鈴林です!花のち晴れ7巻の感想とネタバレを書いていっきます!

7巻良かった…!なんか泣けたし、すごく面白かった。読み終わってからすぐに8巻を読みたい衝動に駆られるけど、そんなことしたら感想とか書きたくなくなっちゃうからね!!頑張る!w

7巻ではF4の西門も出てくるから、花より男子ファンもニッコリ。花沢類よりもけっこうガッツリ出番があるから嬉しい。そして西門が変わってなくて嬉しいし、西門のノリがもう懐かしい。

表紙のハルトがどんどん…どんどんかっこよくなっていって…2巻の表紙なんてつままれているのに…7巻のこの出世具合と来たら!!これがジャンプの力なのか!!w

全く知らない人からしたら、「少年ジャンプ+で花のち晴れが連載してる」って意味わからないよね…w

花のち晴れ ネタバレ 7巻

→花のち晴れ7巻を無料で読んでみる!←

花のち晴れ 7巻 ネタバレ

第43花

「俺と勝負しないか」と、天馬くんから面と向かって勝負を挑まれるハルト。

「で?何やるんだよ。ここで殴りあって殺しあうとかは言わねーよな」とけんか腰で返す。

天馬くんは表情を全く変えずに「お前が死にたいならいいぜ」と言った。
自信があるのがハルトにも伝わり、イラっとする。

「延英寺(えんえいじ)の武道大会は知っているな?」
「延英寺?あの1000年近く歴史があるやつか」

「3種競技で勝者を決める大会。あれで決めよう。エントリーは俺たち2名。お前のところに武道をやってる奴がいたな、栄美杉丸だったか。詳細はそいつに聞け。
2週間後、逃げるなよ。俺が勝ったら、お前に終わってもらう。」

ハルトは、「オレが決めた時が終わりと決めた」と音ちゃんにも天馬くんにも伝えている。
この勝負で負ければ、音ちゃんを諦めろ、と言外に言っていた。

「いいな」

『この野郎、あとから条件つけてきやがった。今断ったら、口だけの腰抜けだろうが』

ハルトは天馬くんの挑戦を受ける。

「馳、お前なかなかの性格じゃねぇか。聖人君子ぶって、うさん臭い奴と思ってたが、ようやくギラついたお前が見られたぜ。
おい、一方的なのはごめんだからな!オレが勝ったら」

去ろうとする天馬くんに話しかけると、天馬くんは振り向いて
「お前は勝てないよ。この勝負はお前から全てを奪うために行われるんだ。お前が望むものは全部、この淡い雪みたいに消える。楽しみにしてるよ」

そう言って帰っていった。もう天馬くんが振り向くことは無かった。

『この野郎、完全にナメやがって…!みすみす負けてたまるかよ!』

次の日、ハルトは杉丸の元へ延英寺での3種競技について聞きに行っていた。
杉丸は、京都延英寺での武道3種大会について知っていたが、ハルトが馳天馬からその勝負を受けた、ということにとても驚いていた。

「冗談だろ!?やめとけって!!
お前、それ益荒男(ますらお)祭のことじゃねーか!千年の歴史がある有名な祭りだよ、知ってるだろ??柔道・弓道・剣道で最も強い男を競い合って決めるやつだよ!」

柔道・弓道・剣道で勝負…といまいち状況を呑み込めていないハルトを、急いで家に連れて行き、杉丸は説明を続ける。

「これを見ろ!おととしの全国武道大会5種目を競い合う大会の写真だ!この真ん中にいるのが馳天馬、この年の優勝者だ。

俺は弓道はできないから参加してない。ハルト、こいつの強さは半端じゃないぞ」

杉丸はハルトを心配して、勝負を降りるように天馬くんの強さを説明する。

「江戸川に聞いてるよ」
「お前、知ってて引き受けたのか…。なんでそんなこと…。お前、益荒男で得意な競技あったか?」
「いや。でもガキの頃にどれもやったことはあるな。」

何か得意な競技があるかと思い聞いたが、子供の頃以降どれもやっていないというハルトの答えに、杉丸は勝機を感じない。

「ガ、ガキの頃か…。ハルト、悪いことは言わない。断るのも勇気だ」
と改めて勝負を降りるよう説得する。

しかしハルトは「バカ、冗談じゃねーよ」と引かない。

「待てよ、おかしいだろこんな勝負!馳にとっちゃ、赤子の手をひねるより簡単だぜ?
しかもお前だけの問題じゃねーし。各学校のトップが戦うってことは、英徳VS桃乃園って世間は見るだろ?」

杉丸に言われ、ハルトは初めて自分が負ければ英徳も負けたことになる、と気づいた。
『馳は、それをわかっていて…!』

沈黙するハルトに杉丸は改めて「ハルト、恥かく前に…」と勝負をやめるよう言おうとするが

「絶対に嫌だね。負けなきゃいいんだろ?オレも英徳も、そう簡単には負けねぇよ。杉丸、お前師範の知り合い何人もいるよな?紹介してくれ」

顔を青くする杉丸に、ハルトは助力を乞う。

英徳学園のカフェテリアでお茶をする愛莉にハルトの居場所を確認する音ちゃん。しかし、ハルトはおろか、杉丸も最近は見ないようだった。

何かあったのか聞く愛莉に顔を青くして
「天馬くんとも連絡がつかなくなって、大変なことになったらどうしようって…」

とそこから事情を説明する。

「は?馳がハルトを許さないって言って、音が忠告したのを…ハルトは受けて立つって言ったの?やっば!超~~~かっこよくない!?」

青い顔で説明する音ちゃんと相反して、テンションが高くなる愛莉。
そんな時、海斗と一茶が現れる。海斗もハルトたちの行方を調べていたらしく、それによるとハルトと杉丸は一緒にいるようだった。

一茶が杉丸の家に聞いてみると、3日前から京都に行っているらしい。杉丸の家は京都に武道場を持っているのでその関係で京都に行っているのでは…と想像する海斗たち。

その京都では、ハルトが杉丸と柔道で組んでいた。杉丸に投げられ、そのまま起き上がれないハルト。杉丸もハルトも汗だくだった。

『一本も取れねぇ…やべぇ』

柔道の稽古をつけてもらっていたが、杉丸からも一本も取れないことに焦るハルト。ケガの可能性もあるので休憩をはさんだ方がいい、という声もあったが、それを押してまたコーチと組みだす。

もう少しで奥えりが取れるか、と思われたがあっさりと投げられてしまった。
杉丸は誰に言うでもなく「俺の武道の師範やコーチをかき集めて指導してるが、この短期間で…意味あるのか…?」

投げられても、負けずに稽古を続けるハルト。
『負けるわけにはいかねぇ。でも腕が、足が、体が動かねぇ…。』

益荒男祭まで、あと10日…。
音ちゃんが働くドーソンに、近衛がやってくる。
「な、何しにきたのよ!」

「何しにって、お客ですよ。こんなところで買うものなんて無いですけど。最近すごくゆかいなことがあったんです。私がまさに望んでいた展開です。こうもうまくいくなんて。
馳さんが登校されないので、ご病気かと調べてみたところ、延英寺の益荒男祭に出場されるらしいんですよ」

笑いをこらえきれないのか、クスクス笑っている。
「ますらお…?」と益荒男祭を知らない音ちゃん。

「伝統ある最強の男を決める戦いです。延英寺にも問い合わせて確認しました。相手は誰だと思いますか?神楽木晴がエントリーされてました。こっそり戦うつもりかもしれませんが、そうはいきません。
お互いの学校の全校生徒に、神楽木と英徳の無様な姿を見てもらいましょう」

近衛は、夢が叶って嬉しいかのような恍惚とした笑みを浮かべて言った。

→花のち晴れ7巻を無料で読んでみる!←

第44花

近衛の策略が成功し、英徳学園でも既にハルトと天馬くんの対決について大いに話題になっていた。ネットニュースにも出ているようで、たくさんの生徒の知るところとなっている。

テレビ中継もあるらしく、「神楽木さんを全校生徒で応援に行くしかない!」とみんなやる気だった。
中には、馳天馬という有名人と戦うハルトを不安がる声もあったが、「コレクト5のリーダーだぜ?」という声でそれも消える。

「うちの学園の一大事だな!なんか震えてきた~~!」と騒ぐ生徒たちを、海斗らコレクト5の面々はサロンの窓から見ていた。

海斗が持っていた週刊誌をテーブルに投げ出す。

「今日発売の週刊誌で、トップ記事扱いだ」
雑誌には、【英徳学園VS桃乃園学園 バトルスタート!】と見開きで記事が掲載されている。

「絶対絶命じゃね?海斗…どうするよ」一茶が諦めたように問いかける。
「どうするも何も、相手は馳天馬だぞ?ハルトに勝ち目があるわけないだろう。」

とソファに腰かけ、ため息をついて答える海斗。
「ハルトを信じようよ!勝つかもしれないじゃん。杉丸が訓練してるんでしょ?」愛莉だけはまだハルトの勝利を信じていた。

「愛莉、馳って奴は武道の達人なんだぜ?そんな奴相手にちょっと練習したくらいじゃ…」
「せめて個人的に戦ってこっそり負けてくれればよかったが…。この騒ぎの中じゃもうどうしようもないな」
一茶、海斗が諦めを口にする。

「いいこと考えたよ!馳に一服盛ればいいよ!愛莉が刺客探すから!!愛莉は…英徳の子とは知らない。でも、ハルトがひどい目に遭うのは絶対イヤ。」
愛莉は後半、泣きながら2人に訴える。

一茶は、入口に向かって振り向き「突っ立ってないで入ってきたら?座れば?江戸川」と、入口で立っている音ちゃんに水を向ける。

「で、江戸川はどっちの味方だ?」何も言わない音ちゃんに海斗が真意を尋ねる。
「馳の婚約者だもんな。当然あっちだよなぁ。」

「一茶!!音を責めないでよ!!
「責めてねーし。ただこうなった原因は、江戸川でしょ?」一茶は淡々と告げる。
愛莉はそんな一茶を止めようとするが、音ちゃんがそれに被せる。

「愛莉、良いの。本当のことだから。成宮さんの言う通りです。元々は私だと思います。すみません…」

『あの日の近衛を、私は止めることができなかった』

近衛が音ちゃんの働くコンビニに来た、あの日…。
音ちゃんは、2人の戦いをマスコミに発表するという近衛を追ってコンビニから飛び出していた。

「近衛さん!やめて、お願いします。近衛さん!!!
「何してるんですか」

近衛が振り返ると、音ちゃんは歩道の真ん中で土下座していた。
「お願い…やめてください。やめて…」
そんな音ちゃんに近衛は容赦なく言葉を浴びせる。

「土下座とか意味ないですよ?みっともないんでやめてくださいよ。大体、私が益荒男祭で戦えと言った覚えもないですし、当人同士で決めたことです。あなたはそんなにまで、神楽木を守りたいんですか?
人を使って英徳狩りや、校門にペンキを仕掛けた時は軽くダメージを受ければ、と考えていました。でもあなたを知って、もっと許せなくなった。
馳さん側の人間でありながら、他の男に心を奪われている。馳さんは、あなたのことが本当に好きなのに!!」

音ちゃんは、涙ぐんで話す近衛に何も言うことはできず、そのまま近衛を見送った。

『どうしたらいい?私にできることは、私の心がしたいことは、何?』

 

ハルトは、弓道の稽古の真っ最中だった。コーチに言われ、弓を射るが的まで矢が届かずその手前に落ちてしまう。
落ち込むハルトを励まし「まぁ数回に一度は届いています。あきらめずにやりましょう」と言ってくれるコーチ。

「あ、ちょっと失礼。お久しぶりでございます。こちらまでお越しになるとは珍しいですね」
コーチのお客様が来たのか、一時ハルトの側を離れる。その人は有名人なのか、みんな出てきてその人に群がっていた。

客人が答える。
「どうもご無沙汰してます。また毎年恒例の流鏑馬(やぶさめ)大会があって、今年も駆り出されたんですよ」

流鏑馬、と聞いて『は??流鏑馬…ってあの馬に乗って矢を射るやつか!?』と興味を惹かれ客人を見るハルト。

「全くおかしな話でしょ。茶人が馬上から弓を射るなんて」
客人は、F4の西門総二郎だった。

「いやいやそういって毎回高成績をあげられているじゃないですか。素晴らしい才能ですよ」とコーチが言うと

西門は「とんでもない。恥をかかないために、こうして隠れて練習ですよ」と返す。

西門が弓を引く。西門が射った矢は、全て的に当たっていた。

『あれは、あれは…F4の、西門総二郎さん!!やばい!マジか!!こんな場所で、こんな状況でお会いするなんて!!!』

「小泉さん、今日は指導なんですね。小泉さんの直接指導なんて珍しいですね。師範代直々ですか」とさっきまでハルトに教えてくれていた人に話しかける西門。

「えぇ、あちらの」小泉さんは、ハルトを指す。
ハルトは、西門を見て緊張して固まっていた。

「マジ?さっきから的に届いてない子?なんで小泉さんが直接指導?素人でしょ」
とイタいところを突く西門。

小泉さんは西門に事情を説明する。
「そういえば、西門さんも英徳学園でしたよね。この神楽木くんも同じ英徳学園の」
まで言いかけたところで、

「す、すみません西門さん!!」

ハルトは90度に頭を下げ、まず謝罪した。

 

弓道場ではなく、腰を据えて話をするために部屋に入る。ハルトは西門に事情を説明していた。

「益荒男祭?キミが出るの?」心底意外だ、というように西門は問う。

「は、はい」

小泉さんが助け船を出す。「相手が桃乃園学園の馳くんらしくて。文字通り、両学校の対決として、世間が大騒ぎしているみたいです」

「あー桃乃園って、今かなり有名なとこか。俺それ系の話題疎いんですよ」と小泉さんに返す西門。

「英徳に在籍してるけど、ほぼ大学には行ってないしね。それで頑張ってるんだ」とハルトを見る。小泉さんは、馳天馬について「武道総合ジュニアチャンピオンです」とつけたす。

西門は特に興味が無いのか「マジですか。すげーーー」と感想を述べた。

「オレ、絶対に負けられないんです。負けたら道明寺さんに顔向けできません。こんなことをF4の西門さんに言うことでは無いですが…」とハルトが言うと、西門はハルトの口から道明寺と出たことが意外だったのか「知り合い?」とハルトに問う。

「いえ!英徳の生徒として、F4がいた頃の黄金時代に泥を塗るわけには…!」

「何それ、くっだらね」

真剣に訴えるハルトとは対照的に、西門は心底どうでもいいというように笑って返す。

「たった1人で威信をかけて戦うわけ?そんなことに何の意味があるんだよ。バカバカしい」

当初は正座していた西門も、もう足を崩している。空気は一変していた。ハルトは沈黙していたが、

「本当は、好きな女がいてそいつのために負けたくないんです」と本音を打ち明ける。

「いいね。英徳のためなら、さっさと逃げてやめろというところだけど、そーいうことなら話は別。女のためとか、嫌いじゃないね。少年、名前なんてーの」

ハルトの本音を聞いて、にやっと笑う西門。

 

「か、神楽木ハルトです。」

「おっけ。行こうかハルト。勝つしかないだろ」西門は弓を携え、そう言った。

→花のち晴れ7巻を無料で読んでみる!←

第45花

『オレの目の前に、茶道西門流第十六代目家元、泣く子も黙るF4の一員、西門総二郎がいる…。この人が、弓道をオレに教授してくれている…!』

西門はハルトに弓道の基礎から教えていたが、ハルトは目の前にいる憧れのF4に夢中で全く聞いていなかった。

『何だこの…スターのオーラは…!キラキラしてるぜ!』

「おい!見とれてんじゃねーぞ。」と西門が話を聞いていないハルトを注意する。「み!あっハイ!!」とっさのことにまともに返事ができないハルト。

「まっしょーがねーな。俺、かっこいーから」

そう言ってニヤっと笑う西門。それを見て心が射抜かれたハルトはコクコクと頷くことしかできない。「ばか、うなずいてんじゃねぇよ。さっさと弓を引け」またしても注意されてしまう。

西門に見守られながら弓を引くハルト。

『自分で自分をかっこいいと言って許される、数少ない偉人…!この人に会ったって言ったら一茶が騒ぐだろうなぁ…』

 

矢を放つと、的には当たらないまでも土まで届くようになったハルト。的に安定して当たるまでは数年かかると言われている弓道。全射懐中は夢のまた夢だった。

「4本勝負で何本当たるか、だから2本は確実に当てときたいな。しかし変な勝負だな。学校と女を賭けて益荒男祭か。」

「西門さんは、全然英徳大学に出られてないんですか?」ハルトが西門に質問する。

西門曰く、今は日本の伝統文化の伝承と紹介のために欧米に居ることが多いらしい。F4全員そうというわけではなく、花沢類はたまに大学に行っているらしい。

「遊んでられんのは高等部の時までだったな」と西門。だからこそ、英徳の現状を知らない。

「今、高等部はF4の皆さんが卒業してからすごく生徒が減っていて、桃乃園にほとんど持っていかれているんです。オレ達だけじゃ力が足りなくて…」

と気落ちするハルトに「まぁしょうがないよな。うちの学園は伝統が売りで新しいモノは無いしな。俺らF4もいねーし、生徒引っ張るアクセントになるものがイマイチ無いんだろうな」と分析する西門。

「オレ、道明寺さん言われたんです。頼んだぜ、この英徳を…って。コレクト5というチームを作ったんですが、なかなか難しくて」とハルトがコレクト5結成の理由を告げる。

「え?英徳をよろしく頼むって??司が??

ぶっ…!司が??いやマジで?それないわ!あいつがそんなん言うかよ!聞き間違いじゃねーの!」と言って大笑いしだす西門。道明寺のその言葉を頼りにコレクト5を作り、英徳を守ろうとしていたハルトには、衝撃的な一言だった。

「ま、そのうち司が帰ってくるから聞いてみようぜ。C5ね。いーじゃん?頑張んな」西門にさらりと応援され、すぐさま元気が戻るハルト。

そして稽古が再開される。なんとか的まで届くようにはなったが、だからと言って的に当たる訳ではない。フォームを気にすると当たらなくなってしまっていた。

今回は天馬くんに勝つことが目的なので多少フォームが変でも良しとすることになった。

「で?お前が戦う理由になった女の子、どこの令嬢なの?超かわいい?」ハルトが好きな女の子が気になり、西門がハルトに問いかける。

ハルトはドキッとするが、正直に

「令嬢じゃないっす。ド庶民で、アパートに住んでます。めっちゃかわいいわけでもないんですが、オレ、そいつじゃないとダメなんです」

と真っ赤になりながら説明する。

「うえ…マジか。そーゆー奴知ってるわ。なんなんだよ。歴史は繰り返すってか?」聞いたことのあるセリフを吐くハルトに、西門は既視感を感じていた。

 

天馬くんは剣道の稽古をしていた。以前と比べても腕が落ちておらず、剣道だけでなく柔道も弓道も万全で「これは完全勝利ではないですかね」と一緒に稽古をしている者にも言われている。

そんな時、天馬くんのスマホに何度も着信がある、と道場の人が天馬くんのスマホを持ってきた。数日前からなんども電話が来ているらしく「お出になっては」と渡す。

しかし天馬くんは、もう一度剣道の面を被り、稽古を続ける意思表示をした。「電源、切っておいてください。」

 

電話をかけていたのは、音ちゃんだった。ハルトに至っては、電話番号も知らない。

音ちゃんと愛莉は新幹線に乗って京都に行くところだった。車両には英徳の生徒ばかりが乗っている。

「旅行会社がツアー組んだみたいよ。全く余計なことをしてくれるわ!こんな大きくなって、ハルトにどうしても勝ってもらわないと!ねぇ音、音が応援すればハルトも頑張るよ。馳の味方しないで、ね?音」

愛莉にキラキラした瞳でそうお願いされる。

 

昔、天馬くんと音ちゃん2人で出掛けた時に数人の男に絡まれた。その男に音ちゃんが突き飛ばされたことで、天馬くんは怒って男たちに立ち向かったが、逆に返り討ちに遭いボロボロになってしまう。

それから天馬くんは、武道を始めた。柔道で脱臼した、と言って腕を吊っていたこともある。

音ちゃんが「どうしてそんなに練習するの」と聞くと「誰よりも強くなりたいんだ。強く」と遠い目をして言っていたことを思い出す。

 

『あの時から天馬くんは変わった。今ならわかる。私のためだ。そんな天馬くんを裏切って、神楽木の応援をするの…?』

 

益荒男祭の会場、延英寺。会場にはテレビ中継も来ていて大盛り上がりだった。英徳の生徒、桃乃園学院の生徒がそれぞれハルトと天馬くんを応援する。

稽古をしていて盛り上がりを知らなかったハルトは、会場に来て初めて大きくなっていることに気づいた。

会場に着いたハルトに杉丸が「観客席が両学校の生徒で埋め尽くされてるぞ!」と青くなりながら教える。「マジか、馳の野郎…!」と悪態をついていると後ろから近衛が現れた。

「生徒どころか中継もされてますよ。」

「白ヘビ野郎、お前が拡散の発信源か。」

「どうですか神楽木くん。この短期間で準備のほどは」近衛は戦わないのに既に勝者の如き余裕をもってハルトに問いかける。

「馴れ馴れしく呼ぶんじゃねーよ。この戦いが終わったら、お前をぶちのめすからな。そのほっそい首洗って待ってな」そう言って近衛を指さす。

「終わった時立ってることができていれば、ですね。待ってますよ」そんな時は来ない、とでも言うような顔をしている。(ここの近衛が超絶ムカつく)

 

会場にアナウンスが響く。

「時間です。英徳学園代表、神楽木晴。桃乃園学院代表、馳天馬。両者、入場です。」

→花のち晴れ7巻を無料で読んでみる!←

第46花

とうとう始まった益荒男祭。テレビの中継も入っており、実況が聞こえる。

「本日、2つの高校の代表生徒が延英寺武道館で対決します。日本一と言われていた英徳学園。それを追い上げる桃乃園学院。神楽木晴 対 馳天馬。戦いの幕が開こうとしています。

この益荒男祭というのは3つの戦いで構成されています。柔道・弓道・剣道です。そのうちの2つの競技を勝った者が、真の益荒男として認められるわけです。しかしこれは学校の威信をかけた戦いとも言えそうですね。」

 

「ハルト!!!そんな奴ぶったおしちゃえ!」

「ハルト頑張れ!」

「どう頑張るか知らんけど、やるだけやれ!!」

愛莉、海斗、一茶がそれぞれハルトを応援する。客席を観ると、愛莉の隣に音ちゃんが座っていた。音ちゃんはただ、心配そうな顔でハルトを見ている。

 

『なんで?なんで2人がこんなことになったの?英徳へのいやがらせ、人を使って近衛が裏でやっていたのを知った。天馬くんは近衛を信じた。神楽木は…私を信じてくれた。胸が苦しくて…。そんな私に、天馬くんは気づいてる…。』

 

益荒男祭、まずは柔道から始まる。天馬くんは黒帯だが、ハルトは白帯。柔道に詳しくなくてもわかるように、ハルトは素人同然だった。

杉丸が「ハルト、組むなよ。まともに組んだらすぐ終わる」と、ハルトに既に伝えてある対策をもう一度口に出す。ラグビーのタックルのようにぶつかり、組まれる前に馳の膝を刈って後ろに倒せばそれで一本。

「よし、とにかく倒せばいける」そういって天馬くんと向かい合うハルト。天馬くんはものすごい気迫でハルトを見ていた。

「はじめっ!」

試合が始まるが、作戦通りにはいかずそもそも膝がどこにあるのかがわからないハルト。そもそも立っているのがやっとだった。そうこうしている内に、天馬くんにあっさりと一本背負いを決められる。

会場に響く、ハルトが叩きつけられる音。そして「勝者、馳天馬!」という声。桃乃園学院の生徒たちは一斉に盛り上がる。

ハルトは汗だくで負けたが、天馬くんは汗一つかいていなかった。特に喜ぶ表情も見せず淡々と戻る天馬くん。

 

第2種目目は弓道。弓道場に移動する必要があるため、観客の生徒たちも移動を始める。桃乃園学院の生徒が、隅で泣いている近衛をみつける。

「馳さん…!すばらしいです…!」1人で泣きながら天馬くんを讃える近衛。

近衛を助けた後の天馬くんは「橋から人がぶらさがっていたら誰でも助けるよ。命の恩人なんておおげさだよ」と明るく、何でも無いように言っていた。

『馳さんがとりなしてくれて、地獄のような扱いも無くなった。馳さんがいたから、私は今も生きている。馳さんの行くところにあるどんな小石も、私はどかす。馳さんを傷つける人や物は絶対に許さない。やっとここまで来た。もう少しだ…!桃乃園と馳さんの勝利が、すぐそこに…!』

 

柔道が終わり、音ちゃんは走り出していた。愛莉に「どこ行くの!?」ととっさに聞かれる。

「天馬くんのところ!」「なんで馳のところに!?」と聞かれるが返している暇は無かった。

 

『こんな戦いやめさせる!私はどっちの応援もしない』そう心に決め、天馬くんのところへ走り出す音ちゃん。外に出たところでスマホが鳴る。

天馬くんかと思いきや、紺野さんからたくさんの着信が来ていたことに気づく。

LINEを見ると、「音っち大丈夫?あの日からバイト休んでるから心配になって。何かの証拠になる動画を撮影したから送るね!何かあったら警察に行くんだよ!連絡待ってるね!」というような内容のメッセージと動画が添付されていた。

動画を再生すると…それは音ちゃんが近衛に土下座した時の、あの日の動画だった。

『紺野さん、撮ってたの…?』

 

近衛はあの日、自らの罪を告白している。

『人を使って英徳狩りや、校門にペンキを仕掛けた時は軽くダメージを受ければ、と考えていました。でもあなたを知って、もっと許せなくなった。
馳さん側の人間でありながら、他の男に心を奪われている。馳さんは、あなたのことが本当に好きなのに!!』

この部分を聞いていたのは、音ちゃんだけでなかった。人の気配がして振り向くと、そこに天馬くんが立っていて…天馬くんもこの音声を聞いていた。

 

「近衛が…仕掛けた…?」

→花のち晴れ7巻を無料で読んでみる!←

第47花

あの日、車の中で近衛に確認したことを思い出す。

『お前は関係ないんだな?』

『はい』

天馬くんの目を見て、近衛ははっきりそう言った。ショックを受けている天馬くんに、音ちゃんは何も言えない。

 

「本当…だったのか。音、俺は…なんてことを…」そんな時、試合の時間だと延英寺の人が天馬くんを呼びにくる。天馬くんは呼びかけが聞こえていないかのようだった。

弓道場では「もう桃乃園の勝利は決まっただろ」と桃乃園学院の勝利ムードが漂っていた。

 

一茶は、ハルトから西門さんに会い弓道を教えてもらったと聞いて「ちょーうらやまなんだが!」と試合とは関係の無いことでテンションを上げていた。

「一茶、後にしろ。それどころじゃない。俺の作ったアプリの計算では勝率が3%になった」と海斗がスマホの画面を見せる。3%は、初期設定の運の数値らしい。

杉丸も「弓道で負けたら後がないぜ。もう終わりだ」と続く。

「わかってるよ!的に当てりゃいいんだろ!?」まともに応援しないコレクト5にイライラしてしまうハルト。

 

『ちくしょう。なんだあいつの強さ。立ってることもままならない。一瞬で刺された。ヤバい。なんとかしろ。ふんばれオレ。でないと、あいつを想い続けることすら…』

と考えている間に、海斗・愛莉・杉丸・一茶はハルトが負けるという前提で話を進めている。負けてもいいんだぞ、と優しさを持って、ハルトを送り出そうとしていた。

「この勝負、いろんな意味で伝説に残る、そんくらいの気持ちでいけ」と杉丸。

「負けてもいいくらいのやつでさ」と一茶。

「英tぽく背負ってる、とか考えなくていいからな」と海斗。

「逃げ場所用意しとく」と愛莉。

みんな、ハルトを心配しているが、勝利するとは考えていなかった。そんな4人にイライラするハルト。

 

「だからまだ決まってねぇっつうの!!おめーらなんなんだ!!!」

 

弓道場に入るハルト。天馬くんはまだ現れていない。遅れて現れた天馬くんは、柔道の時とは違って青ざめていた。

弓道の試合が始まるが、珍しく天馬くんが矢を外す。ハルトは好機とばかりに、西門からの教えを思い出していた。

「心を真っ白にして、呼吸を整えろ。イメージは波立たない湖だ」と西門は言っていた。それを思い描き、弓を射る。

1本目が的に吸い込まれ、パァン!と良い音がする。『あと3本!』

 

天馬くんは3本目の矢も外してしまう。予想外の展開に、海斗たちの応援にも熱が入った。(本来弓道は、声を出して応援しちゃダメですw)

 

音ちゃんは、弓道の試合を見ていなかった。自分の過ちに気づいた天馬くん。

『あの時、怒ることもなじることもできなかった。ただ2人、思い知ったのは…あんなに長く一緒にいたのに、心が通い合っていなかった』

 

弓道の結果は、ハルトの勝利。1本目と4本目が的に当たり、天馬くんは1本も当たらなかった。英徳と桃乃園、これで1対1、生徒たちはより一層盛り上がる。

弓道場を出る天馬くんを追いかけるハルト。

「馳、ちょっと待て!お前ふざけんなよ、手抜いてんのか!?そんなことされてもこっちは嬉しくねーぞ!」天馬くんは何も答えない。

ハルトが近づくと、顔が真っ青だった。「お前…顔が真っ青だぞ?腹でも壊してんのか?」

 

その時近衛がやってきた。「馳さん!大丈夫ですか!?」

天馬くんと一緒にいるハルトを見て怒りだす近衛。

「神楽木…馳さんに何つきまとっているんだ!勘違いするなよ!たまたま弓道は調子が出なかっただけだ。馳さん、次の剣道は大丈夫ですよね。こんな奴、道場に転がしてください!桃乃園の生徒全員、馳さんの勝利を信じてます!」

そう力強く応援する近衛。こんな奴、呼ばわりされイラっとするハルト。「てめ!こんな奴だと??」

 

「近衛」天馬くんは振り向かずに近衛を呼んだ。

「は、はい」

近衛が振り向くと、天馬くんは力いっぱい近衛の右頬をビンタする。

突然のことに驚くハルト。

ぶたれて鼻血を出し、涙目で「馳さん…」と近衛が言うが、天馬くんは「二度と、俺の前に顔を見せるな」と言い捨てる。

近衛は土下座をするように「馳さん、そんな!私はただ、馳さんに恩返しをしたくて…」と説明しだす。

「近衛、お前は俺の背中をずっと追って来て、こんなことをして、どうして俺が喜ぶと思った?」天馬くんは泣きだしそうなくらい辛そうな顔だった。

 

第三種、剣道。天馬くんは現れず、勝率0%と言われた神楽木晴の不戦勝となった。

→花のち晴れ7巻を無料で読んでみる!←

第48花

桃乃園学院代表、馳天馬が負けた。想像できなかった結果に、桃乃園学院の生徒は落胆した。対して英徳学院は、かつての盛り上がりを取り戻したように文字通り、お祭り騒ぎになった。

テレビでも益荒男祭について報道されている。アナウンサーが解説をしていた。
「馳が棄権とは、何があったのでしょうか。益荒男祭の直前に健康診断も行われています。万全の態勢で行われたと考えられます。
当然ながら、馳の棄権がどのような理由であっても神楽木の勝利はゆるぎません」

ハルトの勝利を祝い、ハルト以外のコレクト5の面々は喫茶店に来ていた。愛莉が抹茶パフェを食べながら「ハルト、魂レベルが上がったね」と満足気に話す。

一茶や海斗たちも、天馬くんの謎の棄権について話していた。弓道のときから急におかしくなった天馬くん。しかし結果的にはそれに救われたハルト。
「ハルトは運がよかったな」と海斗が安心したように言う。

「マジ危なかったぜ。時間が無くて剣道は全くやらなかったからな。」と杉丸。稽古に付き合っていただけに、天馬くんとハルトの実力差を肌で感じていたのは杉丸だっただろう。

「運も実力の内だよ。あんたらと違って、愛莉だけはハルトを信じてたもんね」
「弓道が終わったら、速攻でハルトを逃亡させようとしたくせに…よく言うよ」
「うるさいよ杉丸」

ハルトは用事があるらしく、喫茶店には来ていなかった。音ちゃんも、愛莉が誘ったが来ないらしい。
「あいつが一番キツイだろうな」と海斗が言った。

西門は流鏑馬(やぶさめ)を見事成功させていた。「西門さん、お疲れさまでした。懐中(かいちゅう)お見事です!」と係の方が西門をねぎらう。

「いやー外したかと思いました」西門本人は、余裕ではなかったようだった。
「西門さんが参加されると、若い女性がたくさん見られて華やぎますね」と話していると、ハルトが西門の元へやってきた。

場所を移し、益荒男祭の事を報告する。もちろん「流鏑馬すげーかっこよかったっす」という報告も忘れないハルト。

「で?どうだった?」
「えっと。勝ちました」
「マジで!?勝ったのかよ!スゲーじゃん。絶対ダメだと思ってたわ。」と西門が素直に思っていたことを言ってしまう。もしつくしがこの場に居れば、殴られていたかもしれない。

勝利したというのにハルトはどんよりした雰囲気で「はい…」と答えた。
西門もそれに気づいて「そのシケたツラはなんだよ。天下の益荒男で勝ったんだろ」と気遣う。

「最後は不戦勝ですし。」
「不戦勝?相手になんかあったのか?」
「えぇ、たぶん…大ダメージだったかと…。」

弓道の試合の前、天馬くんは真相を知り近衛に絶望していた。

『よりによって試合の最中にあんなことになるとは…。考えなくてもいいのに、馳の立場で考えたら…』
とハルトは悶々と考えてしまう。

「おい、不戦勝なんてラッキーだろうが。勝ちは勝ちだ。もっと自信を持て。大体お前がそんな顔してたら、敗者に対して失礼だろう」

西門にそう言われ、確かにそうだと改めて「そうだよ、勝ちは勝ちなんだ。」と言い聞かせる。

「で?なんでこんなところに来てるの。さっさとその娘のところに行けば?四条大橋で待ち合わせて、一緒に鴨川沿いとか歩いてさ、良いムードにしちゃえよ」

西門にアドバイスをもらう。西門はこの後舞妓さんたちと「お茶屋遊び」に出かけるようで、舞妓さんたちが西門を呼びに来ていた。

舞妓さんに挟まれつつ番傘をさして、お茶屋遊びに出かけていく西門。
その後ろ姿に「西門さん!ありがとうございました!」とお礼を言う。

『F4、やっぱりすげぇ。西門さんの言う通りだ。勝ちは勝ち。オレは何ら遠慮することは無いんだ。オレは江戸川を、諦めねぇ』

同じく京都では、近衛に命令されて英徳の生徒を襲っていた男たちは再び近衛に集められていた。
近衛のしていたことは、天馬くんにバレてしまっている。これ以上この男たちがいては良くない、と思ったのか3人のチンピラに「金はやるから東京に戻れ」と命令していた。

わざわざ京都まで来させられ、何もしない内に戻るように言われる男たち。「英徳学園のやつらにペンキ塗るの楽しみだったのに」と面白いことができなかった、と不服そうだった。

近衛の左頬は、天馬くんにビンタされ腫れている。それを見つけた男たちは「もしかしてバレて殴られた?」と言い当てた。
しかしハルトがやったと思っている彼らは、「金を倍にしてくれたらヤキ入れてきてやるよ」と、更に仕事を引き受けようとしていた。

近衛を囲み、肩を抱き「仲良くしよーぜー」と形だけ歩み寄る男たち。
そんな彼らの手を払いのけ、「ゴミが!汚い手で触るな!金が欲しいんだろ、さっさと持って帰れ!二度と私に近寄るな!」と言い捨て、札束をばらまく近衛。

それを聞いて男たちの目つきが変わる。これまでに金のためとは言え、近衛の命令を聞いて英徳狩りなど汚い仕事をし続けた彼ら。

ばらまかれた札束には目もくれず
「ゴミだと?そのゴミに金を払って悪さをさせたのは誰だよ?」
「何するんだ、やめろ!!」

京都のホテルから出かけていく音ちゃんの前に、ハルトが現れる。

「あんなに神楽木の弓が上手と思わなかった」
「だろ。オレはやるときはやるんだよ。剣道までいってたら危なかったけどな。で、馳は?あいつ、どうした」

音ちゃんはこれから天馬くんのところに行こうとしていた。
あの日、紺野さんからの動画を再生しなければ…きっとハルトは負けていた。そしてあの日の動画で、天馬くんを追い詰めてしまった。

音ちゃんは自分がどうしたらいいのかわからないでいた。

「じゃあ、行くね」去ろうとする音ちゃんにハルトが声をかける。

「江戸川!別れてこいよ。そんで、オレんとこ来いよ。
四条大橋で待ってるから、来いよ。絶対。少しでもオレのことを好きなら、飛び込んで来いよ!オレは本気だから。
好きだから。来いよ。待ってるから」

→花のち晴れ7巻を無料で読んでみる!←

第49花

「んだよ、こいつ財布に金入れてないじゃん」
「10万じゃ足らねーよ」
「このクソガキ、偉そうに指図しやがって。マジすっきりしたわ」

近衛は男たちにぼこぼこにやられていた。元々金で雇っていただけの関係。彼らには黙って近衛の言うことを聞く必要など、そもそも無かった。

男たちは「近衛から奪ったお金では足りない」と桃乃園学院と英徳学園、金持ちの生徒がたくさんいる京都で現地調達をしようと待ちにくり出した。

ハルトに「四条大橋で待ってるから」と改めて告白をされた音ちゃん。
とっさに「行かないよ!行けないの!!」と返事をしたが、ハルトは諦めず「来るまで待ってるから。絶対に来いよ」と言った。

走ってその場を後にしてしまった音ちゃん。

『何言ってるのあいつ。行かないって言ってるのに…。勝手に決めて。もういや。誰かを傷つけたり、自分を見失ったりしないで慎重に注意深く生きてきたのに、あの日あいつがコンビニに現れて、人生の歯車が狂い始めた…』

京都の馳家の屋敷の前まで来ると、後ろから「音」と呼び掛けられる。振り向くと天馬くんが立っていた。

「やっぱり、ここがよくわかったな」
「あ、あの前にこの京都のおうち来たことあったよね。確かこの辺だったなって」

天馬くんは、今までと変わらない笑顔で「少しこの辺歩こうか」と言ってくれる。
桃乃園学院を背負って戦って、最後は試合を棄権した天馬くん。どれだけ落ち込んでいるのかと心配していたが、いつもと変わらない様子に少し安心する。

京都の街を歩き、以前歩いた時のことを思い出す2人。小さい頃の音ちゃんが「桜のカーペットを持って帰る」と言ったことを覚えていた天馬くん。

音ちゃん自身は忘れていた。
「そんなかわいいセリフ言ったっけ?うわ、なんか恥ずかしい」
「音は、いつもかわいいよ。音、ごめんな。信じてあげられなくて。あんなに必死で訴えてたのに、どうして聞けなかったんだ。俺はダメだな。

「ううん。あれは近衛さんが…」と言うと天馬くんがそれに被せる。
「近衛のせいだけじゃない。俺は完璧じゃないとダメだと思い込んでいた。そのせいで一番大事なことが見えなくなってたんだ。
俺にとって何よりも大事なことは、月に一度20日に、音の姿を見つけることだった」

天馬くんは過去を愛おしむように話す。

「天馬くんは、あんまり楽しそうじゃないなって思ってた…」

「感情表現がどうしようもないな。すごく楽しかったのに。
もっと、心のままにふるまえばよかった。神楽木みたいに。あいつすごいな。一番大事なものが何なのか、ちゃんとわかってた」
(なんかもうこの辺が泣けてしょうがない)

「音は、神楽木のことを」と言い切る前に
「何とも思ってない!私は、父の会社が倒産してから本当に大変で、静かに暮らしたかったの。でも、あいつが現れて引っ掻き回されて、迷惑してたし生活はどんどん変わっていくし。
大体性格も全然違うし、ホント単純でバカみたいだし、いつも勝手で…あんな人、全然違うから!」

赤くなって、泣きそうな顔で言う音ちゃん。

『行かないって言ったのに、絶対に待っているのがわかる。天馬くんをこんなに傷つけてるのに、橋で待ってるあいつのことを考えてしまう…』

そんな音ちゃんの心は見透かされていた。

「音、自由になれよ。親同士が決めた将来の約束も、今日で終わろう。
ずっと、楽しかった。
俺は全く聖人君子じゃないよ。今日だって神楽木を叩きのめすと思っていた。大体、自分の得意分野で戦おうなんて卑怯だよな。あいつが目障りでしょうがなかった。
まっすぐに見える人間ほど、中身は曲がってるんだよ」

天馬くんはそう自虐的に言う。

「天馬くんがねじ曲がってたら、他の人なんて…!」
「あ!ほら音のそれ!!音のそれけっこう傷つくんだよ。まるでバカみたいだろ。ふつう人間どこか病んでるところあるって」
「バカみたいって、そんなことないって!!」

言い合いをしてしまい、ふっと笑う天馬くん。

「なんで、こーいうやり取りを長い年月でできなかったんだろう」
「ホントだ…」

音ちゃんと天馬くんが大事なことに気付いたとき、近衛が使ってい3人の男が通りかかる。英徳学園の制服を見て、金持ちだと判断した彼ら。
折りたたみナイフを取り出し、脅して金を奪おうと考え…音ちゃんを後ろから捕まえてナイフをつきつける。

「きゃ…!!」
「音!!」

 

天馬くんの目の前で、音ちゃんは人質に取られてしまう。

「仲良しカップルのイチャイチャ中にごめんね~」「ちょっとお金もらえないかな~」「くれたらすぐに立ち去るし、彼女も返すからさ」

音ちゃんを人質に取り、天馬くんに金を要求する3人。

天馬くんは立ち向かおうとするように「今すぐ放せ!  金はいくらでもやる!」と3人に近づいていく。天馬くんが近づこうとしたことで動揺する3人。

その隙に音ちゃんは、自分を掴んでいる男の手首を噛む。

 

「いてえ!この女!!」その隙に音ちゃんは拘束から解かれるが、噛まれた男は逆上してナイフを向けた。

「音!!!」

「なめやがって、この野郎!!」

 

音ちゃんをナイフから庇い、天馬くんが刺されてしまう。地面にパタパタと落ちる血。音ちゃんは、天馬くんの名前を呼ぶことしかできない。

 

四条大橋では、ハルトが音ちゃんのことを待っていた…。

→花のち晴れ7巻を無料で読んでみる!←

花のち晴れ 7巻 感想

クソ野郎近衛の天と地

近衛はこの巻でもムカつく奴だな~~~~~~!!!

音ちゃんが土下座してる辺りの近衛の顔がすんごいムカつく。ここまでムカつく顔を書かれたら敵視しかできないくらいにムカつく。言っている言葉もムカつくし、ムカつかないところが無い。

あの近衛に土下座してお願いできるなんて、それだけ音ちゃんにとってハルトは…大事だということなんだろうか。誰にでもできることじゃない。

近衛からしたら、天馬くんのためにやっていることで音ちゃんやハルトは邪魔者に見えるんだろう。

「馳さんは本当にあなたのことを好きなのに!」ってちょっと泣いて言われてもさ…その前のムカつく顔が印象強くて全く寄り添えないよね。

「で??」って返したい。天馬くんの思いと、近衛のゴミさ加減は完全に別だと思うんだよね。

そして紺野さんの好プレーだよ…!!!普通に考えたら、バイトの同僚が突然店を出て突然土下座し出すんだから、動画撮るとか思いつかないよね。しかし、紺野さんはずっと音ちゃんを心配してたから、近衛がおかしいと思ってくれたからこそ!撮ってくれたんだと思う!!

LINEで連絡くれて、警察に行きなよ!みたいなことも書いてくれてるっぽいし。もう…!!!どこまで良い人なんだよ!!紺野さんありがとう!!あなたのおかげで近衛は!!近衛はーーーーw

天馬くんが近衛のことをビンタするところはスカッとする。あの構図、というかビンタの仕方って6巻での音ちゃんのビンタと似ているよね。わざと似せているんだと思うんだよなぁ。

6巻と7巻のビンタのシーンを是非見比べてみて欲しい。神尾先生のクセとかじゃなくて、わざとだと…思うんだよね。

んでラストは雇っていたチンピラにもボコボコにされるじゃん。

はーーーーーー!!!ざまぁ!!!やったぜ!!因果応報だわ!!

他人にしていることが自分に返ってくるという良い見本だよねーーーー!!!まぁ…天馬くんが刺されるのはマジでとばっちりだと思うけど…。

ハルトの恋は終わらない

音ちゃんへの2度目の告白…パンチ効いてるわ…いやいや…かっこいいかよ…。少女マンガしてるって感じーーーー!!

「別れてオレんとこ来いよ!」って…色々と考えてもあまり良いセリフでも無い…んだけど、これは言われてグラっと来るでしょ!(もちろん相手による)。

ここでさー、本当に行ったら行ったでさ、「そうやってコロコロ相手を変えるのか」とか言われそうだし、行かなかったら行かなかったで付き合えなくなるしで、リアルでこんなこと言われたらキツイよね。もっと言い方考えてよってなる。

しかし!!!音ちゃんの立場でハルトに言われたらぐらつくーーーー!!だってハルトは勝ったんだから、音ちゃんを諦めなくていいもんね!!

これで音ちゃんをずっと好きでもいいってことになって、だったらオレんとこ来いよ、って言ってもOKじゃね!?という寸法!!

この7巻は、ハルトが音ちゃんのために努力し、そして実を結ぶ…結びそうに?なる巻と言っても良いと思うんだよね。それくらいに努力が詰まっている。

 

西門に言われた通り、ちゃんと四条大橋を待ち合わせにしているところが素直。ラスト‥‥天馬くんが刺された後もずっと待っているのが…また悲しいんだよなぁ…。

道明寺が刺されて記憶喪失になる感じを思い出す。

変わってない西門

とうとう7巻で登場した西門!1巻でもおまけのページで出てきてたけど、あれはあくまでおまけだしねw

西門変わってなくて…もう安定だわ。英徳の現在に対して全然興味無いし、英徳の威信をかけて戦うならやめろって即答するところがかっこいい。

「くっだらね」ってすぐに言うところが清々しい。でもハルトの「好きな女のため」と聞いてしっかり支援してくれるのが、これまたかっこいい。西門自身も、サラちゃんとか優紀ちゃんの時に…色々あったしね。

つくしと道明寺のこともあるし、恋のために頑張る人は応援してくれるのかな。

道明寺が「英徳を頼んだ」的なことを言った、と聞いて爆笑してて…もう安心したw

そーーーだよねーーーーーー!!!w

道明寺とつくしが付き合って丸くなったとしても、それでも!「英徳の今後」を託すようなことは言わないよね!wだって道明寺やF4にとって、英徳学園って「たまたま通ってた高校」くらいの位置づけだと思うもの…w

英徳学園そのものにそこまで愛無いでしょ…w聞き間違いという線が強くなってきたなぁ…。本当はかっこつけた四字熟語とかを言いたかったけど、全然違うこと言っててハルトがいい感じに聞き間違えただけなんだろうか…w

西門は、日本の伝統的なものなら全部できるのかな。弓道もできるし流鏑馬(やぶさめ)もできるし、剣道もできるだろうし…柔道もできるだろうし。完璧すぎる!!それにイケメンで金持ち!!

つくしも言ってたけど…世の中不公平すぎる!!w

将来の約束も今日で終わり

ラスト辺りの天馬くんと音ちゃんの会話…なんか泣けるんだよね…。ずっとすれ違ってきた2人。お互いを大事にしあってはいたけど、本音でぶつかりはしないから何も生まれないまま帰る日々だった。

でも神楽木晴が2人の前に現れたことで関係は変わった。天馬くんは、音ちゃんが好きだからこそ…音ちゃんがハルトに惹かれていることも気づいたし自分が重荷になっていることも気づいたんだろうな。

親同士が決めたいいなずけ、とはいえ天馬くんにとって月に1回音ちゃんと会える日はすごく楽しかったみたいだし…。もっと、もっと違った過ごし方をしていれば…!!

2人でいるところを数人の男に絡まれて、音ちゃんを庇って立ち向かったけどボロボロになって…。音ちゃん…「今ならわかる。あたしのためだ」って…。

当時の音ちゃんも、音ちゃんのためだってわかってやってよ~~~!急に武道に力を入れ出して「天馬くん悔しかったんだな!」って思ってたのかしら。少女マンガの主人公に鈍感は必要だけど、天馬くんもかわいそうだな…w

天馬くんと音ちゃんのことが解決して…四条大橋に行けるかも、と思ったらこの刺されるラストですよ…。ホント…神尾先生はやってくれますわ…!!!

次の巻早く読みたくなるのわかる!!読もう!!(提案)

無料でこの漫画を読もう!

漫画を読むならU-NEXTがオススメです。ご存じかもしれませんが、U-NEXTは動画配信サービス。映画やドラマ、アニメを観る方には嬉しいものです、が…!

なんとU-NEXTは電子書籍を読むのにも使えるんです!

新規会員登録をした人は600ポイントもらえるので、この600ポイントを使えば実質無料で漫画を読むことができます!

U-NEXTには31日間の無料期間があります。30日目までに解約してしまえば、一切お金はかかりません後から請求も来ないし迷惑メールがたくさん来たりすることもありませんw

※でも時期によっては、もうその漫画を配信してないかもしれません。記事を書いた時の情報なので、念のため確認してね!

→花のち晴れ7巻を無料で読んでみる!←

Twitterでフォローしよう

こんなのもオススメですよ