凪のお暇 2巻_R

鈴林です。凪のお暇2巻のネタバレと感想です。

凪のお暇がこんなに面白いなんて知らなかった! これは確かに共感する人が多い作品だろうと思う。2巻の表紙は凪ちゃんとしては良いものじゃないけど…展開に期待。

そして7月から始まるドラマにも期待。

凪のお暇 ネタバレ 2巻

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凪のお暇 2巻 ネタバレ

七円め 7話 凪、露知らず

『最初は見た目から入った。昔からまっすぐでサラサラのロングヘアーに弱いんだ。

だから声かけたきっかけもそれ』

 

慎二は凪が働いていた部署の足立や同僚たちに会社の外で話しかけられた。

最近慎二が足立たちの課に顔を出さないことについて言われる。

何かと忙しかった、と答えた慎二だが本当は「凪がいないのに行く必要が無い」から行っていなかった。

 

足立たち3人はこれからランチに向かうのだと言う。

1人とても疲れたような顔で後ろからついて行く織部(おりべ)に、慎二は声をかけた。

 

話を聞くと「辞めた子」の仕事を引き継いだそうなのだが、すごい量だったらしい。

 

「いつもニコニコしてたからこんなに大変とは思わなくて。

ていうか私たちその子が余裕そうだったからちょいちょい仕事押し付けたりしてたのね。

それでもニコニコこなしてて。

今思えば大島さんってすごい子だったのかも。

いなくなって今更身に染みてる」

 

織部に言われた言葉を思い出しながら、髪を真っすぐ下ろした凪に似た後ろ姿の女性を目で追ってしまう慎二。

 

慎二は営業先でライバル会社かA社かで迷う担当者と上手く話をつけた。

担当者の心を上手く突いて、結局値段を落とさず親交を深めることができた。

 

慎二は昔から空気を読むのは得意だった。

相手が何をして何を言って欲しいのかすぐにわかった。しかしそこに慎二自身の誠意や懇意というものは存在しない。

 

『空気を読むって

相手にとって都合がいい酸素になるってことだから。

そこに俺はいない。もうずっとそうだった。

 

だからいつも空気を読もうと必死で笑顔貼り付けていっぱいいっぱいになっているあいつを見て

あ、こいつ超人間じゃん って思った』

 

慎二はその日、取引先の受付嬢カナちゃんの家に向かった。

慎二にとって髪はとても大事だった。同じような女なら、顔をキレイにしてて髪が傷んだ女よりも

顔はそのままでも髪をキレイにしている女の方が断然良かった。

 

カナちゃんは「急だったから簡単なのしか作れなかったんだけど」と言って豪華な料理が並ぶテーブルを見せる。

しかし慎二はゴミ箱に捨ててある容器を見て

『オールデパ地下かぁ』

とすぐに見抜いた。

 

サラダにかけるドレッシング一つでも、凪のことを思い出す。

デパ地下のご飯を食べていても、凪の作る貧乏くさい節約メシの味を思い出した。

結局慎二は、カナちゃんの家には泊らず自分の家に帰宅した。

 

『なんでここまであいつに囚われているんだ?』

 

思い返せば付き合いたてのあの朝。

慎二の部屋でのことだった。

 

凪が起きたことで慎二も一緒に目覚めてしまったが、隣から起き上がったのはまるでメデューサのような髪をした女だった。

時間は朝4時。

何か袋を持って洗面所へ向かう凪。何をこそこそしているのかとこっそりと後をつけると…

アイロンやヘアケアアイテムを使って、なんとかひどいくせ毛をまっすぐにしようとしている凪がいた。

 

『いつもこうやって、俺が起きる前に必死に整えて

うっわーめっちゃ健気。すっげぇ可愛い。

えーーーーマジかーーーー。えーーーー好きーーーー。

俄然守りてぇーーーてか一生守るーーーー』

 

そう固く心に誓っていたが、凪は過呼吸になって倒れ。

そして凪のケアをできないまま3連続で出張が続いた慎二。

電話はメールでなく、しっかり顔を見て謝ろうと思っていたが…戻ってみると家はもぬけの空で

会社も辞め連絡手段も断たれていた。

 

何とか手に入れた新住所を訪ね、やっと謝ることができると思ったら

『知らない男にそんな屈託ない笑顔見せてんなよ。

しかもその頭なんだよ』

 

 

「だからってブス呼ばわりはダメーーー。

それ女の子に言っちゃいけないワード、万国共通ナンバー1だよー。

しかもガモちゃんわかってて言ったなー?」

 

慎二は会社の付き合いで行ったキャバクラで知り合った夜の蝶、杏に凪とのことを相談していた。

 

「空気読むの得意とか言ってその子にはそんな辛辣なのー?」

「そっそれは…ホントに好きな子はついいじめたくなるっていう…」

 

「章?

ガモちゃーーん、成人してそんなこと言ってる奴事故物件だよー?」

「待って杏ちゃん! 俺の言い分も聞いて!」

 

慎二の言い分としては、自分のことも何もかも捨てたのがわかる今の凪の部屋を見てショックだったのだと言う。

変わる必要が無い。そのままでいい。

 

「不器用な摩耗していく素直なとこが良いんだよあいつは」

 

「とか言って、蹂躙しやすいまんまでいて欲しいだけだったりしてー

なんにせよ、復縁は無いね。変わりたい女と変わって欲しくない女。

お互いそっぽ向いちゃってるもん。

それに彼女が屈託ない笑顔を見せてた知らない男も気がかりー。お隣さんなんでしょ?

距離近くない?」

 

慎二は逆の意見だと言う。

隣の人は見た感じヤバイにおいのする男だった。凪の趣味ではないであろう、というのが慎二の考えだった。

 

「わかってないなぁ。

やばいニオイのするおとこは、これから冒険したい女にとってうってつけだよ?」

 

 

凪はその頃ベランダで、隣から伸びるゴーヤのつるを見て

『このままでも良いかな』

と1人赤くなっていた。

 

 

「我聞くんまた泣いてるの?」

「あーー大丈夫! お酒飲んで泣くところまでがデトックスっぽいからー」

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八円め 8話 凪、比べる

大島凪28歳、お暇中。無職に今日も朝がやって来た。

ごみを捨てようと廊下に出ると、右隣りに住むうららちゃんと一緒になる。うららちゃんは小学5年生だ。

じっと頭をみつめられ、「どーぞ」としゃがんで頭を差し出す。

うららちゃんは「わんちゃんみたい」と言って、凪のモジャモジャ頭を愛でてくれていた。今日もわふわふと楽しそうに撫でている。

 

ひとしきり撫でた後はドライなうららちゃんに戻る。

凪とうららちゃんはゴミを出すために一緒にすぐ近くのゴミ捨て場に行った。

うららちゃんの家は母子家庭。お母さんの仕事は朝早くて夜遅い。なかなか顔を合わせることができない。

 

一緒にゴミを捨て終わると、うららちゃんは

「げっ! ちょっと隠してもらっていいですか? クラスメイトです。

話合わなくて馴染めなくて」

と言って凪の後ろに隠れる。

 

凪は自分と似たところをうららちゃんに感じた。凪も昔はランドセルの群れに入っていくことができなかった。

うららちゃんの前で手を広げてばっと立つと、小学生たちが振り返る。

うららちゃんが居ることに気づいたようだった。

 

「はーめんどくさ」

とボソッと言って、うららちゃんはあっさりと群れの中に入っていった。

 

『勝手に既視感ごめん。

私がついうららちゃんと自分を重ねてしまうのは、私のうちも母子家庭だったからだ』

 

凪がうららちゃんの歳の頃はゴネてグズってひどかった。

仕事に行こうとするお母さんの服を掴み

「なんでいつも仕事行っちゃうの!! よそのおかあさんはおうちにいるのに!!

行っちゃヤダヤダヤダーー!」

と鳴いていた。

 

その度に

「よそはよそ、うちはうち!!」

ちおう伝家の宝刀でぶった切られた。

遊んでくれる友達もおらず、いつも狭い部屋で一人ぼっち。

おいしくないおやつのビスケットをかじっていたことを思い出す。

 

もし凪が子供の頃に出会っていたら、うららちゃんは自分とは友達になってくれないだろうと…凪はふと考えてしまった。

 

洗濯物を干していると、うららちゃんも洗濯物を干しているようでベランダで一緒になる。

髪をわふわふさせてあげることも忘れない。

 

うららちゃんが洗濯できることを「すごいね」と言うと、うららちゃんは達観したように

「家事は好きなんです。友達と遊んでるより性に合ってる気がします」

と物憂げに話し出した。

 

話が合わない、のだと言う。

魔法少女プリチュアの着せ替えゲームが流行っているが、何が楽しいかわからないと言う。

「現実の自分の姿は着の身着のままなのに」

 

うららちゃんの好きなことを聞くと、「あやとりです」と答えた。

あやとりの山→川→山→川を繰り返して精神統一をしている、という。凪が昔覚えた東京タワーをやってみせた。

 

「よかったら教えるよ」

「覚えて何の意味があるんですか? ほどけたら所詮ただの糸なのに」

 

あやとりを教えるつもりが、「あやとりとは儚いもの」という真理のようなものをうららちゃんに説かれてしまった凪。

うららちゃんは

「おやつ食べなきゃ。凪さんも良かったらどうですか。

カルシウム満点なんです」

と言って、ビスケットを差し出した。

 

それは子供の頃に凪が食べていたビスケットそのままだった。パッケージも子どもの頃のままだった。

それを伝えると

「それはよかったです。では宿題しなきゃなのでこれで」

と言って、うららちゃんは部屋に戻っていった。

 

「つれないよねぇ、うららちゃん。俺もなかなかかまってもらえないよー。

達観してるっていうのかな」

ゴンさんは会話を聞いていたのか、緑のカーテンから顔を出した。

 

凪も部屋に戻り、うららちゃんにもらったビスケットをかじる。

昔と味が変わっていなかった。

 

「よそはよそ、うちはうち」と唱えながら一人ぼっちで食べていたあのビスケットの味と同じだった。

ぼそぼそのごわごわでなかなか飲み込むことができない。

 

「いい? 凪。他人と自分を比べてうらやむなんて卑しいことなの。

そんなの心が貧しい証拠よ」

 

母はいつも凪にそう言って聞かせていた。

子供の頃の自分もうららちゃんのように達観できていたら、あの日の母の言葉を上手に飲み込むことができたのだろうか…と考える。

 

以前みつけたとても安い八百屋さん、「八百屋のアニキ」で白菜が一玉丸ごと安く買えた。

『しばらくこの白菜を使って食つなぐぞ~!』

とメニューを考えていると、うららちゃんがクラスメイトと一緒に帰っているのが見えた。

 

うららちゃんはとてもノリノリで

「変身!! くらえ! 愛と友情のプリチュアハリケーン!!

からのーっプチチュアキーーック」

と言ってプリチュアの真似をしていた。

クラスメイトからするといつもの光景なのか「またやってるー!!」と笑顔で見ている。

 

うららちゃんは友達に家に誘われたが、「お母さんとお菓子作る約束してるの!」と断っていた。

「えーまたぁ? お母さんと仲良いよねー!」と返すクラスメイト。

 

うららちゃんの家ではないマンションの前で、クラスメイトたちとバイバイする。

「今度うちにも遊びにきてね」

「飼ってるわんちゃんもなでさせてね!」

 

うららちゃんはクラスメイト達が帰った後、本当の家に戻ろうとしたところで凪とばったり会った。

 

「何か見ました?」

「う…ううん何も…」

2人は無言で帰宅した。

 

凪は深く考えず、洗濯物を取り込もうとベランダに行くと…うららちゃんが勢いよく窓を開け

 

「うそつきのクソガキって思ってます!?

絶対思ってますよね!!」

 

と真っ赤になって話し始めた。

 

「だって仕方ないじゃないですか。友達と一緒にいると比べちゃうんだもん。

よその子が持ってるゲーム、どうして私は買ってもらえないんだろう。どうして私はあやとりなんかしなくちゃいけないんだろう。

よその子は色んなお菓子が食べられるのに、うちは毎日同じおいしくないビスケットで

よそのうちではかわいいわんちゃんを飼えるけど、どうしてうちでは飼えないんだろう。

 

どうしてうちには、いってらっしゃいとおかえりを言ってくれるお母さんがいないんだろう

そうゆうのよそと比べて妬んじゃう自分がイヤなんだもん」

 

うららちゃんはベランダの手すりに身体を預け泣き始めた。

凪はかつて母から言われたことが頭をよぎる。

 

「比べちゃうのは仕方ないし、うららちゃんは絶対悪くないよ!!

だからギーーーっと歯を食いしばって、ちくしょーってひとしきり妬んだら

今目の前にある物の中で工夫して楽しんじゃうのはどうだろう!?」

 

凪はあのおいしくないビスケットは、牛乳をかけるとふやけて甘くおいしくなる、という工夫を教える。

そしてあやとりの毛糸を使って、かわいいポンポンアクセの作り方を教えた。

 

「今あるものの中でできるこういうたくさんの遊びを、

わんちゃんみたいな頭したお隣のおばさんとするのはどうだろう!?」

 

凪も真っ赤な顔で提案する。

 

うららちゃんはタッと走って部屋に戻った。

余計なことをしてしまったか…と後悔したがうららちゃんはすぐに戻って来た。

 

「ホントだ。牛乳かけたビスケットおいしい」

「だよねーーーーー!?」

 

凪は幼い頃の自分に戻ったような気持ちでそう言った。

 

牛乳は偉大だ、と感動しているとうららちゃんのお母さんが帰ってきたようだった。

うららちゃんが戻る前に凪は聞きたかった質問を恐る恐る聞いてみた。

 

「お…お母さんのこと、す、好き?」

「? 大好きだよっ! またね!」

 

うららちゃんは笑顔で戻っていった。

 

「そこは私と違っててよかったぁ」

と独り言を言うと隣から手が伸びてきて

 

ぽん

と頭をなでられた。ゴンさんはずっといたらしい。

うららちゃんにされるように、しばらくもふもふわふわふと頭を撫でられる。

 

翌日、うららちゃんの鍵にはあのポンポンがついていた。

凪は嬉しさで膝が震えた。

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九円め 9話 凪、もやもやする

ベランダでの一件以来、うららちゃんとの距離はぐっと縮まり我が家で遊ぶ仲にまでなった。

今日はうららちゃんに、簡単でかわいい毛糸のカラフルゴムの作り方を教えていて。

ピンポンが鳴り、見に行くとうららちゃんのお母さんだった。

 

「すみません! いっつもうちの子がお邪魔してしまって」

と頭を下げるうららちゃんのお母さん。

うららちゃんと作ったおやつをまだ食べていなかったので、お母さんも誘って一緒に食べることに。

 

今日のおやつは、土なべ丸ごと蒸したプリン。

おやつの材料費を払おうとするお母さんだったが、実はうららちゃんときっちり折半していた。

うららちゃんは「友情は対等でいたい主義」らしい。

 

うららちゃんはお母さんより早く食べ終わると「宿題してるね」と言って先に家に帰っていった。

 

「うららちゃんしっかりしてますよねぇ」

と笑顔でしみじみ言うと、うららちゃんのお母さんはずぅぅぅん、と暗くなってしまう。

 

うららちゃんのお母さんは、少し疲れてちょと非官邸になっているのかもしれない…と思うくらいに落ち込んでいた。

もっとしっかりしないといけない。亡くなった旦那さんの勤めていた会社での仕事ももっと要領よくこなさなければならない。

金銭的なゆとりも無いからうららにもきっとみじめな思いをさせているんだろう…と自分を責めていた。

 

と、少し前まで凪はそう思っていた。

 

しかしある日うららちゃんのお母さんが、学校のママたちによる

「何かをオブラートに包んだじんわりリンチ」をしているランチの現場に出くわしてしまった。

 

遠回しかつ親切で言っているかのような口ぶりで

「うららちゃんはやんちゃすぎて、うちの子が怪我をしてしまった。」

「役員会のバザーには必ず来い。必ず何か買え」

「仕事着でランチに来るなんてかっこ悪い」

という内容を話していた。

 

 

プップーーー

「なぁ、まだぁ!?

もうこの人連れてっていいすかね?

ぶっちゃけこっちは仕事わざわざ中抜けしてきてるんすよね。

ったく毎度くどくど長ぇんだよおばさんシンポジウム」

 

うららちゃんのお母さんは中村君、という工事現場の人に連れられていってしまった。

車の窓からずっとお母さんたちに謝ったままだった

 

うららちゃんのお母さん本人がいなくなったことで、ここぞとばかりに噴き出す悪口。上から目線。マウント。

「あんなガラの悪い人のいる職場に勤めているなんて信じられない。」

「謝りながらもドヤ顔だった」

「男を味方につけるのが上手よね」

「ああゆう人こそ手に職つけなくちゃダメ」

「給料だってたかが知れてる。資格取るなりしてもっと自立すべき」

「何よりうららちゃんがかわいそう」

「男に頼ってしか生きられない人ってイヤよねーーー」

 

 

凪はこっそりその会話を聞いてモヤモヤイライラしてしまった。

ストレス発散のために布団を丸めて、ペソペソ殴る。

 

うららちゃんを引き合いに出して正論武装のようにしているところがズルかった。

うららちゃんのお母さんが気に入らないだけのように聞こえて仕方なかった。

彼女たちは結婚しているのに、「男に頼ってしか生きられない人っていやよね」なんて言えた口なのかと、ずっともやもやとしていた。

段々と『結婚!! 結婚良いなぁ!!』と怒りの論点がずれていってしまう凪。

 

確かにお金は大事だ。預金残高を見ていると心が荒むし、未来を思うと震えてしまう。

それでも隣から聞こえる楽しそうな親子の会話。こんなに楽しそうな2人がいるのも事実だった。

 

 

ある日八百屋のアニキの帰りにうららちゃんに出会う。

一緒に帰ろうとすると、うららちゃんとよく一緒にいるクラスメイトとすれ違った。

しかし…何も言わずすれ違う。

 

「うららちゃんと仲良くしちゃダメだってお母さんに言われたんだって。

だからもうしゃべらないようにしてるの。

外では」

 

そう言ってうららちゃんは、手首につけた凪と一緒に作ったカラフルゴムを見せてくれた。

すれ違った2人もよく見ると手首にカラフルゴムをつけている。

 

「私たちは親が思ってるほど馬鹿じゃないから。

一緒にいて楽しい子を自分で考えて選べる。

外だと監視の目が光ってるから」

 

うららちゃんの話を聞いていると、以前うららちゃんのお母さんと一緒にランチを食べていたママさんたちと出会う。

 

「うららちゃんこんにちは~」

 

お母さんの代わりに買い物に行ってきたのをみつけ、それを皮切りに

「やっぱりお母さんの帰りは遅いの?」

「家事はほとんどうららちゃんが?」

「お部屋散らかったりしてない?」

「おいしいご飯は食べさせてもらってる?」

「困ったことがあったら何でも言ってね? おばちゃんたちうららちゃんたちの力になりたいの!」

 

とまくしたてる。それに対し、しっかりとお礼を言ううららちゃん。

凪は『どの口が言うのか』と寒気がした。

 

一緒に歩いていた凪を紹介すると、ママさんたちは凪に

「お隣さんだったら事情は離せるわよね。何か騒音とか聞こえたりしない?

ホラ虐待してる音だとか、ガラの悪い男性の出入りとか」

「彼女同じ母親としてちょっと信用できないところがあるから」

「私たちがそういうの見張ってあげなきゃって思ってるの」

 

「うららちゃんのためにも」

 

凪は怒りで手が震えた。

『すごいなぁ。

正論っぽくコーティングしてワイドショーみたいな下世話のオンパレード。

ほんとすごい。』

 

 

うららちゃんはその会話を聞いていないのか、工事現場の前で立ち止まり

「凪ちゃん知ってる? ここ新しくファッションビルが建つんだって」

と教えてくれる。

 

ママさん達も知っていて楽しみにしているらしい。

うららちゃんは工事現場に入るドアを開け

「この時間ならいるかな」

と中に入っていった。

 

「あっいた! おかーーーーさーーーーーーーん!!!」

 

中にはとても大きいクレーン車があって、とても高いところに資材を運んでいる途中だった。

そのクレーン車を動かしているのが、うららちゃんのお母さんだった。

 

「おかーーーさーーーーーーん!!」

「! うらら!?」

 

うららちゃんのお母さんは仕事をいったん止めて、うららちゃんのところにやって来た。

「久々にお母さんの勇姿を見たくて」とうららちゃんが言うと、お母さんは照れたように「何言ってるの、もーーー!」と返す。

 

一緒に入って来たママさんたちは突然のことに困惑しているようだった。

うららちゃんが「みんなここのビル建つの楽しみにしてるんだって」と教えると

うららちゃんのお母さんは笑顔で

「素敵なカフェやお洋服のテナントいっぱい入るらしいですよ!!

みんなの憩いの場になるといいですよね!」

とママさんたちに笑いかけた。

 

「職長ー!! 進行表の変更点確認お願いしまーす!」

前に中村君、と呼ばれた男性がうららちゃんのお母さんを読んだ。

 

うららちゃんのお母さんはそのまま仕事に戻っていった。

「すみません私これで。うらら、またあとでねー!」

 

 

「ね、凪ちゃん。うちのお母さん超かっこいいでしょ。

だから色々全然平気なの」

うららちゃんが笑顔で振り返る。

 

「うん、超かっこいい…」

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十円め 10話 凪、噛み合わず

うららちゃんのお母さんの一件以来街にあるクレーンに目が止まるようになった。

 

凪がクレーンを見上げている横で、実は慎二とすれ違っている。

慎二はスマホで地図を凝視していたので、凪とすれ違ったことに全く気付いていなかった。

 

凪はゴンさんと偶然出会い、慎二は気づかずにそのまま凪の家に向かう。

まだお昼ご飯を食べていない、とゴンさんに伝えると一緒にご飯を食べに行くことになった。

 

一方の慎二は誰もいない凪の部屋のピンポンを連打。

出張帰りで疲れた身体で、手土産まで持ってやってきたというのに「凪がいない」ということにイラついていた。

しかし夜の蝶たちの助言を思い出しクールダウンする。

 

夜の蝶からは

「ガモちゃんの本命に対して粘着質なとこ超引くーー」

「端的に言ってキモーーイ」

と言われていた。

 

落ち着いてドアの前に座る。時間を潰そうにも凪がいつ戻ってくるのかもわからない。困っていると…

気づくと、階段の方から映画好きのおばあちゃんがのぞき込んでいた。

※ここの絵がちょっと怖いw

 

慎二は営業スマイルを使い「大島さんの前の職場の友人」と自己紹介した。

おばあさんは凪は先ほど出かけたばかりだと伝える。

 

おばあさんは慎二の持っている北海道土産に目をつけた。

おばあさんは

「うちで映画でも観ていたらあっという間に時間が経つわ。

上映料はそのお土産白い恋人3枚でどう?」

と取引を持ちかける。

 

ちょうどDVDをレンタルしてきたばかりらしく、見る映画は

フランス18世紀身分違いの恋に悩むヒロインの濃厚なラブストーリー。

ここまで聞いても慎二は観る気が起きなかった。

 

「複雑な女心を描いた恋の参考書と名高いの!」

おばあさんのこの言葉で、夜の蝶からの助言を思い出す。

 

「ガモちゃんはもっと女心を勉強しなよー端的に言ってクソだよー」

 

 

凪はゴンさんのご飯がBBQと聞いて帰りたくなっていた。

ゴンさんの友達はイケイケパーリーピーポー。そんな人達と馴染めるわけがないと思っていると…

「平気平気、メンツ俺1人♪」

と言われる。

 

BBQエリアの隅にこじんまりと陣取り、ワンバーナーと缶詰や調味料を使って

材料費ワンコイン以下の節約BBQをすると言う。

 

「凪ちゃんこうゆうの好きかなって」

「…大好きです…!」

 

ゴンさんレシピによるツナ缶のっけトーストを食べおいしさに感動する凪。

 

「こんなBBQなら365日ウェルカムです!」

という言葉にひっかかり、ゴンさんは

「凪ちゃんってBBQに嫌な思い出でもあるの?」

と質問した。

 

凪は「そんな話止めましょう…」と断ったが、

「次の缶詰が煮えるまで聞かせてよ」と言われ、話すことにした。

 

昔付き合っていた彼氏、慎二に誘われ行ったBBQでやらかしてしまった思い出があった。

「友達とBBQに行くからお前も来いよ。

そこでお前の事紹介するから」

と言われ参加することに。

その友達というのが、小中高大学エスカレーター式の私立高繋がりの人達だったのだが選ばれし民たちのBBQ、とでも言うようにエリート高学歴美男美女たちが溢れていた。

 

凪は場違い感がすごく『何か間違っているんじゃないか!?』と内心ずっとビクビクしていた。

ネイルを褒められたので「自分でやってる」と言うと

「自分で爪やってる人初めて見た~!」

と言われ、住む世界が違うんだと思い知った。

 

しかし凪は頑張った。必死に野菜を切り、火を起こしている人たちを手伝い、テンションを上げようと何か言ったり、

生肉を食べてしまったり、お肉をどんどん焼いたりしていた。

 

そして必死になりすぎて空回りして、最後は隅で1人クズ野菜をつついていた凪。

そんな時酔った慎二の友達から

「ホントは慎二の彼女なんでしょ?」

と聞かれてしまう。

 

答えに困っていると、慎二の同級生でもある女性が

「もー! 変に絡むのやめなよね!

さっき慎二が違うって言ってたじゃない! そうゆう子と私たちに隠す奴じゃないでしょ」

と、凪に絡むよう酔った男性を止める。

 

助けを求めるように慎二を見る。目があったが、逸らされた。

 

『あ、私テストに落ちたんだ』

 

とそう思った。

その後の凪は炭となった野菜を噛み続けた…。

 

「たぶん凪ちゃんはさ、こんな風にその彼氏と青空の下でうまいもん食いたかっただけなんだろうね」

ゴンさんにそう言われ、そうだったような気がしてくる凪。

 

 

映画を観ている慎二は

「わっかんねーーーー!」と映画に文句を言っていた。

 

映画の主人公の女が、王子に好かれているというのに自分に自信を持たないことにイラついていた。

おばあさんは「そこが身分違いの恋の醍醐味なのよ」と言うが慎二は理解できない。

「わっかんねーー」とまた言う。

 

慎二が

「この王子もとっとと王族の奴らに女を会わせちゃえばイーじゃないすか。

結局2人の問題なんだから周り関係なくね?」

とツッコむと、おばあさんが

 

「ひょっとしてアナタ、自分の恋人をすぐ周りに紹介するタイプ?」

と当てていく。

 

慎二は歴代の彼女を毎回そうしているらしい。その方が色々と話が早いそうだ。

 

しかし一度しくじったことがあると言う。

 

「仲が良い奴らとのBBQで付き合った彼女のことを紹介するつもりだったけど、

当日に面子の1人が付き合ってた子にひどいフラれ方をしていたことが判明してとてもそんな空気じゃなくてお蔵になったっていうのがありましたね」

「その話は彼女にしてあげたの?」

 

とおばあさんが聞くと

 

「男同士のそうゆう内輪ノリ女に話すのかっこ悪いじゃないすか」

と当然のように言った。

 

「噛み合わない歯車ってセクシーよね」

 

 

 

 

2人でBBQに来ていた凪とゴンさんは公園の芝生の上で寝転んでいた。

寝転がった時に見えるラフテレーンクレーン車を見て、つい口に出してしまう凪。

うららちゃんのお母さんが乗っているのを見て、かっこよくてつい図書館で調べてしまった28歳。

 

凪は自分が何も見ていなかったことに気づいた。

「毎日答えあわせに必死過ぎて自分のことしか見てなかったんだなって。

だかわ今ワンコインでBBQができちゃうこととか、クレーン車の種類とか、

満腹で芝生に寝転がるのが気持ちいいとか、そういう新しいことを知れることがすごく嬉しいんです」

 

寝たままゴンさんに話す。

 

「やっぱ凪ちゃん面白いよ。そんで

かわいい」

 

公園の芝生の上にも関わらず、ゴンさんは押し倒すような体勢で凪の上に覆いかぶさった。

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十一円め 11話 凪、ババを引く

「え? え? ちょっ…冗談ですよね!_

ちょっ…ゴンさん待って…

めっちゃくちゃ人が見てます。」

 

「めっちゃくちゃ人が見てるねー」

 

蛭間から野外で押し倒すようなことをしたので、円形に人が集まってしまった。

 

「昼間の野外じゃなかったらアリだった?」

「からかうのやめてくださいってば」

 

困ったように笑って凪が言う。

 

時計を見て、

「あのゴンさん! よかったらこの後私の部屋に来ませんか?」

「いいけど。……いいの?」

 

「はい是非!」

『へーー。意外と奔放?』

と思いつつ、ゴンさんは「行く行くー」と返した。

 

 

慎二はおばあさんと映画を観終わっていた。

結局男女が2時間すれ違い続けて映画は終わった。そして主人公は最後にぽっと出の他の男とあっさりくっついてしまう。

そのラストに慎二は

「なんすかこの胸くそ悪い映画…!」

とイライラを隠せない。

 

「それは違うわ。我聞くん思い出して。

本編の中で相手の彼は結局一度も主人公に「好き」ってまっすぐに伝えていないの。

男女間の悲劇の引き金はいつだって『言葉足らず』。彼はだた素直に想いを伝えるだけでよかったのよ」

 

おばあさんが慎二に映画の解釈を伝えていると、凪たちが帰って来た音が聞こえる。

2人で下に降りると…

 

「げっ慎二!? また来たの!?」

 

凪はゴンさんと一緒だった。そして凪に言われた言葉で「素直に想いを伝えるだけで良かった」というさっきまでの教訓が吹っ飛んでしまう。

 

「そりゃ来るよー

お前のこと監視するって言ったじゃん。聞かせてよ、ミニマリストな新しい生活の話」

と言って凪の腕をつかむ。

 

「私これから予定があるから! こちらの103号室のゴンさんと私の部屋で101号室のうららちゃんと一緒にトランプするって約束してるの!」

 

「じゃあみんなでやれば良くね?」

 

大人数でやった方が楽しい、と慎二に押し切られ慎二とおばあさんも加えて5人でトランプすることになった。

慎二は持ち前のコミュ力の高さで、ゴンさんともうららちゃんとも映画好きのおばあさんとも仲良くなっていく。

 

『なにこれ せっかく新しく出会った人たちの空気が全部持ってかれる

こわい』

 

しかも凪は5連敗中だった。

凪が昔からこういうゲームに弱い、と言うと慎二が

「それってホットポテト理論のやつじゃね?」

と言い出す。

 

ホットポテトというのはアメリカのゲームで、集団で輪になって熱々のホットポテトに見立てたボールを回し最後に持っていた人が負けになるゲームがある。

こういうゲームは集団心理の無意識の中で、気が弱くて支配しやすい人のところにボールが回ってしまう…というのがホットポテト理論と言うらしい。

 

「つまりそうゆうの引き寄せる奴のとこにババ自体が空気読んで寄ってくんじゃねぇかって」

 

凪の手普にはババがあった。

慎二はまだ話し続ける。

 

ババを引く奴というのは虐げられている自分を積極的に受け入れている野ではないか、

実は自分でそんな自分にうっとりしているんじゃないか…と続けた。

 

確かに凪は昔からババを引くことが多く、その度どうしていつも自分ばっかり、思った。しかし仕方ないや、とも思っていた。

 

『それが全部積極的に自ら引き寄せてたって?

冗談じゃないよそんな理論!』

 

そう考えていたが、凪と慎二以外みんなあがってしまった。

 

「もしかしてこれで俺が勝ったらお前は結局変われないって証明になっちゃう?」

「わ…わたし負けないよ」

 

「は?」

 

『飲まれる。私はこの人のこの目が怖くて

何もかも見透かされる気がして委縮して

逸らして泳ぐ目できっとババの位置がバレてるんだ

いやだ

苦しい

苦しい』

 

 

「でもさ、さっき言ってたホッとポテト、俺んとこ来たらたぶん食っちゃうな。

うまいもん、アツアツのポテト。」

 

ゴンさんのふっと出たような言葉を聞いて、つい噴き出してしまう凪。

「そうですよね。おいもおいしいですよね、あはははは!」

「うん、イモうまいよねぇ」

 

『そうだ。そうだ私は、変わるんだ!!』

凪はきっと慎二を見返す。

 

「は? 何ガンくれてんだコラ」

 

「気が弱くて支配しやすい私はもう終わりだよ。

今後は笑っちゃうくらい臨戦態勢で行くよ!

だからもうその目から逃げない」

 

凪は戦う視線だが、慎二は冷たい目で「ああ、そうかよ」と返した。

 

慎二は凪が持っているババを引いた。

『や、やったあああああ!』

と喜ぶが、

 

「あっ ちょっと待て。

ババ俺も持ってんだけど」

と2枚揃ったババをべろっと見せる。

 

おばあさんはババを2枚とも入れてしまっていたらしい。

ゴンさんは実は2枚ずつ入っていることに気づいていたらしいが、白熱していたために言い出せなかったらしい。

 

おばあさんは

「お詫びと言ってはなんだけど、お芋ふかしてきたのよ」

と言ってまるごとじゃがバターをお鍋に入れて持ってきてくれた。

うららちゃんも手伝ってくれたらしい。

 

慎二以外がおばあさんに集まる。

 

「さむ。

すみません、用事思い出したんで帰ります。あ、そうだ。俺苦手なんすよね。

仲良しこよしアットホームごっこして、ハイ! 私たちいまほっこりしてますよーってやってる奴ら。

そうゆうの反吐が出ます。

てなわけで失礼しまーす」

 

慎二は最低なことを言って部屋を出て行った。

凪はすぐみんなに謝る。

ゴンさんが「良いの? 行っちゃったけど」と気遣ってくれるが、凪は「仕事ついでにからかいに来ただけだからいいんです」と返した。

 

おばあさんは

「でも何時間も前からうちであなたのこと待ってたのよ。このお土産もあなたにって。

あと、彼がリサーチに来たって言ってたビル今日定休日よ」

と教えてくれた。

 

凪は慎二を追いかける。

駅まで送っていく、と言うが慎二は「いーよ道覚えたから」と断った。

凪はお土産についてお礼を言った。

 

「あのさ、お土産ありがとう。もしかして私がこれ好きって覚えててくれたの?」

しかし慎二はちゃんと聞いていなかった。

 

『あいつの一言で明らかにこいつの空気が変わった。

あんなほどけた顔しやがって。』

 

そして映画を一緒に見た時のおばあさんの言葉がまた甦る。

 

『ただ俺ずっとお前の顔が見たかったんだよ』

と言おうとしたが、ベランダで一服するゴンさんが慎二に手を振った。

凪からはゴンさんは背中の位置に居るので見えない。

 

ゴンさんに手を振られ、イラっとした慎二は

凪の手を引き強引にキスをした。

 

「ありゃあ」

タバコを吸いながら、ゴンさんはすごいものを見てしまった。

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十二円め 12話 凪、かえりみる

『たった一度だけ話した好物を覚えててくれたことが嬉しくて

もしかしたらただ会いに来てくれたのかもと浮ついたのが良くなかった。

 

だから余計に、馬鹿にしないでよって血が沸いた』

 

凪はキスされた後、慎二にビンタをお見舞いした。

 

慎二は凪にぶたれたところに湿布を貼り、会社のみんなには自転車で転んだと伝えていた。

 

慎二とのことを坂本さんに話すと坂本さんは

 

「少女マンガじゃないですか……っ

突然のキスにビンタで応戦とか!! 来月号めちゃくちゃ楽しみなやつ!!」

と公園でとても興奮してしまっていた。

 

坂本さんがあまりも興奮してしまったので、お茶とお菓子でほっと一息つく。

 

坂本さんは「大島さんの事がホントは大好きなツンデレ元カレさん」というのが慎二の印象だったが

凪は「ホントにそういうんじゃないんです」と説明を始める。

 

会社の人に凪と会うのはアッチが良いからだけだと話しているのを聞いたことがある、という話や

引っ越してから突然会いに来た時も話半分でそういうことに持ち込もうとした…という話をすると坂本さんは絶句していた。

 

「今回のことでやっぱりこの人ヤりたいだけなんだって確信した、というか

もう虚しくて…」

と凪が言うと、坂本さんは「この後お時間ありますか!?」と凪を婚活パーティーに引っ張り出した。

 

「大島さんに必要なのはきっと新しい出会いです!

ここで素敵な人を見つけてクソみたいな元カレを見返してやりましょう!!」

 

日を改めよう、この服ではちょっと…など言っても坂本さんは「大丈夫です!」と引かず…

お金も「いつものお礼にここはゴチソウさせてください♡」と、とても強引だった。

 

凪はこういった場が本当に苦手だったが…もう会場に入ってしまった。

男女ともにすごい人数が集まっている。

 

その中に…以前の会社で同じ課だった足立さんがいた。※名刺のデータ化を押し付けてきた奴。

 

『あれ? でもなんか雰囲気違う? 他人の空似…?

いや間違いない! 最悪だよ元会社の人にこんなとこで会うなんて…!』

 

と考えていると婚活パーティーはどんどんと進んでいく。

エントリーシートには男性の年収なども書いてある。

 

凪は本当にこういう場が苦手だった。自分のことを面白おかしく話すこともできず、一方的に相手の話を聞くことしかできない。

間がもたないのが怖いので、とにかく笑って相槌を打つしかできない。

 

すると…

『チョロそうな女、ということに安心した人たちが寄ってきてしまうの』

 

グイグイと迫る男性たち。凪は一言も話していないが「君が話していて一番安心した」などと言って近づいてくる。

坂本さんに助けを求めて視線を送るが、グッとしか返してこない。

 

連絡先を無理矢理交換されそうになっていると足立さんが

「連絡先交換はカップリングが成立した人たちのみって規定があったはずですけど」

と間に入って助けてくれる。

 

「スタッフに報告しますけど」と言われ、男性たちは散っていった。

 

「あなたもねぇ、嫌ならはっきり言わなきゃ…

大島さん!?」

 

その後、足立さんと凪と坂本さんは喫茶店に入った。

 

「仕事辞めて婚活にジョブチェンジって感じ? 婚活パーティーよく行くの?」

と言われ友達に連れてきてもらったこと、そして坂本さんのことを紹介する。

安達さんは何度か参加しているらしい。

 

凪が昔と雰囲気が全然違うこと、そして見た目が変わってもああやって男がわーっと寄ってきてしまうところが変わらないこと…など話が続く。

凪は愛想が良く断ることができないので、会社の子たちが一丸となってガードしていたらしい。

 

その話を聞いて「昔からあんな風にモテモテだったんですね!」と目をキラキラさせる坂本さん。

「あれはモテとかではなくて…もっとその…」

 

「ぶっちゃけ下に見られちゃってるのよね。」

足立さんがはっきり言う。

 

「そういう男に私ははじかれちゃうのよね。話してると自分の世界観がガッツリあって、刺しにくい女だとバレちゃうみたい。

こじらせ女のモテは遠いよーー」

 

そしてSNSで回ってきたという「童貞を殺す服」の画像を2人に見せる。

 

「会社の子たちと無いわーって笑っててさ。

今日いた男ってこういうテンプレで殺されそうじゃない? ホント浅ましいというか。

自分の顔とエントリーシートの職業と年収見直してから来いって感じ。

そんなヤりたいだけの男に寄ってこられても、私は切ないかなーー」

 

遠回しに凪のことをチクチクと攻撃する足立さん。

 

『なんで? なんで会社やめてまでこんな風に何かを搾取されなくちゃいけないの?

ふざけんなよ』

 

 

凪はあせをかきながらも言い返す。

 

「じゃあなんで今日のそんなに肩出してるの?

雰囲気違っててびっくりしたのはこっちもだよ。もっと媚びないカジュアルって印象だったし。

もしかして会社帰りにわざわざ着替えたの? すごいガッツ! なのに収穫無いのはちょっと切ないね。

 

でもエントリーシート見つめ直してから来いだなんて、さすが強気だなぁ」

 

足立さんは驚きつつも応戦した。

 

「当たり前じゃない。突っ込むだけの男じゃないのよ。

こっちは受け入れる側なんだから強気で行くべきでしょ」

 

「それだけどさぁ、男の人だって誰でも良いわけじゃなくないかな?

自意識高くてこじらせた女性わざわざほぐして入れるの面倒そうだし、向こうだって足立さんがしたように

最低限の線引きはしてると思うけど。

 

それにエントリーシート見直して来いってことは、職業や年収が良いならOKってこと?

その人の肩書によっては抱かれちゃうってことだよね?

それって露出の多い服ってだけで寄ってく男と同じくらい浅ましくない?」

 

凪は愛想笑いの笑顔で言ってのけた。

 

赤くなって固まる足立さんを見て、凪は胸のすく想いがした。

そして同時に自分の言葉がブーメランのように自分に返ってきていた。

 

彼らのエントリーシートを見た時、職業や年収を見た時、

『あ、この人達慎二より下だ』

って、そう思った。

 

血が凍った。

 

「だけど、浅ましいのは私もです…」

 

『ヤりたいだけの男も、肩書に抱かれたい女も責められない。

その証拠に、慎二のどこが好きだったか、ひとつも思い出せない。』

 

番外編1と2 とラストの4コマ

番外編1は、凪が拾った扇風機目線での凪の生活。

畳みのそうじをするときのコツとかが載ってる。お茶っ葉の残りの活用方法が色々とわかる。あと凪ちゃんが幸せそうw

 

番外編2は、同じく扇風機目線の生活。お金をかけずにできる全身運動の紹介。

凪ちゃん…スタイル良いな。

ラストの4コマは凪ちゃんのOL時代の闇の日々が描かれてる。辛そう…。

でも確かに髪が真っ直ぐなのかわいい。あと胸がデカい。

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凪のお暇 2巻 感想

今回もめちゃくちゃ良かった

勝手な偏見だけど、少年誌以外で連載しているマンガってなんとなく…なんとなく

「あんまり面白くないのではないか?」

という印象を持ってるんだけど、凪のお暇読んで

鈴林
そんな考え持っててごめん

と思えるわ。

いやーーーーーめっちゃ面白かったーーーー。楽しい~~~~~!

 

割と平和になってきているけど、慎二という負の火種とゴンさんというプラスの火種がくすぶっているからこれからどうなるのかーーー!

慎二という負の火種

慎二の「すっごい可愛いじゃん」のところはネット広告で見たことある部分だ。

慎二は凪がくせ毛だったことを知ってたんだ。

というか凪は慎二の部屋に泊まるような時も髪のセット関連の物を買ったり持って行ったりして、なんとかくせ毛を真っすぐにしようといつもいつも努力してたんだ…。

確かに健気。そこまで頑張らなくてもいいんじゃないの? とすら思ってしまう。

でも凪の中で、会社の人や彼氏の慎二と会う時は真っすぐにしなきゃという思いがあったんだろうな。

凪ちゃんがくせ毛だと知って、守って行こうとまで思っていたのにこいつは…。

 

ホントどうしようもねーな。

 

夜の蝶である杏ちゃんがはっきり言ってくれててすごくスッキリした。もっと言ってやって欲しい。

凪ちゃんを友達に紹介するBBQでも、紹介しない理由についてちゃんと言えばいいし「凪は俺の彼女だよ」って言っても良かったのに。

言わないから、凪ちゃんは余計に傷ついてしまった。知っている人が1人しかいないBBQで色んな仕事をずっと頑張って、野菜のコゲをずっと食べないといけないBBQなんて苦痛だわ。

そんなこともわからず、会社では凪ちゃんのことをボロクソに言って「守りたかった」なんて、都合がいいにも程がある。

 

凪ちゃんを好きなのは良いとしてもその表し方がとても子供だ。凪ちゃんの上に住んでいるおばあちゃんと一緒に映画を観たのは良い経験だと思う。

おばあちゃんの助言は突っ込みすぎず、そしてさりげない感じの助言でとても良いと思うわ。

 

慎二はもっと思っていることを言えばよかったのに。映画でフラれた男のように、はっきりと「好きだ」とも言わず大事なことは何も言わず凪ちゃんを落とし続けた。

そんなことばかりしてきたのに「俺の気持ちくらい空気読んでよ」というのは、あまりにも勝手。

 

空気を読んで答える、とすることで「空気になる」と考えているのは悲しいことではあるけども…凪ちゃんに仲間意識を感じたのなら…杏ちゃんに話すことができたのなら凪ちゃん本人にも言って良かったんじゃないだろうか。

色々と勝手なんだよなぁ~。

杏ちゃんの言う通り復縁は難しい気がする。慎二のすることが全て空回りというか、裏目に出ている。

 

凪ちゃんにとって慎二は「辛かった時の過去の自分を象徴するもの」であり、慎二にとって凪ちゃんは「大事な守りたい存在」。

でもそのくせ他の人の前だと、凪ちゃんのことを貶めるような発言をして持ち前の人当りの良さで周りの人も巻き込むからなぁ~~~!

ホントもう!! ゴンさんもちょっと軽くてどうかな…? とは思うけど、今のところ慎二より良いわ。

うららちゃん親子

うららちゃんと凪ちゃんが仲良くなれて読んでいてうれしいわ~。

 

うららちゃんは大人に見せる顔と同年代に見せる顔を使い分けているのかな。とても賢い子だと思う。お父さんが亡くなったのは病気っぽいけど、お母さんが大好きで良かった。

うららちゃんのお母さんは、とてもかっこいい人だ。

工事現場で強そうなおじさん達の上に立って堂々と働いている。そしてすごい大きなクレーンを動かすことができて、新しくできるファッションビルの未来を想像してわくわくしている。

凪ちゃんの家にうららちゃんがよく遊びに行くことについても、とても好意的に受け止めているのが嬉しい。

 

凪ちゃん…無職だし。今は休んでるだけだけど、知らない人から見たら凪ちゃんは怪しい人に見えるのかもしれない。

でもうららちゃんと遊んでくれる凪ちゃんについて悪く思って無さそうで良かった。

 

うららちゃんのお母さんたちのマウントは…女あるあるだけどコレは怖いわ。なんだあれ。

仕事の途中のお母さんに対して、「~したい」とか「うららちゃんがかわいそう」とか。本当に可哀想だと思うのなら、うららちゃんのお母さんが働かなくても良いようなお金くれよ。

口だけ色々言って文句言って、「男はうららちゃんのお母さんに弱い」とか他人のせいにして。凪ちゃんのようにあたしもイライラした。

 

資格がどうとか、自立がどうとか言っていたけどうららちゃんのお母さんはしっかり働いてた。あのお母さんたちの誰よりも自立していると思う。

 

うららちゃんが家で寂しくなるのもわかる。

他の子は家に帰ればおかあさんが待っててくれて「おかえり」と言ってくれて、欲しい物にも食べる物にもほぼ制限が無い。

でも自分が帰宅しても家にはお母さんはいないし、おやつもいつも同じビスケット。

うらやましくなるのもわかる。

 

あの子はあんなに良いのに、どうして自分には…って比べてしまうのは仕方ない。でもそれはうららちゃんのせいじゃない。

辛いこと言えばうららちゃんのお母さんのせい…だけど、それもうららちゃんたちが生きていくためには必要なこと。

でもうららちゃんには他の子と違って、アパートのお隣さんや上の階に住んでいるおばあちゃんがいる。だから楽しく過ごせる。

うららちゃんだって他の人に無いものを持ってる。

 

親が考えるよりも頭の良い子供たちだし、羨むことは無いし羨んだとしてもそれは悪い事でもない。

足立さんのマウント

相手を落として気持ちが良いのは、理解できる。論破、じゃないけど言い負かすことができるのって楽しいよね。

婚活パーティに行って、断るのがつらくてたくさんの人に群がられてしまうのも…わかる。チョロそうだと思われてるん…だろうね。

足立さんの言うことも…わかるんだけどさーーー。

 

攻撃が過ぎる。あと恩着せがましい。

「私はこんな視点からあなたのことを見ているんだけど、あなたってこんなにダメね?」

みたいなことを、会社辞めた元同僚にどうして言われないといけないのか。

 

凪の反論めちゃスッとした。よく言ったよ!!

そして色々と言った後にちゃんと自分のことも省みることができるのは偉いしすごい。あんな風にできる人いない。あたしはできている自信が無い。

 

男が欲しくて、結婚相手が欲しくて婚活パーティーに参加したのに「がっついてないです」アピールして。

でも服装はとてもがっついてて。相手の男を年収や肩書、見た目で判断して。

男も女も浅ましさを出してしまうのが婚活パーティーなのかも…しれない。行ったことないけども。

 

凪ちゃんは人間が良いよね。とてもいい。

凪ちゃんは実はすごいかも

凪ちゃんの仕事を引き継いだ奴が仕事辛そうでざまぁ!! と思ってしまった。

同僚なのに凪ちゃんがどんな仕事してるのか、どれくらい任されているのか把握してなかったのかよ。

笑っているから楽だと思ったって。見通し甘すぎ子供かっつーの。

 

量が多くてとても大変。なのに凪ちゃんに仕事を押し付けていた狡さに今更気づくなんて…ずっと後悔して欲しいわ。

お前らが好き勝手に仕事を押し付けたり便利屋扱いしたり、サンドバックにするから凪ちゃんは辞めたんだよ。辞めないといけないくらいになったんだよ。

 

凪ちゃんもっと幸せになって欲しいなーーー。お金が定期的に入ってくるようになって、かつ幸せになって欲しい!

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