鈴林です!花のち晴れ6巻の感想とネタバレを書いていきます!

いやーー…正直この6巻から先、積んでたんだよね!!wでもこのネタバレの記事を書き始めたことで解消し始めてて本当に嬉しい!w

そしてこの6巻から面白さが半端じゃないくらいに伸びてて…もう…早く読めよあたし…!という悔しさがある。ジャンプ+でも読んでたから知っているんだけども…もう一度読んでも面白い。

これまでの花のち晴れは、ハルトと音ちゃん、というよりもハルトと音ちゃんの周りの人物の話が多かった。

しかし!!この6巻からは、ハルトと音ちゃんと天馬くんが主体の話になってくるから…もうすごく面白い!好き!!

花より男子と通ずる部分も多いから読んでいてとても楽しい。ハルトの成長も感じるよね。

花のち晴れ ネタバレ 6巻

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花のち晴れ 6巻 ネタバレ

第36花

「桃乃園学園に転入‥‥?」ハルトは、今さっき音ちゃんに言われた言葉を受け入れられなかった。

音ちゃんはそんなハルトを見ないようにしながら「帰ってよ」と拒絶する。紺野さんはそんな音ちゃんを止めるが、音ちゃんはその制止を無視する。

「帰ってよ!人の気も知らないで!!」

「そうかよ。お前みたいな庶民、居てもいなくても変わらねぇ。さっさとやめて、彼氏に金銭面も面倒みてもらえよ。じゃあな。もうこねーよ」

そう言って帰っていくハルト。無表情で見送る音ちゃんを心配して、声をかける紺野さん。

「音っち…大丈夫?あんた彼氏できてたんだね。ハルチンじゃなかったんだ…。ハルチンのあれ…本音じゃないってわかってるよね?」

紺野さんに聞かれても、音ちゃんはどこかを見たまま答えない。

 

ハルトは車の前で待つ運転手を無視して、どこかに走り出していた。

『ちくしょう。馳の野郎。オレから何もかもを奪うつもりかよ!もう、会う事すらできなくなるのかよ。なんでオレはいつも、あんな言い方しかできないんだよ…』

 

バイトが終わり、音ちゃんと紺野さんは一緒に帰宅していた。遅刻してきたことや、ハルトが店に来てバタバタしたことを謝る音ちゃん。

紺野さんがふと、音ちゃんに話し出す。

「音っちさぁ、あたし音っちを見てると苦しくなる時あるよ。色々学校とか家とか事情があるんだろうけどさ、いつかあたしみたいに気楽に生きていけるようになればいーね」

紺野さんはそう言って、迎えに来た彼氏のミータンと一緒に帰って行った。

『わかってる。さっきのが本心で無いことくらい。あんなに真っすぐな目で好きだと言ってくれた。でもだからって、もう私にできることは何も無い。こうなるしかないんだよ…』

そう考えながら歩いていると、橋の手すりに座る人を見かけ驚いてしまう。

『下に落ちたら大変なことに…!』そう考え、声をかけずにはいられなかった。

「あの、危ないですよ、こんなところ座ったら…」恐る恐る話しかけると、座っていた人物が振り返る。橋の手すりに座っていたのは、桃乃園学院生徒会の近衛だった。

「アルバイト終わったんですか?」近衛の第一声に驚く音ちゃん。

「そんなことどうでもいいから!降りてください!危ないから!!」降りるよう伝えるが、近衛は他人事のように「自分のことでもないのに臆病な人ですね」と淡々と返事をする。

近衛は急に左手を上に上げて話し出した。

「昔、ここでは無いんですが、左手でこういうところにぶら下がったことがあります。私は、初等部から桃乃園学院に入っていたんですが身体が弱くてこの通り身長も小さいのでよく同級生にいじめられました。毎日楽しいこともなくて、特に死にたいと思ったわけじゃないんですが…どうでもよかったんです。」

そう言って、手すりに足を乗せる近衛。近衛が手すりの上で動くだけで音ちゃんはびっくりして声をあげてしまう。

近衛は続ける。

「大丈夫です。今はもう飛び降りたりしないですから。ぶら下がった私を助けてくれたのは、馳さんでした。あの時、左手が何故か落ちていくのを嫌がったんです。何故だかわかりますか?生への未練と死への恐怖です」

天馬くんは、ぶら下がっている近衛に対して「早く手を出せ!」と手を伸ばすよう要求したが、近衛は「楽しいこともなくて、生きていても仕方ないんです」と拒絶した。

そんな近衛に天馬くんは「じゃあなぜ左手を離さない!生きたいからだろ!?」そう言って、近衛を助けた。

「馳さんにそう言われて次の瞬間、右手を伸ばしていました。同じ学園の馳天馬と言えば誰もが知る人です。次の日から私をいじめる人はいなくなりました。馳さんが、私をいじめる一人一人にとりなしてくれたからです。あの方は、私の命の恩人になってしまいました。

あの方のためなら何でもします。婚約者がいることは知っていましたが…まさか英徳の人間とは…。あの男は、英徳学園の神楽木晴ですね?どういうつもりで密会を??」

音ちゃんは、ここまでの近衛との会話で近衛に対して何とも言えない恐怖を感じていた。そして、ハルトとの会話を見られていたことでその恐怖がより高まる。

「み、密会だなんてそんな!たまたま来ただけです。外から見てたんですか!?なんでそんなことを!」と音ちゃんが言うと、近衛はため息をつきながら

「あなたはやはり、頭が良くない人ですね。何故馳さんはこんな人を…」と言い出す。あまりに失礼な物言いに言い返そうとするが近衛は音ちゃんの言葉なんて聞いていなかった。

「あなたのような人が馳さんとお付き合いをできるのも、桃乃園学院に鳴り物入りで入学できるのも、全てがラッキーとしか言えません。誤解されるような行動は慎み、さっさと英徳を出る手続きをしてください。では」

一方的にそう言って、近衛は帰って行った。

『な、なにあの人…あの物言い、言ってることは間違ってないけど…最悪なんだけど…!!!』

音ちゃんからしてみれば、愛莉との待ち合わせしていたら、ペンキを目にかけられ失明の危機にあい、突然桃乃園学院に転入しないかと言われ、そのことでハルトと言い合いをしてしまい…そして近衛に突然ボロクソに言われたのである。(もう…かわいそう…)

 

ハルトは家で1人、お風呂に入って今日のことを振り返っていた。音ちゃんに言ってしまった言葉、桃乃園学院に転入してしまったらもう会えなくなってしまう…ぐるぐると考えていると、

「やっぱり音さんとこ行ってたんだね。もう、忘れようよ」

西留めぐみが裸で風呂に入って来た。

「おいっ何やって…!おま!入ってくんじゃねぇ!!」

ハルトは驚き、めぐみに入ってこないよう言うが、めぐみは浴槽にまで入って来た。裸を見ないようハルトは目を隠す。(でもこの絵的に見えてると思うんだよね…ネネちゃんみたいな隠し方してる…w)

制止するハルトに対し、西留めぐみは

「私がこんなに好きって言ってるのに、ひどくない?」と泣きながら抗議した。

「見てよ、ちゃんと。いつまでも目をそらすのはやめて。全部、ハルトくんのものだよ?」

西留めぐみは泣きながらそう言った。そして、ハルトの右手を、自分の胸に当てる。

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第37花

神楽木邸のお風呂で、ハルトと西留めぐみは裸で2人きり。

『理性が消え失せて、頭の中が真っ白になった。もういいんじゃないか?江戸川は馳のもので、オレはきっちりフラれてる。今に目の前からも江戸川は消えて、出会ったことさえも昔話になる。

目の前には、男なら誰もが羨むような女がいて、本当にオレを好きだと言う。やわらかくて、あたたかい。もう、このままどうなってもいいんじゃないか?

このやわらかさは決してオレを傷つけない。熱が出るほど苦しいあの気持ちから逃げてもいいんじゃないか?』

何も返さないハルトに、めぐみは話し続ける。

「ハルト君、好きだよ。もう忘れて、いやなこと全部。ハルト君…」そう言って、ハルトの手を自分の顔に寄せるめぐみ。

 

音ちゃんは、バイトの帰りに母をパート先のスーパーまで迎えに来ていた。音ちゃんが英徳学園の制服を着ていることで盛り上がるおばちゃん達。

音ちゃんのお母さんは着替えてくるため、少し外で待つことになった。一緒に同じパートのおばちゃんのお子さんと待つことになった音ちゃん。

男の子はつまらなそうに立っていたので、音ちゃんは話しかけてみることに。

「何歳?」

「7さい」

「いつもママを迎えに来てるの?」

「今日は特別なの。兄ちゃんと一緒にいたくないから」

聞けば、兄弟でゲームをしていてケンカしたらしく「兄ちゃんなんていなくなればいいんだよ!」と音ちゃんに兄の文句を言う男の子。

「さびしいかもよ?」と音ちゃんが言っても

「全然!さびしくなんかないよ!!」と意地になる男の子。その男の子と、ハルトが重なる。

「まったく…そっくり。お姉ちゃんの知ってる人と、君がそっくりだよ」と言うと、

「えっ!?どんな人!?」と男の子も興味津々だ。

「憎めないんだ。何考えてるかすぐにわかっちゃう」と答えると、男の子にはよくわからなかったようだった。そうこうしている内に、お母さんたちが店から出てくる。

『ホントに小学生レベルだよ…』

母たちが出てくる。男の子のお母さんも出てきたようで、そこにはお兄ちゃんも一緒だった。お兄ちゃんは「早く帰ってつづきやるぞ」とまた一緒に遊んでくれる様子。

男の子も、さっき音ちゃんに話したことが嘘のように、仲が良さそうに帰って行った。

楽しそうな兄弟を見て「兄弟ってあんな感じなんだね」と言うと、

音ちゃんのお母さんは「あなたも天馬くんも一人っ子だものね。弟か妹がいたらうちも賑やかだったでしょうね」と語る。

天馬くんの話題が出たことが良いタイミング、と音ちゃんは天馬くんに桃乃園学院に転入しないか誘われたことを母に話した。

「え?」と意外そうな母に、「わかってる、天馬くんの御両親の問題でしょ?それはもう関係ないって…」と説明していると

「だめよ」とはっきりダメと言われる。

意外な反応に驚く音ちゃん。「えっ!だ、だめ!?」

「絶対ダメよそんなの。あなたを英徳に入れたのは私の夢だったから。馳家とつり合わせるのも大事なことだったけど。

英徳学園は私が子供の頃からの憧れだったの。私はずっとエスカレーター式の女子高だったから、子どもが生まれたら絶対英徳に入れようって決めてたのよ。

だから、天馬くんがいくら言っても、ダメよ」

笑顔で願いを退ける母。まさかこんなにあっさりはっきり断れられると思っていなかった音ちゃんは言葉も出ない。

「卒業したらいつまでも一緒なんだからいーでしょ」そう笑顔で言って、先に歩いて行く母。

『拍子抜け…。あの近衛さんて人、何て言うかな…。あの人なんか怖くて、ちょっと気が重かったんだ。天馬くんにも言わなきゃ。』

 

神楽木邸のお風呂で、西留めぐみはハルトに裸で迫っている真っ最中だった。

「ハルトくん。前に、裸を見られるの慣れてるとか言ったけど、あれ嘘だからね。ここ明るいから、死ぬほど恥ずかしいよ。勝手に入ってきて何だって思うだろうけど…

ハルトくんの部屋行こう?先に出て待ってるね」

めぐみは顔を赤くしながら、ハルトを誘う。それに何も答えないハルト。

 

『戻れなくなるところまで行けばいい。そうだ。江戸川音を、忘れちまえ』

 

バスローブに着替え、ハルトの部屋で部屋の主を待つめぐみ。部屋に置いてある、マフラーをみつける。

その時ちょうど、ハルトが部屋に戻って来た。「悪い。遅くなった」ハルトはTシャツにスウェットと、ラフな格好。

ベッドに座って笑顔でハルトを迎えるめぐみ。

「のぼせて倒れてるかと思ったよー。待ってる間すごくドキドキしちゃった。ハルト君も?」と笑顔で話しかける。

反対にハルトは、表情が崩れることはなくただ「ああ、かもな」とそっけなく返した。

その様子を見てめぐみは

「あれ、やっぱり慣れてるんだね。くやしいなー。なんか落ち着いてるもんね?そりゃあそうだよね。英徳のコレクト5のリーダーって言えば女の子選び放題だよねー。でも、今日からは私だけにしてね、ね?」

そう言いながらハルトの頬に触れようとするめぐみ…だったが、その右手はハルトに払われる。

「全然慣れてねぇんだ。こうやって触られるのも、まったく遊び放題でも無いし。リーダーなんて名ばかり。みんなが見てるオレは嘘だ。それを利用して今までやってきた。全部嘘っぱちだ。」

こう言いながらも、ハルトの心の中では『おい、何を言ってるんだよ。違うだろ』と自分を止める声が響く。しかしハルトは止まらない。

「嘘まみれのオレだから。もう本物しか欲しくない」

めぐみは、ハルトの言葉が受け入れられないと言うように、「待って、もう終わってるんだよ?もうフラれてて、彼女は…」とハルトを止めようとするが、ハルトはめぐみの言葉を待たなかった。

「終わってない。オレが終わらせた時が本当の終わりだ。」

 

めぐみは薄々勘付いていた。さっきみつけたマフラーは、音ちゃんのものだった。

「あれを見たとき、嫌な予感がしたの。あの日音さんがつけてたマフラーでしょ。未練がましすぎる。そんなの暖炉で燃やしなよ。何よ本物って。馬鹿じゃないの」

泣きながら訴えるめぐみに、ハルトは「ごめんな」としか返せなかった。

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第38花

寒い朝、音ちゃんは母に「マフラーはしていかないの?」と聞かれるが、マフラーはどこかで落としてしまったらしくもう手元には無かった。母が持っているブランド物のネッカチーフを断り、家を出る音ちゃん。

音ちゃんは今朝も憂うつだった。ハルトに「転校する」とタンカを切ったが、母の反対であっさりとその話は無くなった。

『今日もまた制服を着て英徳学園に通ってる…。ほんと、何してるの私…』

やめるって言ってやめねーのかよ!お前には自分の意志がねーのか!、という神楽木の声が聞こえてきそうだった…。そんなことを考えていると、胃がキリキリと痛む音ちゃん。

『それにあの近衛って人。天馬くんは、あの人をバカにしたような態度を取ることとか知っているのかな。桃乃園の人達にもすごく恐れられてたみたいだし…』

と考えたところで、

「おーーーーーとぉぉぉおおおおお!!」

という大きな声と共に、空から愛莉が降って来た…。愛莉が音ちゃんに抱き着き、「もーー!この間心配したんだからね!!!」と心配していたことを全力で表す。

音ちゃんは、今後の自分の命のために「これからはもっと普通に出てきて…」とお願いするしかできなかった。

愛莉が言うには、最近メグリンは学園に来ていないらしい。愛莉と会話していると、海斗・一茶・杉丸も現れた。

海斗が「あの2人、終わったっぽいな」と話す。ハルトも出てこないらしい。「あいつにゃやっぱ偽装恋愛とか無理だろ」と杉丸が言うと、一茶も「ハルトのそーいうとこが良いよな。どこか、マジで嘘がつけねーとこ」と続く。

海斗に「ハルトと何かあったか」と確認されるが、音ちゃんは「何日か前に言い争いしたけど…」としか答えられない。

「俺が西留めぐみを利用してステータスを上げろって言ったんだ。利用が嫌なら好きになれば良いって。ハルトはよっぽど、あんたが良いらしいな。」

海斗は軽くため息をつきながら話す。「そだねぇ」愛莉も海斗に同調し、「ま。しょうがねぇな。人生色々うまくいかねぇな」杉丸が軽くまとめた。

 

桃乃園学院では、近衛が天馬くんに「本田が生徒会を辞めた」と報告していた。

天馬くんはただただ意外そうで「途中で辞めるのは彼らしくない」と言っていたが、近衛の「本人は生徒会にいる資格が無いと」という報告で一応は納得したようだった。

「本田は街で絡まれていた音を助けてくれたんだよな。改めて礼をと考えていたのに、資格が無いだなんてどうして…」

「さぁ、人にはそれぞれ事情がありますから。私の方で候補を探します」と淡々と答える近衛。

「それより馳会長。その江戸川音さんですが、昨日、江戸川さんの家に桃乃園学院の制服を送っておきました」と笑顔で続ける。

突然制服を送ったという近衛に「いくら何でも強引だ」と天馬くんは止めようとするが、近衛は

「時間の問題かと。誰が考えても我が学園に来た方がいいですし。馳さん、私を信じて下さい。馳さんがガッカリするようなことには絶対なりません。」と天馬くんを抑える。

「馳さんに救ってもらった命です。まだまだ御恩返し足りません!さぁ生徒会の時間です。行きましょう!」

笑顔でそう続ける近衛に、天馬くんはまんざらでも無く、これ以上何も言えなくなってしまった。

 

音ちゃんの家には、近衛が送った制服が届いていた。

「なにこれ…。桃乃園学院の制服…まだ何も言ってないのに、近衛…あの人が…!」

帰って来た母と入れ違いで、制服の箱を抱えて外に飛び出す音ちゃん。制服を突き返すべく、制服が送られてきた住所に向かっていた。

『何なのあの人、強引すぎるよ!ちゃんと断らなかったからだ。これを返してはっきり言おう。天馬くんにも。桃乃園には行かないってはっきり言おう。』

 

電車に乗ってたどり着いたのは、都会の高級マンション。広すぎて入口がわからずきょろきょろしていると、高級マンションには不釣り合いなチンピラのような集団が目に入る。

「こんなところにお前たちのような汚らしい人間が来ると目立つ。敷地内に入ってくるんじゃない。さっさと来い」

気になってふとその集団を見ると、音ちゃんにペンキをかけてきた男たちと一緒に…バスローブを着た近衛が居た。

 

密談は地下駐車場に場所を移されて行われた。

「はい、確かに10万っと」

「それを持って裏口から帰れ」冷たく命令する近衛。

それが堪えていないように「例のペンキ作戦どうします?まだやるならやるけど?」とひょうひょうとこれからの予定を確認する男たち。

「とりあえず休憩で良い。お前らが出しゃばってくると目立つ」

「へーい。じゃあまたいつでも呼んでくだせぇなっ。まいどー!」

 

その会話の一部始終を、音ちゃんは見ていた。

「あなた、だったの」

「制服届きました?」

音ちゃんが決定的瞬間を見たというのに、全く動じずに制服の話をしだす近衛。音ちゃんは持っていた制服の箱を落としてしまう。飛び出す制服。

「あなたなんですか。英徳の生徒を襲ったり、校門にペンキを塗ったり…」

「そんなことはどうでもいいことです。あなたはさっさとその制服を脱いで、桃乃園への手続きをすればいいんです」

音ちゃんと近衛、会話がかみ合わない。

「行かないよ。今日はそれを言いに来た。こんな汚いことして英徳に勝ちたいの?どうして!?」

「桃乃園 対 英徳なんてどうでもいい。バカ女め。私はあの方の勝利のことしか考えていない」近衛の目つきが変わる。しかし、音ちゃんはそれにひるまない。

 

「天馬くんの勝利?天馬くんがこんなことして喜ぶわけない!何言ってるの!」と強く言い返す。

「馳さんに言うつもりですか。言ってみたらいい。こんな話を聞いても、何の証拠もない。誰も信じませんよ」

近衛の冷たい声が、地下駐車場に響いた。

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第39花

『この人だったんだ。近衛仁(このえ ひとし)、この人が全て仕掛けた。全ては天馬くんのために』

 

近衛は音ちゃんをにらみ、

「英徳を辞めないのは、この間こそこそ会っていた神楽木晴のためですか」と問う。

「こそこそって、そんなの違う!それは家庭の事情で、それもあなたには関係ない!」

「本当は、そうなんじゃないんですか。家庭の事情なんてのは建前で、2人の男を手玉に取って、さぞ楽しいでしょうね。まぁ英徳のリーダーがもてあそばれようがどうでもいいです。

一番の問題はあなたは、馳さんにふさわしくないです・あなたのことを調べました。何も持っていないんですね。家柄も見た目も何もかも。

馳さんが望むならと、制服を用意したりもしましたが、無意味でした。それじゃあ、さよなら」

 

近衛は、音ちゃんに失礼な言葉を散々吐いて、何事も無いように帰って行った。

『なに、あの人…!早く天馬くんに、言わなきゃ。近衛はおかしいって!全部あいつの仕業だったって!』

 

急いで馳家へ向かうが、天馬くんはまだ帰っていなかった。執事さんに心配されるほどに、音ちゃんの顔色は悪く、胃も痛んでいたがそんなことを気にしている場合ではなかった。

天馬くんを待っている間に、部屋に飾ってある写真をふとみつける。

みつけた写真は、中等部の時にスイスのアルプスを登山したときの写真で天馬くんはちょっと苦しそうだった。撮影時、高山病にかかっていて下山をすすめられたが、無理を押して登ったらしい。

途中で諦めるのは絶対に嫌だ、と言って最後までやり切った、と執事さんは語る。

『天馬くんらしい…。いじめにあって孤立した近衛を助けて、彼をいじめた当事者たちを説得する。普通なら当事者以外の人の言うことなんて聞かない。

でも、自分には厳しいけど他人には優しくて真剣で曲がったところが一つもない天馬くんだからできるんだ。

「馳さんにふさわしくない」という近衛の言葉は間違ってない。私は、天馬くんにふさわしいなんて一度も思ったことないよ』

 

ソファに座って考えながら待っていると、天馬くんが帰って来たようだった。

「音、待たせてごめん。急にどうした?」

「天馬くん!突然ごめん。話があって…!今日急いで出てきたから携帯も忘れてて。あの、あのね!びっくりしないで聞いて欲しいの。

最近街で英徳の生徒にスプレーで嫌がらせしたりするグループいたよね?」

と音ちゃんが話したところで、天馬くんがもう1人に「入れよ。そんなところで何してるんだ」と話しかける。

 

「すみません。つい。おじゃまかと思って。こんにちは、江戸川さん」

そう言って現れたのは、近衛仁だった。

「どうして…」

天馬くんが言うには、辞めてしまった生徒会役員の補充人員の相談をしていたらしい。しかし音ちゃんにはそんな言葉は入ってこないし、どうでもよかった。

「それで?英徳の生徒に街で嫌がらせしてた奴ら、犯人に心当たりあった?音?」

天馬くんの言葉に答えるようにゆっくりと…音ちゃんは、近衛を指さす。

「この人。天馬くん!この人だよ!!」

「音?近衛がってこと??」

「この近衛って人が裏でやってたの私見た!私を襲った男たちにお金渡してたの!本当だよ!!」

天馬くんに落ち着くように言われるが、音ちゃんは「私落ち着いてる!本当なの!」と返す。天馬くんは困ったように近衛に話しかけると…

「どうやらずいぶん嫌われてしまったようですね。すみません馳さん。勝手に制服なんて送ったからですかね。良かれと思ってやったんですが、気に障ったみたいですみませんでした」

やれやれ…という風に謝罪する近衛。

「なに言ってるの…?騙されないよ?さっきその制服を返しに行ったとき、3人の男たちにお金を渡してたよね」というと、当然のような顔をして

「あれは自宅のクリーニングを頼んだ業者ですね」と答える近衛。

「嘘だ!何言ってるの!」と音ちゃんは反発するが、天馬くんの関心は別のところに移っていた。

 

「音、見間違えた?それより、制服を返したってことは英徳に残るってことか。桃乃園に転入はしない?」と天馬くんは軽く質問する。

「それより…って天馬くん。ねぇ、見間違いじゃないよ。本当に、この人がやったんだよ」音ちゃんは改めて真実を伝える。

 

「音、ちょっと待って。近衛が英徳狩りの主犯って、本気で言ってる?それはやっぱり無いと思う。ウチの学院の大事な仲間だよ。音、やっぱり何かの勘違いじゃないのあかな」

天馬くんはいつもの涼しい顔で、音ちゃんが見たのは間違いじゃないかと言ってきた。音ちゃんの中で、何かが壊れた。

『天馬くんは人に優しくて、真剣で。曲がったところが無くて…』

 

「音、なんでそう思った?」天馬くんはもう音ちゃんが何度も言っているはずの根拠を尋ねる。

「ううん。もういい。桃乃園には行かないです。母に反対されました。」と事務的に伝える音ちゃん。

「おうちの方に反対されたなら仕方ないですね。でも理由はそれだけなんでしょうか?本当は、英徳を離れたくない理由他にあるんじゃ…?」

近衛が、今までにないくらいにムカつく顔で薄ら笑いを浮かべる。

「近衛?何を言って…」天馬くんも失礼だと気づいたのか制止しようとするが、それよりも早く、音ちゃんのビンタが近衛を襲った。

 

「音!?何を!」

「天馬くん。天馬くんは曲がったことが無いから、歪んだ人がわからないんだね」泣きながらそう言って走って帰る。

『天馬くん、私も歪んでるんだよ。本当は、いつもあなたが正しすぎて、眩しくて息が苦しくなる時がある。それをあいつは見抜いてるんだ。

なんで、こんなに私は弱いんだろ』

 

胃の痛みが強くなって歩いていられなくなり、路地裏で小さく座ってしまう音ちゃん。

「おい、こんなところで何やってるんだよ。おい!大丈夫か、江戸川」

泣いている音ちゃんに話しかけてきたのは、ハルトだった。

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第40花

「こんなとこで何座ってんだよ」

突然現れたハルトに、驚きつつも、涙を拭く音ちゃん。「な、なんでここに…」

「車で通りかかったらウチの制服着てへたり込んでるのを見て、まさかと思ったらお前かよ。どうしたんだよ」

ハルトに理由は言わずに立ち去ろうとする。

「何でもない!ちょっと疲れて、座っただけ!」そう言って泣きながら歩きだす。ハルトが送ってくれるというが、歩きながらそれも断る。

「バカ、放っておけるかよ。泣いてんだろうが」

「泣いてない!!」と言うが、音ちゃんの顔は涙でぐちゃぐちゃのドロドロだった。嘘だと小学生でもわかる。

『よりにもよって神楽木にこんなところを…!』と思っていると、「馳とケンカか」と当てられてしまい、更にどばっと涙が出てくる。

 

『悔しい。あいつに負けた。天馬くんがあいつを信じた。悔しい。悲しくて悔しい。』近衛の言う通りになったことで、天馬くんが自分より近衛を信じたことで悔しくて音ちゃんは泣いていた。

「どうにかしろよ!クソ羨ましいんだが!?」と言って、座り出すハルト。

「オレのすっげぇ好きな女が、彼氏のために泣いてるとか、マジ死ぬほど羨ましいんだが!」睨みつつもストレートに想いを表に出すハルト。

「は…ば、ばかじゃないの」

「お前っていつも無表情じゃん。あいつはお前にそんな顔させるのか…。ちくしょう!あのスカシ野郎!宇宙飛行士になって火星とか行けよ!」と言って落ちている空き缶を蹴飛ばす。

そんなハルトを見ていたら、音ちゃんの涙も引っ込んだ。

「帰るね…」と言って、ハルトに背を向けて帰っていく。(ここで「ちぇっ」って小さく言ってるハルトがかっこよくてかわいいです!!是非見て!!)

 

音ちゃんの後ろ姿を見送っていると、音ちゃんが座り込んでしまう。

「おい!!」ハルトが近寄ると、音ちゃんはお腹を押さえて「痛い…」と言ったまま動けなくなっていた。

痛みで苦しいがハルトには「ほんとに大丈夫」と伝える。

「馬鹿!大丈夫なわけねーだろ!病院行くぞ!」そう言って、音ちゃんをお姫様抱っこして走り出してくれた。

 

医者の診断は、急性の胃腸炎。極度のストレスがかかるとなる人もいるらしい。

ストレスによる胃腸炎、と聞いてハルトが

「胃腸炎~~?ストレスだとぉ?一体何のストレスだよ!彼氏の学校に転校するっていうのにくっそ喜ぶところだろうがよ!

あ、何か今自分で言ってすげー傷ついたわ。腹痛い気がする」

とイライラしつつも便乗し出す。

『転校しないこと伝えないと…』と思い出すが、海斗の「あんたじゃなきゃダメらしいな」という言葉を思い出して恥ずかしくなってしまい、言うことができない。

「何でもない。帰る。」

 

『このタイミングで言うのも変だし、好きだって言われて断った時の神楽木の顔、今も目に焼き付いてる。気をもたせることをしたらダメ。あんな風に傷つけるのはもう嫌だ。』

と思って1人で病院を出てきたつもりだったが…後ろにはハルトが付いてきていた。

病院から一駅くらいなので、歩いて帰る、と音ちゃん。

 

「この間の話聞かせろよ。英徳狩りの犯人わかったんだろ?」と照れ臭そうに言うハルト。コンビニで「お前本当はどうでもいいんじゃね?」と言ったことをお互いに思い出し、少し気まずくなる。

「あれ、悪かったよ。つい頭にきて」と恥ずかしそうに謝るハルト。

ハルトは近衛を見たことが無い。近衛のことを言ってもしょうがないので「もういいよ、それは。私が見た3人を見かけたらすぐ言うね」とだけ伝える。

 

そしてまた歩きだすが…ハルトはずっと音ちゃんの後をついてきていた。

「もういいから帰んなよ!」と言っても「残念だな、こっちの方に用があるんだよ!」と答える。

「用事って何よ」と聞けば「うっせえな!庶民の街の調査だよ!オレの勝手だろ!!ここはお前の道かよ!?」と子どもみたいに怒りだした。

 

『あ、この公園…バイトの先輩につけまわされて神楽木が助けてくれたことがあった。今日もたぶん、送ってくれてるんだろうな。』

「月がきれい。真ん丸だ」そう言って、2人で満月を見る。

 

天馬くんは車中で近衛に、思い当たることはないか確認していた。近衛は「あの人の見間違いですよ」と否定する。

「音があんなに強く言っているのを見るのは初めてだ。どうしても気にかかる」と天馬くんは言うが、近衛はずっとシラをきり続ける。

「卑怯な奴じゃないと、俺は近衛を信じてるから」と当然のことように語る天馬くん。「だからもう一度ちゃんと音の言い分を聞いておく」

 

もうすぐ音ちゃんのアパート、というところで車から天馬くんが降りてくる。そこには送ってくれているハルトも一緒だ。

「彼氏登場じゃん」「なんで神楽木と…」

「街でみつけて。偶然だよ」と答えるハルトに近衛はつっかかる。

「偶然?待ち合わせしてたんじゃないんですか。この間はコンビニで2人、偶然会ってましたよね。随分たくさんの偶然があるんですね」近衛の突然の登場に

「は?誰こいつ」と怒りを隠さないハルト。「コンビニはオレが用があって江戸川に会いに行ったんだよ。お前に関係あるか?」

ケンカを売るハルトを止める音ちゃん。「神楽木、いいのやめて。天馬くん、何しに来たの?」

「英徳に嫌がらせしたのがこの近衛だって、なんで思ったのかちゃんと聞きにきた。」と天馬くんは言うが、その答えはとっくに伝えているものだった。

「だから…見たって言った。それで違うって言うならもういい」音ちゃんはこれ以上この話を続けたくなかった。

 

「おい、ちょっと待てよ。江戸川が馳にコイツが犯人だって言ったのか。馳、お前なんで信じてやんねーの。馬鹿かお前は。」

「神楽木、お前は知らないだろうが、近衛はそんなことをする奴では」天馬くんの言葉なんて待たずにハルトは続ける。

「はあ?いやいや違うだろが。そんなの一択だろうが!合ってようがハズレてようが、好きな女の言う事信じなくてどうするんだよ!こいつの気持ち考えてやったらわかるだろ?」

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第41花

『なんで神楽木が言うの。誰よりも、なんで私を信じてくれるの。涙が止まらない…』

ハルトの言葉は続く。

「馳、お前オカシイだろ。裁判官じゃあるまいし、桃乃園のかいちょうなんかやってるから、頭凝り固まってるんだよ」

天馬くんへの侮辱に、近衛も黙っていなかった。

「おい、失礼なことを言うな!お前、何様のつもりだ!大体英徳のリーダーがだらしないから事件が起きるんだろう。お前のせいじゃないか」

首謀者のくせにハルトのせいにし出す近衛。まだハルトのことをけなしそうな近衛を止める天馬くん。

「音、ごめん。信じてないわけじゃないんだ。音が言うならそのまま受け取りたい。でも、それは同時に近衛が嘘をついているということになる」

「だから、ついてるんじゃね?こいつ、一目見ただけでうさんくせえ」ハルトがそう言って近衛を指さす。

ハルトが近衛のことを侮辱するようなことを言うので、天馬くんとハルトは一触即発の雰囲気になってきていた。その状況は近衛の思うつぼだとわかっている音ちゃん。

「もうやめて!帰って!早くみんな帰ってください!」とこの場を終わらせようとする。

天馬くんは、「あとで電話する」と音ちゃんに伝え、近衛と一緒に車に乗って帰って行った。

 

音ちゃんは、「泣いてドロドロの顔を親に見せられない」と言って公園で顔を洗う。ハルトもそれについていった。

「ねぇ、何でわかったの。うさんくさいって」

「なんとなくだよ。あいつ、馳のことすげー好きだろ。馳が桃乃園で輝くためなら、英徳つぶしだってなんだってやるだろ。わかるんだよ、なんとなく。オレは馳みたいにまっすぐ育ってねぇからなっ」

誰にも信じてもらえないと思っていたのに、スーパーお坊ちゃまのハルトは信じてくれる。

音ちゃんは、自分を襲った3人に近衛がお金を渡すのを確かに見た。そう天馬くんに言ったが、天馬くんは信じてはくれなかった。

それを聞いてハルトは「そこまで言ったのに信じねーのかよ。クソだな」と毒づく。

「クソとか言わないで。天馬くんが悪いわけじゃないよ。天馬くんは公平で、いつも正しい人だから」音ちゃんは悲しそうな顔でそう言った。

 

車の中で風景を見ながら天馬くんは淡々と近衛に話しかける。

「俺はそんなに曲がったところが無いように見えるのか。」

「江戸川さんが言ったことを気にしているんですか?馳さんは立派なリーダーです。あんな英徳の人間と比べ物にならないです」近衛がいつものように言うと、天馬くんの反応はいつもとは違っていた。

「立派ってなんだよ!買いかぶるのはやめてくれ!」と激高し出す。

「俺は、腹が立って仕方ない。なんで音と神楽木が一緒にいるのか。音の気持ちをわかってやるのがどうしてあいつなのか。

近衛、お前は本当に関係ないんだな?」

天馬くんが近衛を強くにらみ、もう一度確認する。近衛は「はい」と、関係ないと伝えた。

「馳さんは、本当に江戸川音さんが好きなんですね」

 

天馬くんと音ちゃん、初めて会った日はもう覚えていなかった。お互いの母親と定期的に4人で会っていた。「いいなずけ」と言われても意味がわからず、「良い名前のことかな?」とブランコに乗りながら話した過去。

天馬くんのお母さんが亡くなったのは、雪の降る寒い日のことだった。音ちゃんは何も言わずにずっと隣に座っていた。何時間も隣に座っていた。

その時から音ちゃんは、天馬くんにとって特別な人になった。

 

ふっと泣いていた音ちゃんを思い出し、車を止めるよう運転手に伝える天馬くん。

近衛は「馳さん!?どこへ行くんですか!」と天馬くんに聞くが、天馬くんは近衛を置いていくつもりだった。

「先に帰ってくれ。俺は音の傍にいなくちゃいけない。音の言うことが合ってようが間違ってようが、俺はあそこを離れるべきではなかった!」

 

公園では、近衛のいる桃乃園に転入して大丈夫なのか、と音ちゃんを心配していた。心配までしてくれているのに言わないわけにはいかない。

「あの、実はあれ無くなったの。転入しなくなった。親が英徳に通わせるのが夢だったみたいで、絶対にダメって言われた」

「マジで?なんでそーいうことを早く言わねーの!」

「タンカ切った手前なかなか言えなくて…。あとこれはウチの問題で英徳のためとかあんたのためとかじゃないから」

ハルトは真っ赤になって「やっべ。めっちゃ嬉しいんだが。死ぬかも」と気持ちをストレートに伝える。

「何言ってるのよ大げさな!だから、今までと変わらないから。じゃあね。今日はありがとう」

送ってくれたお礼を言って、ハルトに背を向けて歩き出す音ちゃん。そんな音ちゃんを、後ろからハルトは抱きしめる。

 

「1分だけ」

「ちょ、ちょっと何…!」

「オレ、お前のこと好きなことを、やめらんねぇから。やめたくねぇ」ハルトは赤くなりながら伝える。

そこに、天馬くんが…現れる。音ちゃんに後ろから抱きつくハルトを真正面から見える位置に、天馬くんは現れた。

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第42花

「神楽木、離れろ」

音ちゃんに抱き着いていたハルトに命令する天馬くん。ハルトは音ちゃんからゆっくり離れる。音ちゃんもバッと距離をとり、天馬くんに「なんでもないの、この人ふざけて…」と説明しようとする。

「1ミリもふざけてねーし。悪いな馳。なんか気持ち抑えられなくなった。江戸川は関係ねーから。オレが勝手に先走った」と悪びれもせず一応謝罪の形をとるハルト。

「お前最低だな。音の気持ちは無視か」

「最初は諦めようと思った。死ぬほど落ちもした。結論は、ダメだった。オレが終わらせた時終わりにするって決めた」

ハルトは決意を伝えるが、天馬くんにはそんなことはどうでもよかった。

「知るか。一方的すぎて話にならない。音、行こう」そう言われて音ちゃんは天馬くんについていく。ハルトの方を、振り向けないようだった。

 

音ちゃんを抱きしめたことを振り返って、改めて赤くなるハルト。

『やっちまった…。変態かオレは。ま、まぁ恋愛なんてもんは、たぶん変態と紙一重だぜ!』と自分を励ます。天馬くんと音ちゃん、2人で帰っていった背中を思い出し、キツくなるハルト。

『初めて好きな子を抱きしめた。どうしてそれだけで、ただの公園の空気が変わって感じるのか…』

 

音ちゃんの手を取ってずんずん進み続ける天馬くんを止める音ちゃん。

「天馬くん待って、手が痛い。ごめん。」

「俺がいれば、あんなことされなかったのに」

近衛のことを聞くと、先に帰らせたらしい。『たぶん今は無理だ。あの人のことを何と言っても、天馬くんが彼を信じているのなら…』

「音、俺が今どんな気持ちかわかる?今、猛烈に腹が立って、怒りがこみあげてる。

わかりにくいだろ?子どもの頃から馳家の人間は常に人の上に立つ者だと叩き込まれてきた。大きな感情を人に悟られるな、と。いつも冷静いろ、と。

でももうそれも無理だ。絶対に神楽木を、許さない」

 

その時ハルトは、星空が見えるベンチに座って、幸せな気持ちをかみしめていた。この後のことなど、何も考えずに、ただ…かみしめていた。

 

次の日、ハルトは音ちゃんから聞いた英徳狩りの犯人の情報をコレクト5に共有していた。犯人は、桃乃園学院内部の人間。

「江戸川が見た」と言い信憑性はあることを伝える。しかし、当然相手はシラを切っている。証拠を押さえるしかない。

「これで、対桃乃園との抗争は避けらんねーな。」「おう、やってやろうじゃねーか」

 

ハルトが学園の廊下を歩いていると、青い顔をした音ちゃんがハルトを探していたようで「よかった!いた」と話しかけてくる。どう見ても楽しい話題ではないが、ハルトは、音ちゃんに探されたことが嬉しい様子だった。

「なんだよ。昨日のことなら謝らねーからな」と念を押す。

「天馬くんがすごく怒っていて、私…うまくおさめられなかった。あんたのこと、許さないって」青い顔をして伝える音ちゃん。

「あっそ」

「あっそじゃなくて!人に対してあんな風に言う天馬くんを、今まで見たことなかった…。」

「オレにどうして欲しいわけ?謝って命乞いでもしろってか?」

「もしも何か言われてもやり過ごして。神楽木と天馬くんが争いことに意味なんてないよ」深刻な顔で伝える音ちゃん。

 

「は?争う理由なんていくらでもあるだろう。受けて立つぜ」とハルトは乗り気だ。

音ちゃんはそんなハルトを止めようと、天馬くんの秘密を伝える…。

 

その夜、神楽木邸に初めて来る男性の客人が現れていた。中へ入るように言っても入らず、門のところでハルトを待っているという。カートを用意するという小林を止めて、歩いて門まで進むハルト。

門の前には、普段と違って髪を下ろした天馬くんが立っていた。

「悪いな、神楽木」

「どーしたいつもの横分けじゃないじゃん。そんな姿もかっこいいのがムカつくな」誉めているのかけなしているのかわからないハルトの言葉。

それを無視して、不敵な笑みで天馬くんは告げる。

「俺と勝負しないか、神楽木。お前を立ち上がれないほどぶちのめしたい。」

「望むところだよ」

二つ返事でOKするハルト。

音ちゃんが今日伝えた天馬くんの秘密。

「知らないと思うけど、天馬くんは武道総合ジュニアチャンピオンなんだよ。あんたは絶対に勝てない。」

 

『江戸川、戦う理由はあるんだよ。たとえ、勝つ可能性が0%だったとしても』

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花のち晴れ 6巻 感想

曲がったことが無い天馬くん

もう…もうネタバレ書いてて泣けてくるんだけど…!!

音ちゃんは必死に天馬くんに犯人を伝えてるのに、それをさらっと流して「見間違いじゃないのかな?」って言ってくる天馬くん…なんてひどいの!!

音ちゃんは、早く天馬くんに伝えようとして急いできたっていうのに!「見た」って言っているのに「どうしてそう思った?」とか「それより」とか…一体どこまでひどくなれば気が済むのか!もう…もう悲しい…!

音ちゃんはまだ天馬くんのことは「好き」じゃなかったかもしれない。好きになりそう、だったかもしれないのに…こんなこと言われたらもう好きになれないよ。

少しも信じてくれない。「見た」という音ちゃんのことは信じないで「仲間だから」という理由で近衛を信じるという天馬くん。

天馬くんにとって、音ちゃんはその程度の人だった、ということなんだろうか。ハルトと会った後も涙が止まらないのわかるよ…!

ハルトかっこいいいい~~~

ふぁーーーーーー!!突然のハルトの成長~~~!!!かっこいい~~~!!

正直これまで読んでてそこまでハルトをかっこいいと思ってなかったけど、この6巻になって「あれ?同じ人ですか?」ってくらいに成長していてさすが「ジャンプ」で連載しているだけはありますわ。

友情・努力・勝利、の努力をハルトは欠かさないからね!!

メグリンに裸で迫られるところは、滋(しげる)のことを思い起こさせるよね。裸で道明寺に迫って「つくしのことは忘れよう」ってやつ。桜子も確か裸で迫ったのかな?

男は「据え膳食わぬは男の恥」というのもあるし、性欲に勝てるって…すごいと思うなぁ…。下世話な話だけど、ハルトはメグリンに勃たなかったんだろうか。

あのお風呂場で、あんな風に迫られて、「このまま忘れてもいいんじゃないか」って頭にめぐったら…あの場で押し倒しちゃっても…良かったんだよね。というか大半の人がきっとそうしてしまう。

あんなに冷静に受け答えできるハルトがすごすぎる。部屋で待っているメグリンのところに行くときも、超普段着だし。むしろ新鮮。

これから…ヤっちゃうんだぜ的な雰囲気なのに、「自分は嘘ばっかりだった。これからは本物しかいらない」って…フラれた音ちゃんをこれからも追いかけるっていう勇気。

メグリンがかわいくて男に人気があるって知っていつつも、音ちゃんが好きだからと断るハルト…。本当にかっこいい。

そして一番は「好きな奴の言うことは信じるだろ!!」という言葉。あれで音ちゃんがどれだけ救われたか…!!ジャンプ+で読んでても泣いたけど、もう一度読んでも泣けたわ。

コメントでも、この部分で「天馬くんダメだわ…」ってなる人が多かった。確かに天馬くんにとって近衛は大切な存在で信用がおける人物かもしれないけど、でも…音ちゃんという彼女、好きな人の言うことをもっと信じるべきだった。

あの場で必要なのは「公平さ」では無かったんだよね。ハルトは音ちゃんを好きで、それに向かって真っすぐ進むと決めたからこそ言えたこと。音ちゃんが欲しい言葉を言ってくれたのが、もう読者としても嬉しい。

音ちゃんが泣いてるところを見つけて話しかけてくれるところも好き。泣いてる音ちゃんに対して「オレのすっげえ好きな女が彼氏のために泣いてるとか、クソ羨ましいんだが!」って言ってるのがすごくかわいい。

素直!!!w素直でまっすぐ!!w始めは「天馬くんでいいんじゃね?」と思っていた私でもこの辺くらいから「ハルト頑張れ!」になり始めてるwこの辺をドラマで観るのが楽しみw

もう音ちゃんには告白したからこそ、はっきり「好きな女が」とかって言えるのが良いよね。素直さって大事。

公園で抱き着いてしまったことも、もう…ありじゃね?と思ってしまう。音ちゃんが転校しないって聞いて本当に嬉しかったんだね…。もう…6巻はハルトがかっこいいしかわいいし…幸せになってくれ。

天馬くんは…音ちゃんに抱き着いて許せないのはわかるけど、元はと言えばお前が音ちゃんの言うことを信用しないからなんだぞ!って言いたい。

濁った目の近衛

近衛怖すぎでしょ。天馬くんが好きな女なんだから、音のことももっと崇拝したらいいのに。神が好きな女性なのに「あなたは馳さんにふさわしくない」とか面と向かって言う時点でおかしいやろ。人に仕えるの下手すぎ。

音ちゃんに対してずっと失礼なんだよなぁ~。というか近衛が使ったチンピラのせいで音ちゃんは危うく失明するところだったのに、もっと天馬くんも怒れよ。

音ちゃんは近衛とチンピラが会話しているのを見たというのに「見間違いじゃ?」とか「そんなことより」って言って全然聞かないし。

音ちゃんの言う通り、天馬くんは曲がったことが無いから歪んでいる人がわからないのかな。性善説、じゃないけど清い水で過ごしてきたからこそ汚い水がどんなものかわからない。

きっとそんなテレビとかも見ないだろうし。ハルトは曲がって育ってきた…からわかるとは言っていたけどもw

ハルトも色々あったしね…wコレクト5のために色々と嘘ついたりしたし、道明寺に会うまではいじめられてきたし。天馬くんも努力はしてきたけど、歪んだ人間とはあまり接したことが…無いんだろうな。

真っすぐできれいだからこそ、人に好かれて人の上に立てる…かもしれないけど好きな人を守れないなら…意味ないよね…。

すごく良い!!

さっきも書いたけど、マジでハルトの成長具合が半端ない!!この巻以降メグリンが登場したのを覚えてないんだけど…もうメグリンとかどうでもよくなるくらいに面白い!!

音ちゃんを巡って勝負とか、マジで「私のために争わないで!!」状態。しかもどっちも本気!!うまい!!!!

ハルトって、根が良い奴なんだなってわかるのが…天馬くんのことをちゃんと誉めてるんだよねw「かっこいいな」とかちゃんと言うw

嫌味っぽく言うんだけど、それでも誉めてるw良い奴~~~w音ちゃんを好きってのも隠さないけど、天馬くんがかっこいいのも隠さない!w近衛の悪口も隠さないけど、素直なのがとても良い!!!

6巻辺りからマジで道明寺に近いところが増えてくるように思う。

裸で迫るメグリンを断れるハルトもかっこいいし、音ちゃんに対してまっすぐ「好きだ」って言えるハルトもかっこいい。2次元は最高だな…!!

おまけ漫画

お正月のおまけ漫画、単行本買って初めて読んだけど…かわいいいい~~~!!ハルトかわいいなぁ。いい奴だよ全く。

「オレはこの漫画の主人公だからな!!!」って言って登場してるの笑ったwそしてラストのチョロさwww

音ちゃんが笑ってくれるだけで良いんだね…!良い奴…!!天馬くんも良い奴なんだけど、それに負けないくらいにハルトも良い奴だし、かっこいいんだよ。

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