートを受け入れたことで、4人で回ることが決定してしまった。

天馬くん、ハルト、メグリンの3人で歩いている…。誰も何も話さない…。その光景はなんだか変だった。ハルトは遊園地の乗り物を利用して、天馬くんの余裕ぶった「少女まんがヅラ」を壊そうという計画に出た。

まずはコーヒーカップ。コーヒーカップをグルグル回して酔わせてやろうという作戦。天馬くんに「馳、コーヒーカップ乗ろうぜ」と誘う。

「なんで俺がわざわざお前tと乗るんだ?」と言われれば、「お前にも苦手なものがあるんだな」と挑発し、天馬くんをコーヒーカップに乗せる。音ちゃんとメグリンは「え!?男同士であれに乗るの?」「普通、男同士で乗らないでしょ」と2人の行動が疑問だった。

男2人でコーヒーカップに乗り込み「ひっかかったな!」と言って「うるぁぁぁぁ!」と勢いよく回すハルト。しかし、ジェットコースターに乗った後、倒れてしまったハルトは、案の定コーヒーカップから降りた後、屍になった。

一方天馬くんは何事も無かったように立っている。ハルトが「なんでお前平気なんだよ」と聞けば「1.5Gまで耐えられるんだ。子どもの頃テストした」という宇宙飛行士でも目指しているかのような答えが返って来た。

ハルトは引けない。「次はホラーハウス入るぞ!」と言って、またしても天馬くんと2人で入る。音ちゃんとメグリンはずっと置いてきぼりだった。

メグリンは「ごめんね音さん…。私がWデートとか言ったから…」と音ちゃんに謝るメグリン。(ホントだよ)

そんなメグリンに「いいの!めぐみさんのせいじゃないよ。天馬くんの通う桃乃園学院と英徳って対抗しているみたいで…。神楽木は戦いを挑んでるつもりなのかな」と音ちゃんは答える。

音ちゃんを巡って競っていることは言えないが、気づいていない音ちゃんに対し「ドンカンちゃんか…」と呟くメグリン。「あとでちゃんとしたペアで観覧車乗ろうよ。ね。座って待ってよ」と音ちゃんにベンチに座るよう促すメグリン。

改めてメグリンを見て、スタイルの良さや髪のきれいさ…男の子が真っ先に好きになるタイプだな、と音ちゃんは実感した。

ホラーハウスでは、天馬くんよりも誘ったハルトの方がお化けに驚いていた。

天馬くんがハルトの狙いを察知して「もしかしてここに俺を入れたのは…」と言うと「江戸川とお前をここに入れたら密着するかもとか思ってねーよ」とほぼ本心をそのまま伝えてしまうハルト。

天馬くんは「おまえ、音が好きか?」と核心をついた。ハルトは「そうだ」とも言わず「だったらどうなんだよ」と返答する。天馬くんは「どうもしない。お前の勝手だ。でも、音は渡さない」と言って、先に進んで行った。

『しれっと言いやがって。言われなくたって、同じ土俵にも立ってねぇし、オレが入り込む隙が無いことくらいわかってるよ。マジでイラつく』とハルトはモヤモヤしていた。

出てくると、メグリンと音ちゃんが2人を出迎える。ホラーハウスから出てきた後のハルトを見て、何かあったのかと音ちゃんは少し心配になった。メグリンと話していた、それぞれのペアで観覧車に乗ろうと言っていた、と天馬くんに伝える音ちゃん。

4人は観覧車に向かう。観覧車に乗る前、天馬くんは靴紐がほどけているのに気づき結ぶためにかがむ。音ちゃんはそれに気づかずに先にゴンドラに向かってしまう。

そこにぼーっと考え事をしていたハルトも乗り込んでしまい、観覧車のゴンドラの中で、ハルトと音ちゃんは2人きりになってしまった。

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第29花

天馬くんと乗るはずが、ハルトと一緒に観覧車に乗ってしまった音ちゃん。「ちょっと、なんで乗ってきてるの…」ハルトも意識していなかったのかあたふたしている。

「いやぼーっとしてたら…いつの間に!?」と言って下を見ると、メグリンが「何やってんのーー!」と声をかけている。天馬くんとメグリンは地上に置いてきぼりにされていた。

観覧車は1周20分。その間2人はずっと一緒だ。

「いくらなんでもぼーっとしすぎでしょ。それにさっきから天馬くんに変な勝負挑んで、めぐみさんかわいそうじゃない。せっかくのデートなのに」と音ちゃん。ハルトとしてはデートのつもりが無いので「悪かったよ。つーかデートじゃないって言ってんだろ…。」としか言えない。

ゴンドラから東京タワーが見える。

「昔よく家族で登ったの。父が展望台から眺める景色が好きで。成金だったから、事業で成功するまえによく父が言ってた。いつかはこの世界を手中にって」

「貧乏人が考えそうなことだな」と悪態をつくハルト。「その言い方ムカつくけど…本当にそうだよね」と音ちゃんも同意した。

地上ではメグリンが、天馬くんに「ハルトくんわざとじゃないと思いますよ。彼はずるいことはしません」とその場には居ないハルトの弁解をしていた。それを聞いて天馬くんは「君は神楽木と付き合ってるの?」と質問する。

メグリンは「いいえ、残念ながらまだ!今頑張ってるんです!なので馳さん、音さんを話さないでくださいね。私けっこう必死なんです」始めは元気に、そして次第にしおらしく天馬くんに伝えた。

観覧車のゴンドラの中ではハルトが「このまま馳と結婚すれば、お前の親父の夢叶うじゃん。下界の半分以上は手に入るだろ」と余計なことを言っていた。それを聞いてムッとする音ちゃん。

「なんでいつもそういうこと言うのよ」と言い合いが始まる。ハルトが自分を好きだと気づいていない音ちゃんは、「めぐみさんのこと好きなの?英徳で人気を集めるために彼女を利用してない?弄ぶならやめてあげてよ」とハルトに面と向かって言う。

(ちなみにここのハルトの作画がすごくかっこいいです。是非チェックしてください)

「お前はどうなんだよ。お前はオレを弄んでないか?」と音ちゃんを問いただすように言うハルト。音ちゃんには自覚は無いので「何言って…」と困惑する。

「知らんぷりしてんじゃねぇよ。わかってんだろ?」と言いながら音ちゃんの手を握るハルト。「いいか、オレが好きなのは」と告白しようとしたとき、観覧車は急停止した。

これ幸いとつかまれていた手をすぐにほどく音ちゃん。2人とも顔は真っ赤だった。地上から止まった観覧車を見ると、なんとゴンドラから子どもがぶら下がっていた。親が必死で子供の背中の服を掴んでいる。

天馬くん曰く「急に止まったから窓から振り落とされた」らしい。天馬くんは遊園地のスタッフに落下に備えてマットレスを準備するよう指示を飛ばす。

ゴンドラでは、音ちゃんも落ちそうな人を確認していた。音ちゃんとハルトが乗るゴンドラの一つ下だった。母親が必死に子どもを支えているが長い時間はもたないことは明らかだった。

ハルトはズルリと、自分のゴンドラから抜け出す。「ちょっと…何してるの。なんで外出てるの」と音ちゃんが状況についていけずに質問する。

外から見ている人も悲鳴をあげていた。助けに行こうとするハルトを「やめなよ!危ないって!落ちちゃう!」と懸命に止める音ちゃん。

そんな音ちゃんに「こんな時、馳なら行くだろ。絶対負けたくねぇ」と下のゴンドラを見ながらハルトが答える。まだ英徳と桃乃園の戦いだと思っている音ちゃんは「こんなところで英徳も桃乃園も無いでしょ」となんとか止めようと説得する。

しかしハルトは学校よりも、音ちゃんを巡る戦いで1つでも天馬くんに勝ちたかった。「学校の問題で命かけるかよ!一つくらい馳に勝ちてぇ!」そう言って進むハルト。

ハルトは高所恐怖症だった。くらくらしながらも進むしかない。下から見ているメグリンも天馬くんも、そして他のやじ馬もハラハラしながらハルトを見守っていた。

遊園地の係員が「マットレスもう少しで来ます。あと少し頑張れ!」と声をかける。

下のゴンドラに行く途中、足を滑らせるがなんとかポールを掴み落下を免れたハルト。そのまま下のゴンドラに行き、子どもを助ける。親からは泣きながらお礼を言われた。

助けたは良いものの、どうやって降りればいいのか…。悩んでいると観覧車は動き出した。その衝撃でゴンドラの窓を掴んでいた手が外れ、掴む物がなく落下して行くハルト…。

どうなる事かと思われたが、下にはマットレスが敷いてありマットレスの上にぼよよんとハルトは落ちた。

「おい、馳。とりあえず、この遊園地やべーだろ」

「だな。報告しておくよ」

なんとか助かったハルトは、天馬くんに遊園地のヤバさを伝えていた。

乗っていたゴンドラが地上について、音ちゃんもハルトを心配して出てくる。「神楽木、大丈夫!?」

「ハルトくん!ばかっ…ハルト君もう…怖かったよ」ハルトに抱き着いたのは、西留めぐみだった。ハルトが無事だったことを見届け、音ちゃんと天馬くんは2人で帰っていく。

『世界はオレの手の中にあると思ってた。でもどうしても手からこぼれおちるものがある。』

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第30花

「死んじゃうかと思った。もうこんなこと絶対いや」泣きながらハルトにお願いするメグリン。「しょーがねぇだろ」と言ってハルトはあまり真剣に取り合わない。

「でも、でもさ~~」と泣き続けるメグリンを前にして、ハルトも折れた。「しつこいな。あんなこと二度とやるかよ」と宣言すると、メグリンは泣きながら

「かっこよかったよ~~~~!」と笑顔でハルトを賞賛した。

変わり身の早さにハルトは呆れ気味に「そうかよ」と言って先に行く。せっかく子どもを助けてもうまくいかない。結局音ちゃんは天馬くんと先に帰っていた。

メグリンは「生まれかわったと思って、ちゃんと私とお付き合いしませんか」とハルトに告白する。

「私はハルトくんを大切にするよ。ハルトくんが自慢できる女の子でいる。いやされる存在でいるし、HPもアップさせる。めぐみと付き合ってよかったと思わせる。

そして…ラブパワーMAX!あげちゃう!!」

と言ってパワーを出すように手を開くメグリン。その様子に圧倒されるハルト。

 

天馬くんとの帰り道、音ちゃんはまだ心臓がドキドキしていた。ぼーーっとしながら歩いていると、ふと天馬くんに話しかけられていたことに気づく。

「今度はこういうプレオープンじゃなくて、ちゃんと稼働しているところに行こう」と言う天馬くんに「そうだね」と答えると、突然天馬くんは謝りだした。

「俺があの2人と一緒に回ろうなんて言ったから、あんな危ない目に遭わせてしまった。」と観覧車でのことを謝罪する。「天馬くんのせいじゃないよ」と言いつつ、音ちゃんの頭の中はハルトのことでいっぱいだった。

『そうだよ。デートじゃないなら何なのよ。遊園地に2人で来ておいて違うとか。私は違う。あんたとは違う。ちゃんと天馬くんと向き合っている。あちこちに良い顔をしたりしない』

そう考えていると、通りの向こうから「馳さんだ!」と天馬くんの学院の生徒会メンバーだという人たちが現れる。

「どこに行ってらしたんですかー?」と楽しそうに聞く彼女たちに「新しくできた遊園地に」と答える天馬くん。音ちゃんも彼女たちに会釈をする。

音ちゃんを見てショックを受けたような表情になり「か、彼女ですか」と恐る恐る聞く生徒会のメンバー。天馬くんは特に気にせず「うん、彼女の音」と音ちゃんを紹介し、音ちゃんも自己紹介をした。

3人の中の1人が「知らなかった…。馳さんに彼女が…。ねぇ、お邪魔しちゃ悪いから…」とあからさまに暗くなり、「また明日、学院で」と言ってショックを受けた子を励ますように帰って行った。

ショックを受けた子は泣いているようだった。天馬くんは気づいていないのか「お茶しようか。この辺にカフェがあるよ」と何も無かったように振る舞っている。

音ちゃんは泣いている子を見て「大丈夫かな、あの人。泣いてる…」と言うと、天馬くんは怒ったように「音は、何を考えてるんだろ」と言った。

「確かにさっきの子には何度も好きだと言われた。音を彼女と紹介して泣いてるのを見て、俺に何をして欲しいの?追いかけて慰めてやればいい?そんなことして何になる?」

と天馬くんは続ける。音ちゃんはこんな天馬くんを見るのは初めてだった。「ごめんなさい…。ごめん…」と謝ることしかできない。

怯えるような音ちゃんを見て冷静になったのか「ダメだな今日は。大きな声出してごめん。送ってくよ」と謝罪してくれる天馬くん。

「大丈夫、一人で帰れる。ごめん本当に。今日はありがとう」とおじぎをして走って帰る音ちゃん。

『天馬くんにはお見通しだ。神楽木に告白めいたことをされて、ぐらぐらしている私をちゃんと見ている。口ばっかりで私ダメだ。こんなんじゃダメ。いつも中途半端で、結局誰かを傷つけてる。』

 

神楽木邸では、「お食事の用意ができました」と小林とシェフがハルトに声をかけていた。「食いたくねぇ」というハルトに対して諦めずに「坊ちゃまの好きなハンバーグですよ」「アントレのにんじんは抜いてありますよ」と言って食べさせようとする2人。

ハルトは告白してきた西留めぐみ、メグリンについて考えていた。

「すぐじゃなくていいから考えて!私のラブパワー受け取ったら、無敵だよ!」と言われて、今日は分かれた。

まだ話しかけてくる小林に対して「だからニンジン入れてなくても食わねーって」と言い返そうとすると、そこには江戸川音ちゃんが立っていた。

「ニンジンも食べられないの?」

小林がお茶を置いて、部屋を出ていく。

「きれいな庭、ホント広いよね。東京ドーム何個分だろう。あそこでバーベキューしたよね」「ああ」と2人で思い出話を始める。

ハルトは少し照れながら「肉で殴られたのは初めてだったぜ」と振り返る。

「私だってそうよ。あの時のあんたの態度、殴らずにいられなかったわ。白馬に乗って現れてギョッとした。バカ坊ちゃんまるだしで。

でも、なんでだろ。ずっと憎めなかった。」

音ちゃんは真剣な表情でハルトの目を見て言う。「今日はちゃんと聞きたくて来たの。あなたは私のことが好きなんですか?」

みつめあう2人、ふざけることもなく真剣に答えるハルト。

「…好きだ。会ってからずっと頭の中はお前のことばかり。江戸川に好かれるにはどうしたらいいか、どうやったら触れられるか、何をしてもここに江戸川がいればって考える。ほんとに本当に、大好きだ」

ハルトが赤くなって言い切る。音ちゃんは辛そうな、そして嬉しいような顔をしてソファから立ち上がる。

「ありがとう。聞けてよかった。ずっと気持ちを閉じ込めさせてごめんね。もうこれで、ちゃんと終わらせよう」

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第31花

「気づいてあげられなくてごめん。もう追わないでください。」

ハルトの目を見て、ではなく少し下を見て話す音ちゃん。

「私は今付き合っている人がいて、こんな風に自分を想ってくれてる人と2人きりでいるのも心苦しい。弄んだつもりはないけど、そう思ったのならごめんなさい」と下を見ながら続ける。

「なんでだよ。どうしても馳がいいのか。オレじゃダメか」そうハルトが言っても音ちゃんは答えず、ドアに向かって歩き出す。

「江戸川!そんなにかよ!」背を向けている音ちゃんに「そんなにあいつが好きか。なぁ!なんとも思わないか、今のオレのお前に対する気持ちを聞いて」と声をかけるハルト。

すると音ちゃんが怒ったような何かを我慢するような表情で振り向き「好きって言うのは聞いて、ありがとうと答えた。もう私が言うことは何も無い」と答える。

ハルトは絶望したように「それだけか」と聞くと、音ちゃんは辛そうな顔をしてからまたハルトに背を向け「それだけだよ」と言って帰って行った。

その場には音ちゃんがしていたマフラーが落ちていた。

水滴が落ちる。ハルトは自分の顔をなぞり「なんだこれ、オレ、泣いてんのか」と自分が泣いていることを自覚した。

 

夜の渋谷。ワクドナルドの店内。周りは楽しそうに話す女の子たち。音ちゃんはホットの飲み物を頼んでいた。あたたかい飲み物を持っても、体の震えは止まらない。

頭の中では、ハルトの告白がずっとグルグルしていた。

『胸が苦しいのは今だけ。言葉のもつ力が強くて、ただ圧倒されて…どうしていいのかわからなくなってるだけ』そう自分に言い聞かせていた。

 

神楽木邸では、小林が門のところに置いてあったという「謎の贈り物」を持ってきていた。中身を調べるとジグソーパズルのピースで、「気分転換にやってみませんか」とハルトに勧める。

ハルトは小林がやるように命令した。小林は楽しそうに承諾し、「これはかなり難しそうですぞ!」と言いながら同系色を分け始める。色を分け始めるとハルトも参加し、2人でパズルを組み立て始めた。

ハルトは子どもの頃、時間を持て余していて何個もパズルを完成させていた。ハルトの両親は、よくお土産でパズルを買っていた。理由は「ハルトに暇つぶしをさせるため」。

「お2人とも分刻みのお忙しさでしたからね。今もですが」と小林が言うと「育児放棄(ネグレクト)だろ」とハルトが答える。

小林がびっくりして「なんてことを!」と言うと「冗談だよ。オレだってアホじゃないからわかる。このデカい家を維持するには幸せ家族じゃいられねぇよ」と訂正した。

「オレんちがもっともっと金持ちだったらどうだったかな。オレにもっとカリスマ性があって、何もしなくても周囲の人間が尊敬してきて、注目浴びて人の上に立てて、そんな人間だったら、あいつはオレを好きになったかな」

自問自答しながらパズルを埋めていくハルト。

小林は「どう思われますか、坊ちゃま」とハルトに先を促す。

少し考えた後、ハルトは「うん。無理だな。オレはオレでしかねーから。馳にはなれねぇし、なりたくもない。」と答えを出す。

「そうでございます。ありのままの坊ちゃまを大事に想う方がきっといますとも」小林がそう励ますと、ちょうどよくパズルも完成に近づき、絵がどんなものか大体わかり始めて来ていた。

パズルは、西留めぐみが「CALL ME!」の下に電話番号が書かれた紙を持って映っている写真だった。小林の目論見に気づき「やりやがったな」と言うと小林は怯えたように「すみません坊ちゃま」と後ろに控える。

するとメグリンもやって来た。

「ごめんね。私が頼んだの。急いで業者に作ってもらっちゃった。電話番号くらい聞いてよ。ケータイ見てドキドキしたいじゃん。私はそのままのハルトくんが好きだよ」と西留めぐみは宣言する。

 

23時過ぎ、音ちゃんはワクドナルドの店員に「閉店です」と言われ、初めて時間に気づき家まで歩いて帰っていた。

団地の前で「おかえり」と天馬くんに声をかけられる。分かれてからずっとここで待っていたらしい。もう6時間も前のことだった。

「ごめん駅でぼんやりしてて。ごめんなさい。もっと早く帰ってくればよかっ」と音ちゃんが必死で謝っていると、天馬くんに抱きしめられる。

「心配した。ごめん。音」と近距離で謝る天馬くん。音ちゃんは赤くなりながら「て、天馬くん、私の方こそ」とまた謝りそうになる。

天馬くんは「謝るな。もう俺に謝るな」そう言って初めてのキスをした。

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第32花

「ただいま…」と家に帰り、帰りが遅いと心配していた母をよそにさっさとお風呂に入る音ちゃん。シャワーを浴びながらさっきのキスのことを思い出す。

『初めてのキスだったのに胸がチクっと痛むのは神楽木のせいだ。あんなにまっすぐ打ち明けられたら誰だって胸が痛くなる』

 

天馬くんはキスをした後「音、ちゃんとオレを見て」と音ちゃんに話す。「うん、ごめ…あ、また謝っちゃった。謝るのがくせになってるみたい」と自分のくせに気づく音ちゃん。

そんな音ちゃんを見て、天馬くんは優しく「謝らせてるのは俺か。ゆっくりやってこう。始まったばかりだろ俺たち。俺は、そういう音が好きだから」と言って頭をなでる。

 

『笑ってくれたのは、天馬くんの優しさだ。それに頑張って応えていく』

豪華な喫茶店に集まる、愛莉以外のコレクト5。海斗は「英徳狩り、聞いたことあるか」とハルトに確認する。コレクト5がやっている庶民狩りではなく、英徳の生徒を街で脅したり黄色のスプレーでペンキをかけたりされているらしい。

始めは2・3件だったが1か月ほどで15件に急増していた。誰がやっているのかはわからない。

やられた生徒が警察に言うには、ヤンキーっぽい連中、ということだった。

「英徳狩りと叫んで襲ってくるらしい。こんなことは英徳の長い歴史の中ではない。とりあえず俺達は相当ナメられてるな」と海斗は分析する。

それを聞いてハルトも憤慨していた。海斗はハルトに、西留めぐみを利用して見た目ステージを上げろと勧める。

「利用って言葉が嫌なら、お前が彼女をちゃんと好きになれば問題ない」

 

次の日の朝、西留めぐみはハルトと一緒に神楽木邸で朝ごはんを食べていた。

「お前海斗に言われて来てんだろ?言っとくがオレはお前に頼るつもりは無いからな」と始めに宣言しておくハルト。

告白されたことも踏まえて「人の気持ちなんか理屈じゃねーから。こうやって毎朝来られても」と釘を刺そうとすると、

メグリンは「わかってるよ。ハルト君が誰を好きか知ってるし、海斗さんに言われたけど私がここにいるのは私のためなの。だって好きな人と朝食とか夢じゃん!!」と言って後ろに控えるメイドに同意を求めるメグリン。

どうやら小林にメイドと、神楽木邸の者と仲が良いようだった。

神楽木邸にたくさん飾ってある道明寺の写真を見て「ハルトくん知り合い?」と何気なく聞くメグリン。「あの方の名前を軽々しく口にするんじゃねぇ。オレの目標だ」とメグリンをたしなめる。

「そっか…。英徳の伝説の人だもんね。あの頃の英徳ってすごかったよね。」と言うとハルトは少し反応した。

メグリンは気づいていんたいのか続ける。「ホントのこと言うとさ、私が転入するとき桃乃園じゃなくていいのかって周りに言われた。最近は物騒なことも起きてるし、そこまで英徳落ちちゃってるのかって…。でもハルトくんが頑張ってるのを見て、今は私も何かできたらいいなって思ってる」

コレクト5が校内を歩く時、そこにはメグリンも一緒にいた。愛莉はメグリンが一緒にいるのが気に入らないようで「なんでこいつがいるのよ」とにらみつけている。

そんな愛莉に「英徳のためだ。ひいてはハルトのため」と海斗がたしなめる。

コレクト5が歩く先に、音ちゃんの姿が見える。メグリンが先に気づき「音さん」と声をかけ、愛莉も「音っ!」と音ちゃんを呼ぶ。ハルトは、音ちゃんを見もしない。

そんなハルトに「ちょ、ちょっと!音だよ?」と愛莉は声をかけるがハルトはそれも無視して先に歩いていった。

「何考えてるのあいつ。最低なんだけど…」と呆然とする愛莉。音ちゃんは、終わらせたのは自分だとわかっている。

『線を引いて、終わらせたのは私』と考えつつ、「いいのこれで」と愛莉に伝える。「愛莉さんも、ほら戻って」と言うが、愛莉は「やだ!音といる!」と駄々をこねる。

「コレクト5のメンバーでしょ?あとで話そう?」と納得させて、愛莉を見送る音ちゃん。

愛莉を見送りつつハルトのことを考える。『これでいいんだよね。知らない同士に戻っただけ。』

ハルトも音ちゃんのことを考えていた。

『これしかねぇ。視界に入っても見えない振りをする。こうやって時間が経つのを待つしかない。とにかく、今はこの学園のことだけを考える。気持ちを入れ替えて、この英徳のために頑張ると決めた』

そんなコレクト5、ハルトを見て、英徳の生徒は「神楽木さん、雰囲気変わったな。なんか怖い感じ」「最近コレクト5が行動起こしてるの観てなかったけど、やっぱり壮観だな。」「今の英徳の象徴だな」と口々に話していた。

 

しかし破滅へのほころびは、確実に忍び寄ってきていた。

ある日ハルトが登校すると、英徳学園の校門はペンキで落書きされていた。

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第33花

「誰が、こんなことを…ふざけやがって…」ハルトは誰にともなくつぶやく。

校門の柱にも床にも、色んなところにペンキで落書きされていた。愛莉や海斗も集まってきていた。

「コレクト5ダサ」など、完全に挑発してきている落書き。「警備何やってんだよ」とある生徒が言うと、「今年に入って予算の関係で警備代を削減したらしいぞ」と別の生徒が答える。

そこから次々に広がる不安の輪。

「こんなの英徳学園始まって以来じゃないの…」「なんだかんだ言って、F4がいた頃の英徳とは全然違うじゃん。」「マジヤバいだろこの学園。」「コレクト5じゃやっぱり…」

と以前はハルトたちを持ち上げていた生徒も手のひらを返したように落書きに感化され始める。

「すみません。ちょっとどいて。ごめん通して」と言ってバケツに水を汲み、モップを持った音ちゃんが現れる。

「早い方がいいかも。ペンキが乾くと落ちなくなるから」とコレクト5や生徒たちに進言する。そんな音ちゃんを見て「汚れるじゃん」とバカにする生徒たち。

モップで落書きを消しながら「なんかあったらすぐF4とか、コレクト5とか…。ひ、人のせいにするのオカシイと思う。自分たちの学校でしょ」と校門前に集まる生徒たちに言う。

『何してるんだろう私。だって知ってるから。英徳のためにあいつが本気で頑張ってること』音ちゃんは、コレクト5が、ハルトが本当に英徳学園を救おうと頑張っていることを知っているから、黙っていることができなかった。

それを受けて、杉丸も「業者が来る前にあらかた消しとこうぜ」と音ちゃんに同意する。愛莉も参加してくれて「愛莉モップ持つの初めてよ」と、実は嫌そうだが友達の音のために…と言う風に参加してくれる。

メグリンが「私もです」と笑顔で言うと、地獄に落ちろ、という顔で「聞いてねぇし」と愛莉はメグリンにだけ未だに冷たかった。

コレクト5も含めた英徳の生徒みんなで、ペンキを掃除する。その中でハルトと目があう音ちゃん。

少し照れながらも「ったく。余計なことすんなっつーの」とハルトが言うと音ちゃんも「何でもかんでも人のせいにするココの人達が頭にくるだけ。あんたのためじゃないからっ」と答え、モップでペンキを落とす。

「そーかよ、サンキューな」と音ちゃんの顔を見ずにお礼を言うハルト。

 

桃乃園学院では会議のため、生徒会役員が集まっていた。天馬くんは会議室に移動しながら、今日の議題を確認する。今日の議題は「西棟にカフェレストランを建設するかどうか」だった。

生徒数の増加で必要になっているらしい。

天馬くんに「我々生徒会でこんな事例を決定できるてすごいことですよね。それに比べて没落したどこかのエスカレーター校は…」とある生徒が英徳をバカにするような発言をすると、天馬くんは「おい」とそいつをたしなめた。

天馬くんが会議室に着いて全員集合したのか、会議が始まる。天馬くんは進行役も兼ねているのか集まった面々にタブレットのファイルを開くよう伝える。

会議中であるにも関わらず「なんだって馳さんは英徳の女なんかを彼女に…」とさっき天馬くんに注意された男と、以前音ちゃんと街でばったり会った女が雑談を始める。

それを見て1人の生徒がバン!と机を叩き「馳さんが今お話されてる!コソコソ話をして、失礼だと思わないのか?」とキツく注意する。

話していた2人は立ち上がり「近衛さん、すみません」と近衛という生徒に謝罪した。

近衛と呼ばれた生徒は「申し訳ありません馳さん。この人たちにキツく言っておきます。生徒会役員の代わりはいくらでもいるんですから。さぁ、我が学院の将来のお話を進めてください」と天馬くんに会議を進めるよう進言した。

 

愛莉は音ちゃんに「音、今日すごいね!モップ持って音が現れたの見て、愛莉見直しちゃった!音かっこいい!」と感動したことを伝えていた。

帰りにどこか行こうと愛莉が誘うと「今日7時からバイトなんだよね」と断る音ちゃん。

「え~~いつもいつもバイトバイトって!じゃあ愛莉が時給払うから付き合ってよ!それでいーでしょ!」と遊んで欲しさにお金を払うと言い出す愛莉。

そんな愛莉に音ちゃんは「あのね…。友達からお金とかもらえません」と断る。

愛莉は『友達』という言葉にいたく感激し、音ちゃんの背中に飛び乗った。「きゃあ!重いっ!おんぶおばけ?」確かに子泣きジジイのような愛莉。

音ちゃんにしがみつきつつ「もういいや愛莉。音と馳が付き合っても、ハルトとあの女が付き合っても。音が愛莉の友達でいてくれれば良い。」そう言って嬉しそうにぎゅっとする愛莉。

ずっと愛莉をおんぶした形になっていて限界なのか「愛莉…何言ってるの早く降りて…」とお願いする。

「愛莉…愛莉って呼んだ」と呼び捨てにされたことでまたしても嬉しそうな愛莉。「うん、だめ?」と音ちゃんが聞くと

「だめじゃない!!」と更に体重をかける愛莉。音ちゃんの腰は限界だ!!「じゃあ今日バイト始まるまで、カフェでお茶ね!!決まりよ!」と愛莉は約束を取り付けた。

愛莉と別れた後、愛莉の強引さを思い出し『妹がいたらあんな感じかな?』と想像し笑ってしまう音ちゃん。

そんな時、ハルトたちコレクト5とメグリンが通るのを見かける。英徳学園のために頑張るハルトに、心の中でエールを送った。

 

愛莉に「地下鉄の入り口のところで待ってて。車に乗って迎えに行くから」と言われ、地下鉄の入り口で待っている音ちゃん。本当にバイトまでに戻れるのか、少し不安だった。

すると「ひとり?遊びにいかない?」と明らかにガラの悪い連中に話しかけられる。

びっくりしつつも「いえ、待ち合わせしてるんで」と断ると「ショック~~断られたよ。断れる顔してないっしょ。英徳ちゃん。かわいく色つけてあげるからね」

そう言ってスプレーを取り出した。

 

待ち合わせ場所に着いた愛莉。

「あれ~まだ音来てない。愛莉を待たすなんてやるよね~。でも友達を待つのもちょっと楽しいかな。ふふっ。早く来ないかな」

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第34花

日が暮れてしまいもう夜。未だに待ち合わせ場所に音ちゃんは居ない。

愛莉はハルトに「音が来ない~!ハルトー!?音がもう1時間半も来ないんだけどー!!どーなってるのこれー!!」と電話していた。

ハルトは「知るかよそんなこと」と至極真っ当な答えを返すが、愛莉は聞いておらず「バイト先にいるのかなぁ。来るって言ったのにー!」と大声で話していた。

「バイト先行ってみりゃ(わかるんじゃね)」と言おうとして途中で「わかった」と言って電話を切ってしまう愛莉。どこまでも勝手な奴だった。

メグリンに「音さん?どうしたの?」と聞かれるが「関係ねーし」と答えない。

音ちゃんの話題になり杉丸も「今日モップ持って現れた子だよな?あれはちょっと驚いたな。あーいう奴ウチの学校にいたんだな。みんな大体人任せじゃん」と言い、

一茶もそれに続き「馳の女だろ。さすが一本筋の通った感じするよな」と答える。

海斗はハルトが天馬くんがいることで音ちゃんに振られたことを知っているのか、その話題を避けるように注意する。

「あ、そっか、ごめんなハルト」と謝られるが、この流れそのものが気に食わないのか、ハルトは「ちょっとトイレ行ってくる」と言って席を立った。

ハルトはバルコニーに出て、愛莉に「音が来ない!」と言われたことを思い出す。ハルトは動揺していた。

『さっさと忘れちまえ。外部の人間に落書きなんてされて、オレ達がなんとかしないと。ふぬけてる場合じゃねぇ。』と自分を鼓舞する。

するとメグリンもやってきた。

「大丈夫?ハルトくん。トイレ行くって言って行ってないし。大丈夫かなって」と心配するメグリン。「別に外の空気吸いに来ただけだよ。」と言ってハルトは中に戻っていった。

「今大事な時だよね。私もサポート頑張るよ。がんばろうね」とメグリンが言っても、ハルトはそれにあまり答えず、ただ「戻るわ」と言ってメグリンを置いて歩いていった。

愛莉は音ちゃんのバイト先、ドーソンに来ていた。紺野さんが「あんた知ってる!ハルチンの友達の!」と愛莉を指さす。

音ちゃんはまだ来ていないらしく、何の連絡もなく遅れたことが無いので紺野さんも心配していたようだった。

愛莉も「音に何かあったのかな。待ち合わせしてたとこに来なくて」と心配そうに言うと紺野さんは「ハルチンは?あの子なら何とかしてくれるでしょ!」と答える。

愛莉はそれを聞いて、ムッとしたように「ハルトなんて、もうなんの役にも立たないよ」と言い捨てた。

 

2時間前。ガラの悪い連中は「そこの細い道入ろうか」と音ちゃんを路地裏に誘う。

音ちゃんは屈せず「あ、あんた達誰よ!なんのために英徳を攻撃するの!」と反抗する。すると、初めての反応だったのか、より面白そうに話し出すチンピラ。

「なんでって言われても、そこに山があるから登るのと同じで、そこに英徳の生徒がいるからってカンジ?と軽く答える。

「校門のスプレーもあんた達が…?」と確認しようとすると、チンピラの1人が「今誰も来ないからチャンス。今だ」と言って音ちゃんを取り押さえる。

音ちゃんが抵抗し倒れたところにスプレーをかけられる。

「いたっ…!目が!!」音ちゃんの目にスプレーがかかってしまい涙が止まらなくなる。そんな時、「おい!何してるんだお前ら」と誰かが声をかける。

誰か来たことで逃げ出すチンピラたち。助けてくれた人たちは桃乃園学院の制服を着ていた。

「大丈夫ですか」と音ちゃんに声をかけるが、音ちゃんは目にスプレーのペンキが入っていて何も見えなかった。

「ペンキが目に?病院に行って洗浄してもらわないと」と1人が言うと、もう1人は音ちゃんの英徳の制服に気づき「これ、英徳の人間じゃないか。どうします近衛さん」と近衛に確認を取る。

近衛は「お前は、英徳の人間だからと見捨てるのか。そんな恥ずべき考えのお前の方が我が桃乃園学院に必要ないんじゃないか?」と答える。

確認を取った生徒は近衛に深く頭を下げ謝罪した。会話を聞き「桃乃園学院、天馬くんの学校…?」と気づく音ちゃん。

桃乃園学院の生徒に手伝ってもらい、病院まで向かう。

 

病院では「すぐに洗浄してよかったです。放っておいたら失明しますよ」と危なかったが今回は大事無かったと言われ、診察室を出る。

出た先では、「大丈夫でしたか」と近衛たち桃乃園学院の生徒会のメンバーが出迎えていた。

音ちゃんは「はい、おかげさまで充血ですみました。本当にありがとうございました。」とお礼を言う。

近衛は「ああいった連中が最近トラブルを起こしてると聞いて、巡回してました。大事に至らなくてよかった。これからもこの桃乃園学院が街を守ります。さっきの男たちのことで何か思い当たることがあれば教えてください」と警察のようなことを言う。

『桃乃園学院は天馬くんがいるとしか知らないけど、街でパトロールまでしてるんだ』と活動の幅広さに感心していると、生徒会役員の1人に「あの…この前会長と一緒にいましたよね」と声をかけられる。

近衛は表情を崩さずに「やはり馳会長のお付き合いされている方でしたか。私は近衛仁(このえ ひとし)といいます。さっきはウチの生徒が大変失礼しました。」と英徳の人間だからと見捨てようとしたことを謝る。

音ちゃんは「いえ、とんでもないです。助けてもらわなかったらどうなっていたか…」と言うと、近衛に電話が入ったのか「すこしお待ちください」と会話が中断される。

その合間を縫ってか、「英徳の人間を助けるんですか?」と言ったことで近衛に「桃乃園学院に必要ない人間なんじゃないのか」と言われ怯えていた生徒が音ちゃんに近づく。

その生徒は「助けてもらった」と馳天馬生徒会長に口添えして欲しいと音ちゃんに懇願する。このままでは近衛から処罰されてしまい、それを止められるのは天馬くんだけだ…とも音ちゃんに言った。

「処罰」という重い言葉に反応する音ちゃん。

そんな時、天馬くんが病院にかけつけてくれた。音ちゃんの様子を見てとても心配してくれていた。

「今日愛莉と待ち合わせしてたら変な男たちが…」まで話したところで、「今、何時?」と冷静になる。夜の7時を過ぎていると生徒会の1人に言われてバイトの時間を大幅に過ぎていることに驚く音ちゃん。

さっきまで危ない目に遭っていたのに、今ではバイトの心配をしている音ちゃんを見て、ついため息をつく天馬くん。

処罰を恐れていた生徒が、催促するように音ちゃんに声をかける。

音ちゃんは察して「天馬くん、この方達が助けてくれたの。処置が遅かったら失明してたかもしれないって言われて。助けてくれて、ここに連れて来てくれて本当に感謝してます」と天馬くんに伝える。

催促した生徒もホッとしてしていた。彼女の音ちゃんを助けられたとあって、改めて生徒会役員のみんなにお礼を伝える天馬くん。その様子を、近衛は不服そうな顔で見ていた。

病院の外、天馬くんは音ちゃんを見送るために外に来ていた。

結局音ちゃんはバイトには1時間遅れで入ることになった。そんな音ちゃんに天馬くんは「英徳学園にいる意味はあるのかな」と声をかける。

「こんなに危険な目に何度もあって、そこまでしてあそこにいる理由があるのか?」と天馬くんは続ける。

「俺はもう限界だよ。音がひどい目に遭うのを見ていられない。英徳を辞めて、桃乃園学院に転入してこないか」その声は、2人しかいない空間に響いた。

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第35花

音ちゃんにとって桃乃園学院に転入するなんて考えてもいなかったことだった。

そんな音ちゃんに天馬くんは優しく語り掛ける。

「もし音が転入したら絶対に危険な目には遭わせない。英徳のように伝統的では無いけど、校風は自由だと思う。考えてみないか。音さえ良ければすぐにでも来て欲しい」

天馬くんの目はとても真剣だった。しかし、天馬くんとの結婚は「英徳学園に在籍すること」が条件になっている。それは天馬くんの今のお母さんが出した条件だった。

それを伝えると天馬くんは「まったくくだらないな」と、義母とはいえ自分の母のことをそう言い捨てる。

「それは気にしなくていい。俺は音がどこの学校だろうがかまわないし、何も言わせない。何よりも桃乃園学院に音が転入したら、音と一緒にいられるのが、俺は嬉しい。」(この天馬くんかわいい)

 

するとそこに近衛が「お話中すみません」と割って入って来た。車の手配をしてある、と近衛は伝える。

天馬くんが「音がバイトに行くのにその車を使いたい」と近衛に伝えると、音ちゃんは「え!大丈夫だよ」と断ろうとするが…天馬くんはそれもお見通しだった。

「こんな時にバイトなんて行くなって言いたいんだけど、行くんだろ?」と優しく音ちゃんに語り掛ける。

「今日はシフトに1人しかいないので迷惑はかけられない」と音ちゃん。天馬くんに見送られ、音ちゃんは車に乗る前にもう一度2人にお礼を言った。

去り際、天馬くんに「音、さっきのこと考えておいて」と念を押される。

天馬くんの言うことは確かに正しかった。クラスに友達はおらず、庶民狩りの対象になって殴られたりもした。このまま英徳にいても…良いことは…。

そう考えていると、車の中で近衛に「いつ転入されるんですか?」と聞かれる。考え中だと答えると、「何を考えることがあるんです?」と心底意外そうに聞かれてしまう。

近衛曰く「あんなに素晴らしい人の近くにいられるなんて幸せは何にも代えがたいものです。あなたも贅沢ですね」とのこと。天馬くんのことをものすごく誉める近衛に若干引いてしまう音ちゃん。

あまりにも誉めるので「近衛さんは天馬くんとどういう…」と聞くと、「同じ生徒会の役員で、私は副会長です」と割と普通な答え。

「馳さんには恩がありまして、たぶん一生かかってもお返しすることができないと感じています」と近衛が続ける。

一生…という重い言葉といい、先ほどの生徒会役員に対する「処罰」発言といい、怖い人なんだろうか…と考えているとまたしても「いつ転入してきます?」と真顔で質問してくる近衛。

ついさっき「考えてます」と言ったばかりなのに…せっかちな人だ、と音ちゃんは感じた。

バイト先のドーソンに着き、改めて「転入のことはちゃんと考えて天馬くんに言います。今日は本当にありがとうございました。」と近衛に伝える。

近衛は、音ちゃんがコンビニで働いているというのが意外そうだった。そして憐れむような目で「すぐに辞めた方がいいと思います。馳さんが恥をかきますから」と音ちゃんに伝える。そして近衛は帰って行った。

突然の失礼な言葉に呆然としつつも、その場を後にする音ちゃん。

 

ドーソンに入ると紺野さんが心配してくれた。愛莉もすごく心配していたらしい。電話で簡単に謝ったが、事情をしっかり説明することはできなかった。

制服に着替えつつ、男たちに襲われたことを思い出して改めて怖くなる音ちゃん。

『あの男たちが校門に落書きしたのならちゃんと告発しなきゃ…。でも誰に…?神楽木…?でも、もう私からは声をかけづらい』

そう考えつつレジに入ると、紺野さんからハルトが来たと教えられる。ハルトは音ちゃんを見て「なんだよ居るじゃねーか」と文句を言った。

紺野さんが「音っちを心配してきたんでしょ?」とからかうと「えんぴつを買いに来ただけだしっ!」と小学生のような言い訳をするハルト。

ハルトは照れつつも悪態をつこうと音ちゃんを見る…。ハルトは音ちゃんの顔についているペンキを見て表情を変えた。

「どこでやられた!?顔についてるペンキだよ。わからないと思ったのか?隠すな。そいつらただじゃおかねぇ。何をされた?」と音ちゃんを問いただすハルト。

「スプレーでペンキを顔にかけられて目に入っちゃって…そこをちょうど桃乃園学院の人達が通りかかって助けてもらったの」と一部始終を音ちゃんは簡単に説明する。

ハルトは「桃乃園学院?」と助けてくれた学校に引っかかった。「なんで桃乃園学院なんだよ!」と聞かれるが「知らないよ。たまたまだと思う」としか音ちゃんは返せない。

「馳は?」と、天馬くんのことも聞かれた音ちゃんは正直に「天馬くんは病院に来てくれた」と説明した。それを聞いて急に興味を失ったように「そーかよ」と返答するハルト。

音ちゃんはずっと気になっていた、校門にペンキを塗ったと思われる3人組のことをハルトに説明しだす。

「それよりそいつら3人組だったんだけど、その3人が校門のペンキをやったんじゃないかと思って…」しかしハルトは音ちゃんの言葉を聞いていなかった。

「お前、本当は英徳のことなんてどうでもいいんじゃね?なんたって、桃乃園学院の生徒会長の女だもんな」

ハルトの言葉に、音ちゃんは言葉も無い。紺野さんも、あまりのハルトの言いぐさに「怖い思いした女の子にその言い方はないでしょ!?」と怒ってくれる。

そんな紺野さんを止める音ちゃん。

「もういいよ、紺野さん。どうでもいいなんて思ってないよ。わかってもらえないかもしれないけど。私、桃乃園学院に転入するかも。

今日、天馬くんに英徳に通う理由はなんだって聞かれたの。そんな理由なんて無いってことが、今、わかった。」

ハルトを睨み、そう言い放つ音ちゃん。

ドーソンの外から、近衛がハルトと音ちゃんの様子を、特にハルトのことをじっと見ていた…。

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花のち晴れ 5巻 感想

愛莉がかわいい

5巻は色々あるけど、まずはこれを最初に言いたい!!愛莉がかわいいいい~~~!!

今まで友達ができなかったから、音ちゃんという初めての友達ができたことが嬉しくてしょうがないのがわかる!

「もういいや!音がいればいい!」って言って音ちゃんにおぶさる辺りとか笑ったwかわいいw音ちゃんとケンカ…というかやりあったからこそのこの関係。

音ちゃんも愛莉のことを「愛莉さん」じゃなくて、呼び捨てにし始めるからね!!

『友達からお金なんてもらえない」ってとことか『呼び捨てにしちゃダメ?』のとことか、本当に愛莉かわいい…!ここまで懐いてくれると本当にかわいいわ。これを書いている時点ではまだドラマ放送してないけど、どんな風に差がつくのか楽しみ、でもあり怖いw

ハルトとの関係がどんなに悪化しても、愛莉は音ちゃんと友達でいてくれるし、音ちゃんとハルトがうまく行って欲しいと思ってるのがわかりやすく出ていて本当良い奴。

コレクト5にメグリンが参加しただけで、めっちゃ嫌そうだけど「いやだ!音といる!!」って駄々こねたりしてかわいい。落差が激しいだけに本当にかわいい。音ちゃんと2人でお泊り会とかして欲しいw

気まずいダブルデート

音ちゃんがもっと悪女だったら、ハルトと天馬くんをどちらにも良い顔をして2人を弄ぶんだろうけど音ちゃんはそんなことしないからね。

ジャンプ+で読んでても、このダブルデートは気まずそうだった~~!ハルトが天馬くんに対抗しようとして2人で乗ってばっかりだし。天馬くんも音ちゃんと乗りたかっただろうな…w

ハルトも音ちゃんと乗りたいけど、天馬くんも音ちゃんと乗りたい。しかしこのダブルデートだと、音ちゃんは天馬くんと乗ることは確定している。

そんな光景は見たくないから、天馬くんとハルトが一緒に乗った…のかな?つか天馬くんの宇宙飛行士の訓練って何wどうしてそんなことをしたのかw体を鍛えるためとはいっても、どうして…1.5Gに耐える訓練まで…。

音ちゃんの立場だったら別々に居たかっただろうに。そして起こる事件。観覧車が急に止まったからって、何故窓から子供が落ちそうになるのか。一体どんな姿勢で観てたんだよ、おかしいだろw

窓のガラスもどうしてそこまで取れやすいのか。ツッコミどころが多いが、こうやって何か起こさないとどうしようも無いしね。

音ちゃんに迫ったところで、何か起こったから…そーいう意味では良かったよね。落ちそうになった子どもとしては災難だけど。ここはドラマでも同じような事件にするのだろうか。ちょっと気になる。

ハルトとしては、メグリンじゃなくて音ちゃんに抱き着いてきて欲しかったし。きっと…音ちゃんもハルトに抱き着く、とまではいかないにしろ心配してたって駆けつけたかっただろう。

でも、天馬くんと帰るしかないあの後ろ姿が寂しい。その音ちゃんを連れて帰る天馬くんも、なんだかかわいそう。

とっても気まずい告白

音ちゃんも気が強いよね。観覧車でのことがあったからって、直接本人に「あなたは私のことが好きなんですか」って聞きに行くなんて…つ、強すぎじゃないですか。鋼のメンタル。

それに正直に答えるハルトも偉い。ちゃんと赤くなってるし。「好きだ。大好きだ」ってしっかり言えて良かったよ…。きっとここはドラマでクライマックスに使われますね。ドラマ観る人はこの5巻は要チェックですわ。

あの言葉を聞いても、断るでもなく受け入れるでもなく音ちゃんは帰る。「ありがとう」とだけ言うことしかできない…ってのはある意味では本当だよね。

音ちゃんもハルトを受け入れたいんだろうし、自分でもハルトに惹かれているのをなんとなく理解はしているけど、しがらみがそれを許さない。

いいなずけとは言っても、天馬くんはずっと音ちゃんを好きだと言ってくれていて、その天馬くんと付き合うと言い出したのは音ちゃん。その付き合いも…一応いい感じで続いている。

そんな中で、ハルトの家に一人で行くのは確かに天馬くんに悪い。でも解決しなきゃいけなかったんだよね。その後一人でずっと考えちゃって、震えが止まらないのも、「言葉の力が強いから」って言って、自分に言い訳してるのも、本当はわかってるけど逃げてるだけなんだよね。

しかし音ちゃんを責められない。音ちゃんは逃げられないように育ってしまった。幸せになっておくれ…!

次のヤンデレは近衛

ちょっと前のヤンデレは愛莉だったけど、次のヤンデレは近衛くんでーーす!!

対象は天馬くんのヤンデレ。近衛…この5巻では登場シーンが少ないけど、それでも伝わるヤバさ。人の話を全く聞いてないし、そもそも目が怖い。

こいつやらかしますね、オーラが半端ない。桃乃園学院の生徒会役員会議で雑談してただけで、超怒られるとか桃乃園学院怖いんだけど。というかカフェ作る作らないを生徒会で決めるんだ…。余裕ありますね。

近衛くんのヤバさを既に音ちゃんは感じ取っているからね。さすがは音ちゃん。6巻では、もっともっと近衛くんがヤバくなる…予定なんだよなぁ…。

愛は盲目っていうけど、盲目だから許されることは少ないよね。

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