鈴林です!花のち晴れ9巻の感想とネタバレを書いていきます!

発売したのは4月なのに今更書くという‥‥wやっと読みましたわー。詰んでしまいそうだったけど何とか読んだ。9巻もこれまた揉めそうな空気で終わるよなぁ~~。

ジャンプ+で読んで先を知っているとはいえ、読み返すとドキドキして面白いわ!

次の10巻は8/3(金)に出るんだって。早い!さすがジャンプコミックス。隔週連載だけど、コミックスが出るのが早いよね。8月だと…ドラマも終わっている頃…かな?続いているかな?

漫画はもっと続いて欲しいなぁ~。

花のち晴れ ネタバレ 9巻

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花のち晴れ 9巻 ネタバレ

第57花

音ちゃんとハルトがシュノーケリングを終えて海面に出た時には、周りに船が無かった。360度見渡しても、海しかない。見渡す限りの海。

海しか見えないという景色が「置いていかれた」ということをまざまざと教えてくれていた。

船に置いていかれたのは、ハルトと音ちゃんだけ。岸がある方角もわからなければ、いるのは海の上。もちろん足はつかない。

ずっと話していなかったハルト、冷たくされていたハルトだったが、音ちゃんはハルトに「あの、船、戻ってくるよね」と話しかけてみる。2人しかいないのだから他に話す相手もいない。

しかしハルトは「疫病神かよ。お前が乗っていると知ってたら乗らなかったぜ」と、また冷たい目で言い捨てながら、つけていた水中メガネを海に放り投げた。

『私のせい…?船に置いていかれたのも、変わってしまったのも、全部…私のせいってことなの?私の知ってる神楽木ハルトはもういないんだ。どこかに、行っちゃったんだ…』

 

ホテルでは杉丸がお腹を空かせていた。さっきまでメグリンのクルーザーでたらふくご飯を食べていたが、もうお腹が空いているらしい。

愛莉が「ハルトは?」とハルトを探しにやってくる。「一般のツアーに行くって言ってたよな」と海斗がそれに答える。シュノーケルに行ったはずだと、一茶も記憶していた。

シュノーケリングに行く、と音ちゃんが言っていたのを愛莉も記憶している。

「もう戻ってきてるだろ?もう19時だぜ?ハルトいなくね?」杉丸の言葉で、ハルトと音ちゃんがいないことにC5の面々が気づき始めた。

愛莉は天馬くんの元へ音ちゃんの行方を尋ねる。しかし天馬くんも知らない。天馬くんも音ちゃんを探していたがみつからなかったらしい。

「音がシュノーケルのツアーに入って戻ってきてないの。ハルトもいないんだよ」と愛莉が伝えると、天馬くんは「同じツアーの生徒に聞いた?」とヒントをくれた。

 

一茶ガールズもシュノーケリングに参加していたので、一茶が確認に急ぐ。

一茶ガールズによれば、ハルトは乗っていたが「近づいたら海に沈める」と言われて怖くて近寄れなかったとのことだった。一緒に降りた者は、いない。

杉丸がツアーの業者に確認すると、事前に人数も数えず、ポイントからポイントに移るときにも点呼を取っていないことがわかった。

ホテルに戻ってきていないハルトと音ちゃん。そして人数把握を怠った業者。ホテルに2人が居ないということは、海の中に置いていかれた可能性が浮上する。

シュノーケリングが終わったのは、4時間も前のことだった。

 

それを聞いて走り出す天馬くん。愛莉も天馬くんと一緒に海に向かう。

 

海では、音ちゃんはずっと立ち泳ぎを続けていた。足も痺れて感覚がなくなってきている。日も暮れてもう夜になり、水温も下がっている。体力がないこともあり寒さも感じていた。

気を抜けば海に沈んでしまう。手足を動かしていないと死んでしまいそうだった。ハルトは、音ちゃんの方を少しも見ない。音ちゃんの体力は限界だった。

 

「まさか乗ってないと思わなくて…。30分後に出発だとちゃんと言ったんです!」

音ちゃんたちを置いていったポイントに案内させるため、天馬くんと愛莉と一緒に業者もクルーザーに乗っていた。業者は「知らなかった」と言い訳をする。

そんな言い訳を許すわけもなく、愛莉は「あんた人殺しと同じだよ!!」と罵倒する。

天馬くんは罵倒はしないが、「もっとスピードを上げろと伝えてこい」と言って、すごい剣幕で業者の胸倉をつかんだ。

 

クルーザーの舳先で2人きりになる愛梨と天馬くん。不安そうな天馬くんを見て、安心させようと話しかける。

「ハルトが一緒ならたぶん大丈夫…って言いたいけど、あいつ変わっちゃったから…。」と自分でも不安になってしまう愛莉。

 

「君は真矢愛莉だっけ。前に俺と音を倉庫に閉じ込めた子だよね」と確認する天馬くん。愛莉と天馬くんとの接点は、その閉じ込めた事件だけだった。

 

「あの時は、マジで音にいなくなって欲しくて…。でも今は本当に大好き!嘘じゃないから!!」

「音の口から何度も君の名前を聞いた。信じるよ。次に会ったら言おうと思ってた。音の傍にいてくれて、ありがとう」

(きっと、ここで愛莉は天馬くんに恋に落ちたと思う。)

愛莉と天馬くんが話していると、もうすぐ最初のポイントに着くと業者が教えてくれた。

 

音ちゃんの両足についていたラバーフィンは、いつの間にか片足だけになってしまった。もう手足の感覚も無くなって、頭も少し沈んでしまっている。

さすがにハルトも、音ちゃんに声をかけた。

「おい、頭沈んでんぞ」

音ちゃんは、声をかけられていることは気づいたが、それに答える元気はなかった。

『ほっといて。私のことが大嫌いなんでしょ』

 

ハルトに引き上げられ、沈んでいた顔が上に出る。「ほら、つかまれ」ハルトが音ちゃんの手を掴みそう言うが、正気になった音ちゃんはそれを拒んだ。

 

「触らないでよ!あんたには関係ないんでしょ?私が沈もうが、この海で死のうがいいんでしょ!?むしろ願ってるんでしょ?ほっといて!」

体力がないのに大声を出したので少し沈んでしまい、海水が口に入りむせてしまう。そんな音ちゃんの言葉にまっすぐ返すハルト。

「願ってない」

 

「あばれんなよ。きっと誰か来る。頑張れ」そう言って、音ちゃんを抱きしめる。

『あの神楽木はもうどこにもいないと思ってた。もう、いないと思ってた』

満月の夜。誰もいない海の上で、音ちゃんとハルトは抱き合った。

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第58花

「神楽木、星がすごい」

ハルトに抱きかかえられている音ちゃんからは、空の星がよく見えた。しかしハルトは水面下で泳いでいるため、顔を上げられない。

音ちゃんは脱水症状を起こしていて、頭がぼーーっとして来ていた。それに気づき、ハルトが励ます。

「オレの仲間が絶対に来る。それまで起きてろ。寝たら死ぬぞ」

 

非現実的な状況。誰もいない海で、取り残された2人。夢の中のような状況と、限界の体力のせいか音ちゃんは言えないことが言えるようになっていた。

「神楽木、あの日あの橋でいつまで待っていたの?」

「忘れた。その話やめろ」

その話題を拒否するハルトを無視して、音ちゃんは涙を流しながらハルトに伝える。

 

「もし、ここから帰れなかったら死ぬほど後悔するから言うね。

ごめんね。あの日神楽木のところに行けなくて、ごめんなさい。ずっと…言いたかったんだ。」

「その文はおかしいだろ。帰れない=死ぬなんだぞ」

音ちゃんは言いたかったことを言えて緊張の糸が切れたのか、意識を手放してしまう。沈んでいく音ちゃんを抱きかかえるハルト。

「おい!江戸川!!」

ハルトが呼びかけていることはわかるが、音ちゃんには答えられなかった。

『また、あの声で…江戸川って呼んでくれた…』

 

音ちゃんが目覚めると、目の前には愛莉と近衛が居た。愛莉が涙をボロボロ流して「よかったぁ!!」と飛びついてくる。

愛莉たちが着いた時には、2人は沈みかけていたらしい。

「あ、神楽木は…?」

ハルトは隣の部屋だと愛莉が答えると、すぐに出かけようとする音ちゃん。脱水症状で点滴をしていた音ちゃんを行かせられないと、愛莉が必死に音ちゃんを止める。

音ちゃんが気づいたと近衛から連絡をもらったのか、天馬くんが青い顔をして部屋に飛び込んできた。

「気づいた?よかった…!俺が居ながらこんなことに…ごめん」

そう言って音ちゃんを抱きしめる天馬くん。照れながらもお礼を言っていると、

「王子様と会えたか」

と、ハルトが部屋にやってきた。ハルトは音ちゃんの命の恩人になった。

あと5分、天馬くんたちが来るのが遅かったらダメだったかもしれない。愛莉と天馬くんが船で駆け付けたが、音ちゃんは意識が飛んでいて全く記憶が無かった。

「ツアー業者には相応の責任をとってもらう」とさらりと怖いことを言う海斗。

気を取り直して生還パーティーをしよう、と一茶たちが言いだすが、ハルトは「小林が緊急のようがあるとかでうるさいから帰るわ」と言いだす。

 

緊急の用とは何なのか…気になるところだが、ものすごい数の着信が来ており無視もできないようだった。

音ちゃんはもう少し休む必要がある。音ちゃんは、ハルトにお礼も言えないまま分かれることになってしまった。

近衛があたたかい飲み物を淹れてくれようとするが、音ちゃんはハルトにお礼を言うために走り出す。ハルトの家のプライベートジェットがホテルの飛行場に停まっていた。

神楽木家の者に「お友達では?」と言われ、ハルトが振り向くと音ちゃんだった。

「なんだよ。お前起きたらやべーだろ」

「うん、すぐ戻る。ただ、お礼を言いたくて。ありがとう。あともう一つ。もうこの先無いと思ってたから、普通に話してくれて嬉しかった。あんな状況だったけど」

「ホントにな。ほぼ裸でくっついてもエロくもなんもなかったな」

「な、何言ってるのよ!そんなこと今言ってないでしょ!」

飛行機に乗ろうとするハルトに、

「神楽木、無いと思うけど、この先困ったことがあったら私にできることがあったら言ってね。やるから!」と伝える音ちゃん。

「この世に、俺ができなくてお前ができることがあるのかよ」

と返されてしまうが、ハルトは「いっこ貸しな」と言って受け止めてくれた。

 

ハルトを見送った後の音ちゃんは、ずっとそこに立ち尽くしていた。それを少しさみしそうに見守る天馬くん。

部屋に帰りベッドに横になる。愛莉は、ハルトが音ちゃんを海に沈めるんじゃないかと思っていたようだった。

しかし最初の4時間は口も聞いてくれなかった。地獄のような時間だったと、音ちゃんは語る。

「ねー音。馳ってばすごい心配してたよ。顔真っ青で、海に飛び込んで探すかと思っちゃった。なんか羨ましいなって思っちゃった。

なんてゆーか!愛莉も誰かに大事に思われたいなーなんて!」

サマースクールを盛り上げる音楽が外から聞こえてくる。数時間前まで海の中にいたのが夢の中でのことのようだった。

音ちゃんは熱があがってしまったのか、ぼーっとしてしまい、愛莉の様子がおかしいことに気づくことはできなかった。

 

車で神楽木家に向かうハルト。家に電話しても小林は出ない。運転手も事情を知らないのか、「何かあったんでしょうか」とハルトに返す。

家の門の前に着き、門を開けようとリモコンを押すが門は開かない。運転手が中に連絡を試みる。

待ちきれないハルトは車を降りて、門のセンサーを確認しようとし出す。車では運転手が屋敷の者と連絡を取っているのか困惑していたが…ハルトを置いて発進した。

「すみません坊ちゃま!お屋敷の中から命令で!!」

とだけ伝え、ハルトを門の前に置いていく。「この野郎!どういうことだよ!!」とハルトは怒るが、車はもう遠くだった。

屋敷からの命令…という言葉について考えていると、門の前に泣いている小林が立っていた。

「せっかくお帰りになったのに申し訳ありません。坊ちゃまをこの門の中に入れる訳にはいかなくなりました」

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第59花

「門の中に入れないってどーいうことだよ!オレんちだろ!?おかしーだろそれ!!小林早く開けろ!!」

門の外から小林に訴えるが、小林は涙を流しながらそれを断る。「これをご覧になってください。録画されています」と言ってタブレットをハルトに渡した。

タブレットにある動画を再生すると、ハルトの父親が映っていた。

 

「私は今失望している。お前は神楽木グループんも唯一の跡取りだ。英徳学園に入学させたのはテストだった。神楽木家にふさわしい人間に成長できるか逐一観察していた。

最近は衰退した英徳を立て直そうとしていることも知っている。

神楽木家の跡取りであるならば、ライバル校を潰すことなど造作もないこと。小さなことを解決できない人間に神楽木グループの未来は担うことはできない。

晴、お前は失敗した。ライバル校の桃乃園学院と仲良くサマースクールに行くなどと。

テストは不合格だ。神楽木家から出ていくがいい。

お前の代わりに将来グループのCEOとなる者だ。近々養子縁組をする。」

 

タブレットの中では将来のCEOが紹介されていたが、ハルトはそれどころではなかった。

「何言ってんだクソオヤジ!!」と叫ぶと、門の向こうから「お父様をそんな風に呼んではダメですよ」と声がかかる。

「何代にも続く同族企業で、跡取りが適さない場合、養子縁組は良くあることなんですよ。

Hi 景(けい)・ウィンザーです。よろしく。晴くんの代わりにここに呼ばれました。」

 

養子縁組を組む予定の景が、ハルトの前に姿を現した。「こんな身元の知れない奴を…!」と文句を言うハルトに小林は「既に保証済みです」と答える。

景は、アメリカ在住で13歳でハーバード大学に飛び級入学し、来年卒業予定らしい。現在は色々な会社のマーケティング相談役をやっているらしく、その過程でハルト父親に出会ったらしい。

ハルトの父親から「これからのグループに必要だ」と言われたと、景は言う。歳はハルトの一つ下の17歳。

「晴くんがお兄さんになりますね」と状況がわかっていないかのように、さらっと言う景。

「とにかくここを開けろ!!命令だ!」とハルトが言っても、小林は門を開けない。会長命令で何を言われても門を開けるなと言われているようだ。

泣く小林を励ましながら、景と小林は屋敷に戻っていく。

「おい、財布もねえ。ケータイはさっきの車の中。ダチは今全員サマースクールだ。どこ行けっていうんだよ!」

「大丈夫ですよ。夏で良かったです。俺は孤児だったんですが、NYの寒さで凍死しそうになったことがありますよ。日本は安全ですし。」

景はそう言って、ハルトを全く取り合わずに屋敷に帰っていった。

 

『マジか。数時間前まで船に置いていかれて海に浮かんでて…帰って来たと思ったら家に入れなくて親父に勘当されて、見知らぬ奴が家にいる…。

なんだこれ??俺が何をしたっていうんだよ』

とにかく誰かに連絡しないと、と思いハルトが取った行動は…。道行く男に突然話しかけることだった。

 

「おい、ケータイ貸してくれ。もしくは金を貸してくれ。100倍にして返す。できれば10万貸せよ」と言いだすハルトに…逃げ出す通行人。

どう考えても怪しい。「あんた大丈夫か!?」そう言って逃げる。

寝床のためにカラオケ店に行くが、お金を持っていない人を入れるわけもない。

「明日払う」というハルトの言葉を信じるわけもなく、「明日とか非常識だから。邪魔だよ貧乏人が」と、普段自分が言っていた言葉をそっくり返されてしまうハルト。

 

音ちゃんは、2泊で帰る人のセスナがあいていたので帰宅することにしていた。海でのこともあり少し熱っぽいので家でゆっくり休むことにしたようだった。

愛莉たちはここからハワイに行くらしい。音ちゃんとしては、「ハワイとここどう違うの」という疑問があったが、それは解消されなかった…w

愛莉から「馳は知ってるの?」と聞かれる。音ちゃんはLINEで帰ることを伝えた、と愛莉に返す。

音ちゃんの乗った飛行機が飛び立ってから、天馬くんは飛行場にやってきた。

「今飛んだよ。見送ればよかったのに」と愛莉が言うが「いいんだ。このくらいがいい。」と天馬くん。

「かっこつけちゃって。ダッサ!!」と顔が赤くなりつつ愛莉が言うと、天馬くんもそれに気づき「あれ?顔が赤いけど音の熱が移ったの?」と愛莉を心配する。

杉丸もやってきて「何だよそのゆでだこみたいな顔」と茶化してくるが、愛莉は「熱なんて無い!」と大声で否定した。

 

音ちゃんは帰国し、バイト先の紺野さんに戻ってきたことを電話で伝える。すると…ドーソンにハルトが来ていると、言われた。

ドーソンに着くと、本当にハルトが居る。紺野さん曰く「今朝からずっといる」らしい。一昨日と同じ服を着ているハルト。

「おせえ!」と怒るハルトだったが、当初の予定よりは早い戻りだった。

 

「お前、一昨日の別れ際行ったこと覚えてるか?この先オレに困ったことがあったらとか言うやつ」

「もちろん覚えてるよ。一つ貸しなってやつでしょ?」

「よし、オレは今ものすごく困っている。人生最大のピンチかもしれない。とりあえず、お前んちに泊めてくれ」

真剣にお願いするハルトに、音ちゃんと紺野さんは全くついていけなかった。

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第60花

幼い頃のハルトは、「テストだ」と言って、森に1人置き去りにされたことがあった。

小林に連れられて、どことも知れぬ森の中に置いていかれる。小林に「やだよ!置いていかないで!」と言っても、小林も雇われの身。ハルトを置いていくことしかできなかった。

「やだよ。小林。どうしていつもテスト?だれか助けてよ」幼いハルトがそう言っても、誰もハルトを助けてはくれなかった。

 

音ちゃんの家に向かう道すがら、ハルトに家を追い出された理由を聞くが、「そういう家なんだよ」というよくわからない答えしか返ってこない。

「昨日はどこで寝たの?」

「駅で」

神楽木晴が駅で寝るなんて正に異常事態だった。「C5の家なら、本人が留守でも大丈夫なんじゃ…」と音ちゃんが提案するが、そこもハルトが行けないように手をまわされていたらしい。

家には音ちゃんのお母さんがいる。説明に困ったが、ハルトは自分で説明するという。ハルトが挨拶した時、とても母にウケが良かったことを音ちゃんは思い出した。

 

ハルトをアパートの前まで連れて行くと、「この小さいパーツの一つがお前の家なのか?」と失礼なことを言いだす。

家に帰ると、電気もついていないし誰もいない。置いてあるメモを読むと、パートの人に誘われて温泉旅行に行っているらしい…。

「親いねーの?ラッキーだわ」と安心するハルト。ハルトも愛莉と同じように、靴のまま家にあがっていた。

 

『さすがに2人きりはどうかと思う…』と音ちゃんが困惑し、ハルトに出て行ってもらおうか言おうとして振り向くと、ハルトは上半身裸になっていた。

「風呂貸して」

「ちょっと…なに勝手に脱いでるのよ!」

「服着てシャワー浴びらんねえだろ!お前何考えてんの?オレは全くそんな気ねーし。シャワー借りたら、その辺で寝かしてくれるだけでいーから。」

 

また少し冷たい目をしてそう言い放つ。『一人で考えすぎてるみたいじゃん』と恥ずかしくなりつつ、お父さんのパジャマを探す。

ハルトが自分への思いを終わらせたんだと、さっきの言葉でしみじみ感じた。

 

シャワーから出たハルトは音ちゃんのお父さんのパジャマを着ている。やっぱりハルトには小さいようだった。音ちゃんのお父さんは一緒には暮らしていない。

九州の親戚の家で働いている、とハルトに説明する。出稼ぎに出ているのだ。

何か食べるかハルトに聞くと、さっき紺野さんに食べ物を恵んでもらったらしい。そんな自分に呆れるように、ハルトは音ちゃんに説明した。

ハルトがどうして家に入れないのか理由を聞いた音ちゃんには、養子やハーバード飛び級という単語は想像に無い者だった。

英徳と桃乃園学院の交流が、父親の逆鱗に触れたらしい、ライバル会社が仲良しはありえないし潰すまでやり合うのが当然であり、敵と仲良くなったハルトには神楽木家は任せられないと言われた…と音ちゃんに説明するハルト。

「そんな…会社と学校は別じゃないの」

「ガキの頃からテストがあって、山の中に置き去りにされた。1人で家にたどり着けるか、とかな。」

ハルトは結局、飲まず食わずでさまよい、最後は捜索ヘリにみつけられたらしい。

 

「お父さん、後悔してたでしょう?」と音ちゃんが聞くと「まさか、一言『不合格だ』だよ。それでまた次のテストだ」と当然のように答えるハルト。

死んでしまうかもしれないのに、実の息子にそんなことをするなんて音ちゃんには信じられなかった。驚く音ちゃんを気にせずハルトは話し続ける。

「今までのは今回ほどじゃねぇな。養子をとって実の息子を追い出すとか、とうとう本気になったって感じだな。

つーかオレは何をペラペラと関係無いお前に話してるんだろうな。とりあえず今夜は助かったよ。あいつらがハワイから帰ってきたら出ていくから。」

音ちゃんとあまり目を合わせずにそう言うハルト。

 

ふすまを隔てて別の部屋で寝ることになる2人。

『関係ねー…か。追い出されてどうするんだろう。何不自由なく育ったお坊ちゃんなのに、どうやってこれから生きていくんだろう』

 

音ちゃんはふすまを隔てて、ハルトに話しかけ始める。

「神楽木、私は英徳と桃乃園学院を交流させたのすごいと思うよ。海斗さんも言っていたけど今回ふたつの学校に入学希望者がすごく増えたんだって。間違ってないんじゃないかな…。偉そうかも。なんかごめん。

(ごめんね。あの日行けなくて、ごめんなさい)」

 

音ちゃんの心の声が聞こえていたかのように、ハルトも話し出す。

「オレずっと、お前のことしか考えてなくてさ。あの日、橋の上で一日中待ってもお前は来なくて、生まれて初めての絶望だった。オレが待ってるの知ってて何も連絡よこさない。

あとから天馬がケガで来られなかったって聞いても、知るかそんなの理由になるかよって思った。

でも、天馬を見捨ててオレのとこに来る女じゃないくらい…わかってたのにな。そーいう女だから好きになった。そんなことも考えられない自分が嫌だった。

それでオレの中からお前を好きだった自分を追い出した」

ずっと誰にも言っていなかったことを音ちゃんに話すハルト。

「私、病院からタクシーの運転手に『行けないから絶対に帰って』って書いたメモを渡して…あんたに渡してくれたと思ってた…。ごめん」

泣きながら謝る音ちゃん。音ちゃんが泣いていることは、ふすまの向こうのハルトにもわかった。しかし、ふすまを開けられない。

 

『だめだ。今開けてしまったら…絶対に抱きしめる、まためちゃくちゃにして、自分の思い通りにしたくなる。この世の中テストばっかりかよ』

自分で自分を制し、ふすまを突然殴って「寝る!」と言って横になるハルト。音ちゃんは突然ふすまを殴られたことに驚くが、「おやすみ」と言って音ちゃんも横になった。

ハルトにとって、当面の問題は家にいる景・ウインザー。家から景を追い出すにはどうすればいいのか、そんなことを考えつつ、眠りにつく。

 

朝になり、ハルトへの朝食を用意した後にバイトに出かける。店長に長い間休みをもらったお礼を言っていると、「江戸川ちゃんに会いたいって人が来てるよ」と言われてしまう。

「来ましたよ」と言ってその方向見ると、黒髪の見慣れない男性が立っていた。

「江戸川音さん、はじめまして」そう言って笑いかけてくる。名前を尋ねると「景・ウインザーと言います」と言われる。音ちゃんに心当たりはなかった。

 

「ハルトくんはあなたのおうちにいますよね。今、彼は自分の家から追い出されているんですよ。イギリスの哲学者も、一番の近道はたいてい一番悪い道だと言っています。

安易に彼を甘やかす環境を作ってはいけないです。今すぐ彼に会わせてください」

 

音ちゃんの目の前にいる男が、昨夜ハルトから聞いた、ハーバード飛び級の養子、景・ウインザーだった。

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第61花

「今からあなたの家に案内してください。そしてハルトくんに会わせてください」

会ったばかりの音ちゃんにそんなお願いをする景。それを音ちゃんは「いやです」とばっさり断る。

 

「お客さんじゃないなら帰ってください。神楽木家のことは私には関係ないし、見ず知らずの人に家を案内するいわれもない」そう言って取りつく島もなく断る。

景にとって予想外だったのか「いやでも…」と食い下がってくるが「はい!この話終わり!」と言って無理矢理に終わらせる音ちゃん。

もし勝手に家に来たら警察を呼ぶ、と景に伝える。

『行くとこないって言っているのに追い出せるわけないでしょう!しかもさっき何て言った?私のところに来るのが悪い道だっていうの!?

やな感じ!!!』

 

店長が在庫を抱え悩んでいた。聞けば、「最近流行っている」という噂を聞いて、卵型の中にチョコが入っているお菓子を大量に仕入れたらしい。

たくさん仕入れたにも関わらず、先週から5個しか売れてない。見た目はカラフルでかわいいけど、何故か売れないチョコ。

音ちゃんから見ても、卵のケースは小物を入れられたりできそうなのに不思議だった。賞味期限も迫っているのに…と悩んでいると景が現れ「イースターモチーフなんですね」と言いだす。

イースターは復活祭とも言い、生命の誕生を意味する卵をモチーフにしている。元々は春のものですけどね、と景が説明する。

 

店長も他のバイトの人にとっても、景は見知らぬ人。「江戸川ちゃんのお友達」と紹介されるが、音ちゃんも会ったのは今日が初めてだった。

「良ければ俺が販売の手伝いしましょうか?」と笑顔で申し出る景。お客さんにそんなことをさせられない、と断ろうとするが景は

「買い物の8割は衝動買いって知ってますか?」と買い物について解説を始めてしまう。

 

買い物客の思考を説明すると、店長も一緒にいたバイトもすっかり感心してしまう。その勢いに任せ、景は次々に新しい提案をしていく。

陳列を変え、外から見える雑誌も変え、イースターモチーフの卵型のお菓子に合わせて店内が少しずつ様変わりしていく。一通り終わったところで子連れのお客さんがやってくる。

「チョコが入ってるんだ。へぇかわいい」そう言って、目論見通りに卵型のお菓子を2つも買っていってくれた。それを見て驚く音ちゃんたち。

その後も、来店するお客さんは卵型のお菓子をどんどんレジに持ってきてくれる。一周お店を見て、最後にレジ前で買ってくれる人までいた。

景は更に「明日また売れ残るようなら10%オフにして、消費期限を見て下げていきましょう」とアドバイスをする。

景のアドバイスのおかげで売れ行きが好調になり、店長たちにすっかり気に入られる景。音ちゃんは、ハルトの勝ち目が薄いような気がしてきていた。

すると景が、音ちゃんのことも誉めだしてくれる。

「でもこの売り上げの3割は江戸川さんのお手柄ですよ」

音ちゃんは、景が言った棚よりも低く設置した。小学生のお客さんが多いことを知ってた音ちゃんは、子どもの目に留まりやすいようにあえて棚を低く設置していたのだった。

棚を低くすることで小柄なお年寄りにも手に取りやすくなる、と景は説明する。そして笑顔で「江戸川さんマーケティングの才能ありますよ」と誉めてくれた。

店長とバイトにも「よく対応してくれました」とねぎらうことを忘れない。完璧な処世術を、音ちゃんは目の当たりにしていた。

 

あまりに景が手際よくやるので、店長はアドバイザーになって欲しいと遠回しにお願いまでしだす。景もそれを断らず、「短い間で良ければ」と受け入れてしまった。

「ちょ、ちょっと待って!ウインナーさん!ちょっと良いですか!?」

流されそうになる自分に気づき、無理矢理流れを止めて景を外に引っ張り出す音ちゃん。名前は純粋に間違ってしまっていた。

「あの、私が言うことではないですが、そーいうのやめてもらえませんか?」とやんわりと断る。

「ハルトくんは関係ないよ?」と正論を言われてしまうと、断ることも許可することもできなくなる音ちゃん。

 

「音さんはハルトくんの彼女ですか?」

「ちがいます」

「彼女じゃないのに家に泊めるんですか?そーいう関係なんです?」勘ぐってくる景に音ちゃんははっきりと告げる。

「どういう関係を想像しているか知らないけど、困った時に助けてあげたい関係です。さっき、近道は悪い道だと言っていたけど、行くところもお金も無い人を追い出してたどり着かせるのは良い道なの?

私はもっと違う言葉が好きです」

「どんな言葉?」

「旅は道連れ、世は情け」きりっと答える音ちゃん。誰の言葉なのか真剣に聞かれるが、わからなかった。

ことわざのレベルが違い過ぎて恥ずかしくなってしまい、「とにかく、追い出しませんから!」と言い残して走って逃げる。

 

バイトからの帰り道、ハルトに景と出会ったことを言うべきか悩んでいた。家の前に着いて、鍵を開ける前にドキドキしてしまう音ちゃん。

昨夜ふすま越しに話して、どんなことを考えていたのか知ることができて音ちゃんは嬉しかった。本当に辛かったからこそ、知ることができて嬉しかった。

 

ドキドキして家に入り「ただいま」と言っても、誰もいない。家中探しても誰もいなかった。ハルトが寝ていた布団は敷かれたまま。C5の誰かが帰って来たのか、行くところができたのか…。

「まったくもう、布団のたたみ方くらい覚えておけっての」独り言を言いながら、気にしていないかのように振る舞う。

『一言くらい、言っていきなよ』声に出ない心の声。そんなことを考えていると

 

「おかえり」

ハルトが後ろに立っていた。

「あれ、お帰りって初めて言ったな、いや、ガキの頃だったかな。今海斗の家行ってみたけど、やっぱり今日ハワイに行ったらしい…」

「た、ただいま」居ないと思っていたハルトが帰ってきて「おかえり」と言ってくれた。それだけのことが嬉しくて顔を真っ赤にしてそう返す音ちゃん。

「お?おかえりってさっき言っただろ!」つられて赤くなるハルト。

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第62花

ハルトを除くC5の面々はハワイにやってきていた。しかし杉丸も一茶も、「なんでハワイに来たのか」はよくわからないままだった。

思い返せば、「バースデーイベントはハワイでしょ!」と愛莉が言いだしハワイに来ることになったと思いだす杉丸たち。しかし言い出しっぺの愛莉はいない。

バースデーイベントの主役であるハルトもいない。

「あいつ完全におかしいんだが」と海斗が2人に伝える。それを聞いても「ハルトがおかしいのは通常運転だろ」と杉丸も一茶も取り合わない。

一茶はナンパに、杉丸はトレーニングに出かけて行ってしまった。

「完全におかしいのはハルトじゃない。愛莉だ」誰に言うでもなく、海斗はそう1人呟いた。

 

愛莉は天馬くんと近衛と一緒にいた。天馬くんに「ハワイに行かなくてよかったの?」と心配されるが「ハワイとかもう飽きてるし。英徳の責任者いないとダメでしょ」と言い出しっぺのくせにもっともらしいことを返す愛莉。

愛莉が英徳の責任者と聞き、近衛は愛莉に警戒心を抱く。

近衛が言うには、愛莉は英徳生徒に対して

  • 夜は20時には外出禁止
  • ボートやヨットも禁止
  • 海には浮き輪着用

これを破れば即強制帰宅!という恐怖政治を強いているのだった。

 

浮き輪、に引っかかる天馬くん。「なにを置いても浮き輪は大切よ」と強がる愛莉に対して「泳げないの?」と本質をつく。

愛莉は照れつつも「人間が水に浮くなんてありえないから!」と言ってそっぽを向いてしまう。

それを聞いて天馬くんは「子供の頃溺れた?音も一度水で怖い目にあって、それ以来海が苦手だったな。毎年少しずつ慣らしていたんだけど…」と音ちゃんのことを話す。

今回海に取り残されたことでまた水が嫌いになるのでは、と天馬くんと近衛で話していると、愛莉がそれを割るように

「音はもう、馳と海に来るとかないんじゃない?」と天馬くん達の方を見ずに言った。それを聞いて近衛は怒る。天馬くんは身を引いているとはいえ、音ちゃんへの想いは変わらないことを、近衛は知っている。怒るのも当然だった。

当の天馬くんは怒る近衛をいさめる。そして全く怒った様子を見せずに「愛莉さん、泳げるともっと楽しいよ」と微笑みかけ近衛と去って行った。

 

音ちゃんの家では、音ちゃんがハルトに晩御飯を振る舞っていた。メニューは肉じゃがとれんこんのきんぴら。以前のこともあるので、ササミは使われていない。

「お、うめー」

「やった!」

ハルトはしみじみと、洗濯も料理もできる音ちゃんに感心する。ハルトの服も、夜の音ちゃんが洗っていた。夏だったのですぐに乾いて着ることができていたのだ。

しかし音ちゃんの心は晴れない。景・ウインザーがバイト先に来たことを伝えなければならないが…景のおかげで店の売り上げが伸びて店長が喜んでいる…とはとても言えなかった。

音ちゃんの悩みを知らずに、ハルトは更に誉めだす。

 

「こんな小せぇ家だけど、ホコリ落ちてねぇし布団も羽毛でもない安物なのに太陽の匂いがする」

誉めてるのかけなしているのかわからない言いぐさだが、ハルトとしては誉めていた。

音ちゃんはそれを受けて、意を決して景のことを伝えようとするが…「あ、今日何日?」と突然日にちを聞かれる。

「5日だけど?」

「誕生日だわ。オレの」

と突然今日が誕生日だと告白される。「お、おめでとう…」と拍手なんてしてみるが、余計に言えなくなってしまった。

ハルトは、「家から追い出されて金も無いしケータイもいない。こんな小さい家で過ごす今まで生まれて来て一番小規模な誕生日だけど、ありがとな」と嫌味も込めつつ一応お礼を言ってくれる。

思えば、誕生日プレゼントに馬をもらうようなお坊ちゃまなのだ。人生に一度の18歳の誕生日でこんなにかわいそうな状況は…と思い何かあげるものを探し出す音ちゃん。

ケーキも無ければロウソクも無い。音ちゃんは歌も下手らしいし、絵も描けない。

 

「して欲しいこと、何かない?」

「マジ?なんでもいいの?」

「うん。私にできることなら」

「じゃあ、おめでとうのキスでいいわ」

恥ずかしいことをさらっと言ってのけるハルト。音ちゃんは「なんでキス!?」と驚くことしかできない。

「映画とかであるだろ」と言われても、それは映画でのことだ。

 

「別に気持ち込めなくていーし。ほら」と頬を向けてくる。そんなことされても、ひょいひょいできるものでも無かった。

慌てる音ちゃんを見て、ふっとニヤけるハルト。

「冗談だよ。つか、何でもいいって言ったくせにやっぱお前嘘つきだな」と少し照れつつ嫌味を言ってくる。

この一言で音ちゃんはカチンと来た。

「居候のくせになんなのその態度!」

「お前を試したんだよ。思ったとおりだったぜ。私にできることならね~ってか。お前ってやっぱ口ばっかだな」

音ちゃんは頭に血が上り、フライパンを手にハルトに殴りかかる。ハルトもフライパンで殴られると思っていなかったのか必死に避けた。

 

勢いをつけたために、勢い余って前に転び、ハルトも音ちゃんをとっさに抱き留めようとして…倒れ込んでしまった。

 

ドタッ! ガチン

 

ハルトの上に音ちゃんが覆いかぶさるようになって、時間が止まる。

『いま…触れ…?』

 

「上下が逆じゃないのよ。音、どうしよう~~~!!

いつの間にか玄関に愛莉が泣きながら立っていた。愛莉の声を聞いて、びく!!と身体が跳ねる2人。愛莉はプライベートジェットで急に帰って来たらしい。

「愛莉しぬ。もうだめ」と言いだす愛莉をとにかく家に入れる音ちゃん。

音ちゃんのアパートの外から、景がみつめていた。

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第63花

泣いている愛莉も少し落ち着いたので、事情を聴く音ちゃんとハルト。夜中にいきなりプライベートジェットで帰ってくるなんて普通じゃなかった。

しかし愛莉は「エッチしてたの?」とド直球な質問を投げかける。

「し!してないから
フライパン持ってふざけてたら、つまづいたの!ね!!」

とハルトに話を振る。ハルトは唇から血が出ているようだった。倒れ込んだ時に…音ちゃんの歯が当たったらしい。

「ごごごごめん神楽木…」と必死に謝る音ちゃん。ハルトは「拭いとけばいいんだよ」とあまり気にしていないようだった。

 

愛莉は自分の説明よりも、「どうしてハルトがここに居るの?」というハルトについて疑問のようだった。

ハルトについては話せばどうしても長くなる。ここでは一旦ハルトのことは説明せずに、音ちゃんは愛莉に詰め寄った。

 

「それより何があったの?あんなに泣いて、もしかして誰かに何かされたの!?愛莉を傷つけるなんて許さないよ。

誰!?教えて。今すぐそこに行くから!」

愛莉のために必死になってくれる音ちゃん。そんな音ちゃんを見て、愛莉はまた泣きだしてしまう。愛莉は「なんでもない…」と理由を言わなかった。

 

結局、ハルトと愛莉は一緒に愛莉の家に行くことになった。

「んじゃな。世話になったな」と言って去ろうとするハルト。

愛莉は思い出したように「あ、今日ハルト誕生日じゃん。何も用意してないや。とりあえず毎年のやつね。ハッピーバースデーハルト」と言って、外国人の様に両頬にキスをしだす愛莉。

音ちゃんちの玄関が欧米のようになった。

 

2人が帰ると、音ちゃんの母が入れ違いで帰宅する。お土産は温泉まんじゅうだった。

『一晩だけだけど、神楽木がここにいたなんて不思議…。あの日から半年間口もきいてくれなくて、もうずっとこのまま話さないのかと思ってた。

何かが変わったわけじゃないけど、心が少しあたたかくなった。結局、景・ウインザーって人の話できなかったな…』

 

愛莉の家に着いたハルトは、部屋がいっぱいあるので、てっきり別々の部屋に寝るものかと考えていたが愛莉の突然のわがままで「一緒に寝てくれないなら出てってね」の一言で一緒に寝ることになった。

子供の頃なら一緒に寝たが、もう2人は高校生だ。

「ハルト、音の家で寝られた?」と愛莉は聞くがハルトは寝られなかったようだった。

好きな子が隣にいたから、ではなく薄い布団では寝られなかった…らしい。

ハルトは、そんなことよりも愛莉に何があったのか問いただす。

 

「愛莉ね、苦しいんだ。音が大好き。愛莉の最初の大切な友達で、音には幸せになって欲しいのに羨ましくて仕方ないの…」

この一言で、ハルトには愛莉の気持ちがわかった。

愛莉は天馬に恋している。それがハルトにもわかり、「ばか!おまえやめとけよ!つらくなるだけだぞ!無理に決まってるだろ!」と止める。

「無理とかやめて!!無理とか…言わないでよ…」と愛莉は更に泣きだしてしまった。

ウソ泣きでも無い本当の涙に困惑するハルト。ハルトからしたら、家も無くなって変な奴も現れて他のことを考える余裕もない。しかし愛莉はどんどん相談してくる。

(こーいうところ、本当にかわいいし図太いw)

 

「ハルトは音のどんなところが好きだったの?スタイルがいい子や、顔がかわいい子ならもっといるじゃん」

「ちゃんと、生きてるところかな。英徳の女しか見たことなかったから衝撃だった。ちゃんと生きてる…って変かな」

とハルトは少しずつ愛莉に話し出す。

「ううん。わかるよ。音はお父さんの会社がつぶれて全部失って…愛莉だったら死んじゃうって言ったことあるの。でも音は笑ってこう言ったんだ

『愛莉、ものは考えようだよ?もともと無かったと思えばいいの。健康で、学校に通えて、愛莉にも会えて…。私は幸せだよ』

本当にすごいんだよ。無理して言ってるとかじゃないの。

馳も…そういうところが好きなのかな…愛莉じゃだめ…。」

 

自分の言葉で落ち込んでいく愛莉に「ほら、もう寝ろ」と言って寝かしつける。泣き疲れたのか、愛莉はすぐに寝てしまった。

 

音ちゃんがバイト先のドーソンに行くと、店長が棚卸でもないのに倉庫で書類をみつめていた。景にまたしてもレクチャーしてもらっているらしい。

聞けば、売れ筋商品はバックヤードの手前に置き、物流を改善しようとしているらしい。

しかし…それはいつもいつも、音ちゃんが店長に言っていたことだった。音ちゃんが言ったときには「時間がないから今度ね」と言っていたのに、景から言われたらやるなんて…!

と怒ると、店長は「あ!お客さんだ…」と言って店頭に逃げて行った。

「ちゃんとわかってると思って感心しました」

「働いてれば普通ですよ。これ人気商品なので降ろしますね」と言って段ボールに手をかける音ちゃん。想像していたよりも重くて、落としそうになってしまう。

「大丈夫!?」とっさに景が手伝ってくれるが、手が重なり合ってしまう。とっさに手を放す音ちゃん。段ボールは、景の足の上に落下した…。

 

とても痛そうに足先をさする景…。「ご、ごめんなさい…。」景は、一応大丈夫らしい。

音ちゃんはその流れで、家からハルトが出て行ったことを告げる。

「だからこのコンビニに来ても無駄ですよ」と付け加えると、景から「確かに。しかし…気になら頼まれたことを途中で投げ出すんですか?」と正論を返されてしまった。

嫌な感じもしないし、何より正しい…。

 

音ちゃんはバックヤードの整頓をしつつ「孤児って、本当なんですか?」と聞いてみる。

「ハルトくんに聞いたの?そう。7歳の時に母親が亡くなって、里親を転々としたよ。勉強させてくれる家はあまり無くてね。貧困から這い上がるには学ぶしかなかった。

大学に飛び級で入学して、豊かな家庭で育った友人にも出逢ったよ。自分の境遇に驚かれたりもしたけど、生まれたときはみんな何も持っていないものだしね。

俺は母親がいて、7歳までの思い出があって。アメリカの行政のおかげで今日まで生きてこられた。

幸せの価値観は人それぞれなんだよ。音さん、君にはこの意味が…わかるでしょ。」

 

景の言葉は、以前音ちゃんが愛莉に話したことと同じようなことだった。

『なんだろう、この感覚…。パズルのピースが合うみたい…』

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花のち晴れ 9巻 感想

ハルトとの遭難

シュノーケリング行ったら死にそうになるって…超嫌…。つくしの時は、カナダについてきたいじめっ子たちが「優紀ちゃんはスキーをしに行った」とか嘘ついて吹雪の中に行かせたんだよね。

んで道明寺が来てくれて、雪の中で身体を温め合い…!という展開。お決まりだとわかっているけどもすごく面白かった。そして花沢類がめちゃ怒ってるのが良かった。類好きだよ、類。

音ちゃんとハルトにはそういえば危機的状況って無かった…しね。天馬くんと音ちゃんは愛莉に閉じ込められたけど、命がかかってる雰囲気ではなかったし。

今の英徳学園では大きいいじめは無いから命の心配も、貞操の心配も無い。時代のせいもあるけど、花より男子のいじめはきっついよね。

ハルトと音ちゃんはあくまで事故だけど…業者ひどいよなぁ。「30分後って言いました!」って言うけど…言っただけやん‥‥せめて人数数えるとか点呼とるとかあるじゃん。

「時間に間に合わない人はどんどん置いていきます」ってシュノーケリングですること無いよね。海斗も言ってたけど人殺しやで。

まぁ、それをきっかけにして音ちゃんとハルトの関係は少し変わっていくんだけどね。

音ちゃんが意識がなくなって沈む前に言う事がハルトへの謝罪だもんな…。ハルトの中でも待っていたことはトラウマだけど、音ちゃんの中でも大きなこととして残ってる。悲しい。

天馬くんもフラれたけど超音ちゃんのこと心配してるのが、ホンット良い奴。もう超良い奴。どこまでも天馬くん。かっこいいわ~~!フラれてもかっこいい!

愛莉の次の恋

まさか愛莉が天馬くんを好きになるとは思わなかったな。愛莉が天馬くんを好きになったのは…船の上で天馬くんと音ちゃんを閉じ込めたことを謝っ…てはいないけど告白した時かな?

音ちゃんが愛莉とのことをたくさん天馬くんに話したから、「大好きだから!」という愛莉の言葉も信じてくれる。

かつて自分を閉じ込めた相手だけど、音ちゃんが許しているし音ちゃんの友達だからこそお礼を言う天馬くん。だから天馬くんを好きになったんだろうか。

愛莉って…なんとなくだけど男のハードルがめちゃ高そう。金も持ってないとダメだし、もちろん顔も良くないとダメっぽそう。

天馬くんはこの2つは既に楽々クリアーしてるし、何より性格が良い。愛莉と天馬くんって知り合って24時間以下だよね。累計しても24時間以下。

それでも好きって…一目惚れ的な??恋に恋してる的な??

音ちゃんのことを想う天馬くんを見て、「私もそんな風に想われたい」って思ったのかな?ハルトとは一緒に寝られるけど、天馬くんとは無理だろうなぁw

ずーーーーっとハルトが好きで、ずーーーっとハルトと一緒だったから、普通の恋愛どうやったらいいか全然わからないんだろうな。

恋に恋してそうだけど、そんな愛莉もかわいい。愛莉は…海斗とか良いと思うんだけどな!海斗は嫌がりそうだけどw

愛莉の中で、海斗・杉丸・一茶は幼なじみすぎて嫌なのかしらw対象外になってそう。しかし!そこから恋愛始まったら、ウマい!

神楽木家の養子の、景・ウインザー

新キャラ来ました~~~!ハルトと音ちゃんが一緒の家で過ごすためのキャラと言ってもいいかもしれない!

花より男子の時には、つくしの家が貧乏だったり道明寺家でのこととかで色々あって一緒に寝たりとか家に行ったりがあったけど、花のち晴れでは無かったからね。

景くんね…。うん…。まぁ~~性格悪そう。元孤児で、頭が良くて大学も飛び級で、マーケティングの相談役もやってる。

いやいやいや…すごいシンデレラストーリーじゃん。それで神楽木家の養子にもなって…欲しいものをどんどん手に入れてるじゃないか。映画化しちゃうぜ。

10巻できっと出てくるけど、この景くんはもちろん裏があるんだわ。9巻に無いから書かないけど。もちろん花より男子読んでた人ならわかると思うwきっとそれで大体合ってるよ!!

追い出されるハルト

桃乃園学院と仲良くしたから追い出すって…ハルトの父ちゃん嫌な奴だな~~~~。

ライバルは蹴落とすのが普通って…普通でも無いじゃん…。味方にした方が有利なこともあると思うんだけど。悟空だってベジータ仲間にしたし←

ハルトの父ちゃんはいつもハルトをテストしていたのか。テストして、完璧な息子なのか確認していた。

ハルトのお父さんも…もしかして父親から「完璧」を求められていたのかな?だから自分の息子にも同じことを??悲しみの連鎖なのか??

それとも「私の息子なんだから!」という謎の自信??どちらであっても「うるせーよ!」という感想しか出てこないけど。

小林が泣きながらハルトを締め出すのが…読んでいて辛い。一番大事にしてるだろうに。電話をたくさんしてたのは、内緒で教えようとしていたんだろうか。

追い出されたおかげで、ハルトは音ちゃんちに泊まることができたんだけどね!!!

タクシーの運転手さんにメモ渡したこともここで発覚したし。カキ色ってなんだよ…。わからないなら聞けよな。知ったかひどいぜ。仕方ないけども…。

あのふすま開けて抱きしめて欲しかった。ハルトの好きな道明寺ならきっと抱きしめていたと思うんだけどね!!!!!

花沢類の言葉を思い出せよ!!道明寺司は野性なんだぞ!何度フラれてもガンガン行くんだよ!!

あの橋で待ってたことがトラウマになるところが、ハルトと道明寺の違いなのかな。というか…道明寺なら「待つ」ってしなさそうだな…。いや、待つか…?冬に4時間くらい待ってたこともあったしなぁ…。

次巻の予告でもあるけど、ハルトと音ちゃんはまだまだ揉めるんですよ。でも大丈夫。ジャンプ+で最新話を見たらわかるよ!!

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