鈴林です。花のち晴れ2巻の感想とネタバレを書いていきます。

花のち晴れはジャンプ+でも読んだし、単行本買ったのも前だしもう何回か読んでる。でも読み始めるとやっぱり面白いんだよね~。花より男子も、流れとかを覚えていても一度読み始めると、どんどん次が読みたくなるけどあれに近い。本当に神尾葉子さんの漫画って面白いわ~。

同じ作者さんだし、きっとわざと「花より男子」に寄せているところもあるんだけど…それでも面白い!好き!!この2巻も花より男子を知っていれば「お、このシーンは…?」と感じる部分が多いはずw

花のち晴れ ネタバレ 2巻

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花のち晴れ 2巻 ネタバレ

第7花

音ちゃんに「いいなずけがいるの。18になったら結婚する」と道明寺家の庭で言われるハルト。ハルトは「結婚する」という突然の言葉に驚いて「けっこん?」としか返すことができなかった。

音ちゃんは自分のしている話がそれくらいに驚かれるものだというのを知っているのか、表情を変えずに淡々と言葉を続ける。「だから、あと1年半英徳から私を追い出さないで。お願いします」そう言って頭を下げる。

音ちゃんは「大事なところに入ってきちゃってごめん」と、ハルトの聖域でもある道明寺家の庭に一緒に入ってしまったことを詫びた。

しかしハルトはそれどころではなかった。「結婚」と言われた時から、ドッドッと心臓が早く鳴っている。言葉も出ない。心臓の音だけがよく聞こえる。ハルトが混乱していると、音ちゃんは先に帰るとハルトに告げて、道明寺家の門のところまで走って行く。

音ちゃんの後ろ姿を見て、ハルトは「江戸川!!」と声を絞り出した。振り返る音ちゃん。振り返った音ちゃんと目が合って、またハルトの心臓は大きな音を立てて鳴りだした。

「お前、ダセェな!言いなりで、自分の意志とか無いのかよ。カッコわりい!結婚相手に貧困生活救ってもらうなんて、ひどい人生だな!悲惨すぎ!」

ハルトは笑いながらひどい言葉を続ける。ハルト自身も、止められなかった。傍で見ていたタマさんも、ハルトの暴言に驚いている。

言われた音ちゃん自身は、大きく表情を変えなかった。ただ、驚きつつも悲しい顔をするだけ。

「言われなくてもわかってる。でもそのひどい人生には、あんたは1ミリも関係ないでしょう」

そう冷たく言い捨てて、音ちゃんは帰って行った。その場に残されたのはタマさんとハルトだけ。タマさんは、「全く若い男ってやつは!!謝ってからまたおいで!」と言って屋敷に戻って行った。

タマさんに「謝ってから」と言われたハルトだったが、ハルトには謝る必要性が感じられなかった。確かに音ちゃんの言う通り、1ミリどころか全く関係ない。今日のパンケーキだって、食べられないだろうと思って、あわれんで連れてきただけ。そもそもそのパンケーキだって、いいなずけに連れてきてもらえばよかったのだ。

ハルトはここまで考えて『バカバカしいふざけんな!』と憤った。そして「いいなずけ」という言葉から『どんな奴なんだ?』と考えてしまう自分に気づく。関係ない、と思いつつも音ちゃんのいいなずけを気にしている自分に気づき「関係ねぇ!」と言いつつ電柱に頭をぶつけ、考えを飛ばそうとするのだった。

その足で、栄美杉丸の家に行く。杉丸は家でもトレーニングをしており、ハルトを迎えた時もトレーニングの後だった。杉丸に「おめー、なんか顔色悪いな」と指摘されるが、ハルトにとっては「超元気」な状態だった。

杉丸が「ちょうど見せようと思って」と言って雑誌をハルトに手渡す。その雑誌には、『王者・名門の英徳学園に陰り。追い上げる桃乃園学院』というような記事が載っていた。専門家が言うには、来年には確実に1位と2位が入れ替わってしまうらしい。

雑誌にも「F4卒業により~」など、ハルトが自覚していた問題点が多く列挙されていた。それを読み、ハルトは改めて自分の目的を思い出す。英徳学園をF4が居た頃のように唯一無二の学園にする。それがハルトの目的だった。

杉丸が桃乃園学院について調べたことをハルトに教えてくれる。杉丸が言うには、桃乃園学院は施設や建物が凝っているだけかと思いきや、スター生徒がいるらしい。

スター生徒。桃乃園学院といえば、成金というイメージだが、スター生徒の馳天馬(はせ てんま)は別格だと、杉丸は言う。天の馬、と書いて天馬。「名前までスターな野郎だ!」と杉丸はイライラする。

そんな時、やはり具合が悪かったのかハルトはめまいがしてフラついてしまう。杉丸はハルトのウエスタンな恰好といい、謎の体調不良といい「今日なにかあったのか?」と何気なくハルトに聞いた。

「今日」と聞いて、音ちゃんと過ごした時間が思い起こされる。一緒にパンケーキを食べに行って、「おいしい」と喜ぶ音ちゃんの顔。自分に構うことを不思議に思う音ちゃん。そして、いいなずけがいることを謝罪した音ちゃん。18歳になったら結婚する、とはっきり目を見て伝えてくれた音ちゃん…。

これらを思い出していたら、突然ハルトの心臓が大きく跳ねる。ムカムカしてきたハルトは「食い物にあたったのかも」と言って、杉丸の家を出た。

 

一方愛梨は、海斗を呼び自分の調査結果を伝えていた。「海斗がいつまでも調べてくれないから自分で調べたわ。江戸川音。」愛梨が調べた名前を言うと、海斗は青ざめる。愛梨はそんな海斗を無視して調査結果を続ける。

「ただの庶民なのに追い出されずまだ学校にいる。ハルトがかばってるんでしょ?」そう言われて、海斗は弁明しようとするが愛梨は止まらない。

「江戸川音、昨日街で見かけたよ。男と歩いてた。あのビッチ絶対に許さない!ハルトに色目を使って、でもデートは別の男とするなんて!!」海斗は話についていけず、「デートって決まったわけじゃないだろ?」と愛梨に冷静になるように告げる。

しかし愛梨は、店員から「この一点物のワンピースを買った人は大切な人へのプレゼントだ」と言って買ったことを聞いていた。それを海斗にも教える。

「ねぇ海斗。江戸川音の相手、誰だと思う?」愛梨は、海斗を試すように問いかける。

 

神楽木邸では、高熱を出したハルトを小林が抱きかかえていた。そこにちょうど海斗がやってくる。海斗は愛莉から聞いたことをハルトに伝えるために来ていた。

「ハルトに話したいことがある。江戸川音のことだが、あいつに付き合ってる奴がいることを知ってたか?」ハルトの心臓の音は、また早く大きく鳴りだす。

「聞いて驚くなよ。その相手というのが、桃乃園学院の生徒会長、馳天馬らしい」杉丸からも聞いた、馳天馬。成金の中にあって、一人別格な存在だと言っていた馳天馬。

海斗の言葉を聞いて、ハルトは吐き気を我慢できず吐いた。その後原因不明の高熱が3日間続く。ベッドの上で苦しむハルトのところに海斗がやってくる。

ハルトは死の間際の言葉のように、海斗に話しかける。「江戸川音と出かけてから吐き気が止まらない。貧乏のウィルスにやられたか…。オレは何かの病気だと思う。オレが死んだら英徳学園を…」と遺言を残すように語り掛けるハルト。

そのハルトの言葉を遮り、海斗は「聞けよ!たぶんその病名は、恋ってやつだ」と告げる。そう聞いて…ハルトは今までにないくらいの衝撃を受けた。

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第8花

海斗に「お前は江戸川音に恋をしている」と診断を告げられたハルト。しかしハルト自身はそれを認めたがらない。「バカ言うな!オレにはやることがたくさんあって、女にうつつを抜かしている場合じゃないんだよ!」と枕を海斗にたたきつける。

枕をぶつけられて、少しイラっとした海斗。「そうか。江戸川音なんてどうでもいいか」と敢えて名前を口に出した。

ハルトも負けじと対抗する「当たり前だ!江戸川お」まで言って…心臓が痛み名前が言えなくなった。まるで西遊記の孫悟空が頭につけている輪っかのように、ハルトが音ちゃんの名前を言おうとするたびに、ハルトの心臓は痛むようだった。

杉丸に言われた馳天馬についてのこと、そして海斗から聞いた音ちゃんの付き合っている相手、音ちゃんが言っていたいいなずけ。

「ちくしょう!!」これは恋じゃない。絶対違う。ダイヤモンドのカットはダイヤモンドで行われるように、このオレが道端の石ころのような女を好きになるなんて、そんなことがあっていいはずがない!

しかしそう考えていると、どうしてもイライラしてしまう。イライラしていることは、英徳学園の生徒にも伝わっているようだった。

そんな時、杉丸に桃乃園学院に潜入しようと誘われる。敵を倒すなら、まずは知る必要がある。杉丸は、桃乃園学院の制服を調達していた。その制服を着て、敵情視察に行くことになったハルトと杉丸。

桃乃園学院に着いて、2人は驚きっぱなしだった。ところどころに金箔が貼ってある校内。美術館のような廊下。全ての窓にはステンドグラスがはめてあり、それだけでも数億はくだらない。

生徒の顔を見れば、入学案内のパンフレットかのようにみんなキラキラ、いきいきした笑顔。今の英徳が太刀打ちするには、何かものすごい目玉が無いと…!と杉丸が考えていると、桃乃園学院の生徒たちが騒ぎ出し、廊下の真ん中を開ける。その様子についていけない2人。

人垣が一気に開いたと思うと、「おはようございます!馳天馬さま!」と生徒たちは天馬くんに挨拶をし出した。

「あいつが生徒会長の馳天馬か。なんだあいつ。大物のオーラがすごいな」としみじみ天馬くんを観察していると、「馳天馬会長を知らないなんて」ということで、2人が外部の者だと生徒たちにバレてしまう。安易に近寄ってくる桃乃園学院の生徒に対して、杉丸は力で対抗してしまう。

ハルトが呼びかけるが時すでに遅し。桃乃園学院の生徒たちに、コレクト5の栄美杉丸と神楽木晴だとバレてしまった。英徳学園の生徒のはずなのに、どうして桃乃園学院の制服を着ているのか…と生徒が騒ぎ出し、「スパイだ!!」という声が口々にあがる。

「つるし上げろ!!」と桃乃園学院の生徒がつかみかかろうとするが、生徒たちを天馬くんは「やめろ!オレのお客だ」と止める。

(つかみかかろうとする生徒たちって…どんだけだよ。と何度読んでも思うw)

 

場所は移動し、そこは(恐らく)生徒会室。紅茶を振る舞いつつ、生徒が失礼をしたと非礼を詫びる天馬くん。コレクト5は有名で、天馬くんも知っているらしい。

「今日は何の用でここへ?」と聞く天馬くんに対し、「偵察だよ」と正直に返すハルト。本当のことを言ってしまうハルトに驚く杉丸。

「この間おまえのとこの生徒もウチの校門前で生徒に絡んだ。これであいこだ!」と天馬くんに言い捨てて、ハルトは帰ると杉丸に告げ、扉に向けて歩き出す。そんなハルトを、天馬くんが呼び止める。

「神楽木…くん。校門前で騒いだ生徒は探して注意する。申し訳ない」と謝罪する天馬くん。謝罪する天馬くんに驚く2人だった。

桃乃園学院からの帰り道、杉丸は「馳天馬」という男の凄さを語る。ああいうザ・リーダーという男がいるんだな、とか天性のオーラがある、など天馬くんを誉めっぱなしだった。

ハルトは、いつの間にか杉丸と一緒に歩いてはいなかった。一人考え事をしながら歩く。

『道明寺さんに憧れ、人から尊敬されたくて必死に英徳にぶら下がっている』そう考えながら、足は音ちゃんの働くコンビニ、ドーソンに向かっていた。

 

コンビニのお客さんから「具合の悪そうな人が外にいるわよ」と声をかけられ、様子を見に行く音ちゃん。ゴミ箱の前でうずくまっている男の人に話しかけると…それは神楽木晴だった。

「ちょ…なんでここに…。なんで、桃乃園学院の制服…」とただただ驚き困惑している音ちゃん。音ちゃんの婚約者は、桃乃園学院の生徒会長、馳天馬。

困惑する音ちゃんに、ハルトは「だめか」とだけ話す。話についていけない音ちゃん。

「だめって何が?」

「オレじゃだめか」

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第9花

音ちゃんはハルトの突然の言葉に話についていけない。

「オレじゃダメって…何が?」

よく分からないでいると、同じバイトの紺野さんに「音っち~何してんのよ」と呼び戻される。戻ろうとすると紺野さんに「え?もしかして彼氏?」と面白がられてしまう。「ちっちがう!!」と全力で否定するも、紺野さんは話半分だ。

「マジ?イケメンじゃん。音っちと一緒の高校だったら坊ちゃんでしょ」紺野さんがハルトについて感想を言っていると、ハルトにとうとう限界が訪れたのかハルトは倒れてしまった。

「ちょっと!大丈夫!?」とハルトに声をかける音ちゃん。救急車を呼ぼうとするが…ハルトはお腹が減っていて倒れたらしい。

「昨日から何も食ってねぇ…」と言いながら、倒れて動かないハルト。困惑する音ちゃんをよそに、紺野さんは「なんだよ行き倒れかよ~」というコメント。

ハルトの謎の行動に「家に電話して迎えにきてもらいなよ!」と音ちゃんが言うも「嫌だ!家には帰らない!」と駄々をこねる。紺野さんは物怖じせず、言いたい事をズバズバという性格なのか「思春期か」と返す。

「お前にはオレの苦悩はわからない!どこにも逃げられないんだ!!」とハルトが言っても「中二かよ」という辛辣なコメントを残す紺野さん。空腹が限界なのか、元気を取り戻したようだったハルトはまた倒れてしまう。

それを見て紺野さんは「もう音っちもバイト終わりだし、あたしんちすぐそこだから2人で来なよ」と言ってくれる。しかし音ちゃんはどうして自分も行かなければいけないのか困惑していた。困惑している間に、紺野さんの家に…。

紺野さんの家は…すごかった。とても、散らかっていた…。ハルトと2人、驚いているとハルトは「ブタ小屋…」と口に出す。そんなハルトのみぞおちを容赦なく殴る音ちゃん。「連れてきてもらっておいて失礼なこと言わないで!」と小声で注意する。

紺野さんは会話は聞こえなかったのか「お腹減ってんだっけ?音っち冷蔵庫の中のもので何か作ってよ。アタシも腹減ってんのよ」とご飯をねだってくる。音ちゃんが料理をできると聞いて驚くハルト。

「作れるよ。シェフなんていないんだから自分で作るしかないでしょ。誰かさんとは違うの」と言いながら、紺野さんに借りたエプロンを着る音ちゃん。しみじみと、あんなにハルトにひどいことを言われたのに、どうしてこうも普通に話しているのか…自分にイライラしてしまう。

音ちゃんが台所に立っている間、紺野さんはハルトに小声で「音っちも大変だよね。家がすごい借金作ったんでしょ。ほぼ毎日バイトに入ってるよ。すっごいお嬢だったんじゃない?」そうハルトに言った後、紺野さんは気を使ったのか「ちょっとジュース買ってくるわ」と家を出て行ってしまう。

音ちゃんは、ハルトと2人になってしまい…気まずさを感じていた。さっきのハルトのことを思い返してみる。桃乃園学院の制服を着て、「オレじゃダメか」とは何だったのか。

「オレじゃダメかって、何がダメなの?」音ちゃんは改めてハルトに問いかける。ハルトはその言葉にぎょっとしてしまった。しかし音ちゃんは追求をやめない。

「さっき言ってたじゃない。何よ」ハルトが言いよどんでいると、音ちゃんは自分なりに答えをみつけ「わかった。自分と比べてるんだ」と言い出した。

「自分と誰かを比べても良いこと無いと思う。頑張ったってその人にはなれないんだし」的確な答えに、ハルトは赤くなりつつも理由を聞く。「わかるよ。比べる相手悪すぎるじゃない。勝てないし」という音ちゃんの答えに、わかりやすく落ち込むハルト。

「何気にひどいこと言うな…。勝てない…?」馳天馬にやはり勝てないのか…と落ち込むハルトを見て「ごめん、自分にしか無いものを大事にしたら?」と謝罪と一緒に提案する音ちゃん。しかし、ハルトに「例えばなんだよ?」と聞かれても、答えが出てこない。

「悩まないでサッと言えよ!」とハルトがツッコむと、音ちゃんは「だって英徳学園コレクト5リーダー神楽木晴くらいしか知らないもん」と説明した後、思いついたように「あった!通販好きで意外と庶民的なとこ?」と言い出した。

「そんなの売りにできるか!」と言い返すハルト。そのまま、ハルトは思い切って聞いてみることにした。

「じゃあ、お前はどうなんだよ。オレが比べた相手のどこがいいんだよ」天馬くんと自分を比べて、天馬くんのどこが良かったのか聞こうとするハルト。ハルトの質問に対し音ちゃんは

「え?どこって別に…私は道明寺さんのことよく知らないし。あれだけの有名人だから比べられるのは大変だと思うけど」と答える音ちゃん。想定していなかった答えにムンクの叫びのような顔でしなしなになってしまうハルト。ハルトには音ちゃんが何の話をしているのかついていけなかった。

しかし音ちゃんの「私の周りはみんな割と慕ってるよ。そんなに落ち込まなくたって大丈夫だよ」という笑顔の励ましで、そんな悩みはどこかに吹き飛んでしまった。そんな時、紺野さんが帰宅した。

音ちゃんが作った料理を見て「うまそーじゃん!」と喜ぶ紺野さん。「ほら、食べなぼっちゃま」とハルトに勧めるが、ハルトはシェフの作ったものしか食べない、と断る。

しかしそんなハルトに「ワケわかんないこと言ってんなよ!音っちがわざわざ作ってくれたんだろ!」と言いながらプロレス技をかける紺野さん。紺野さんにやられたこともあり、ハルトは料理を食べる。「うまい」

ハルトの感動はよそに、紺野さんは「ほんと。音っち料理うまいわ~。」と料理を誉めてくれる。そしてハルトの箸の持ち方が完璧なところを見て、さすがは坊ちゃん、と紺野さんは感じていた。「音っちも元お嬢だし、箸きれいだよね」と話しを振る。音ちゃんにとって、現在の状態がデフォルトらしい。

音ちゃんは「ほんとだ、ささみしか無かったからこれを作ったけど、けっこうおいしく出来た」と感想を告げているとハルトの様子がおかしい。「ささみ」と聞いて動きが止まる。

肉体改造をしたときに、ささみを食べ過ぎて体に拒否反応が出るまでになってしまったのだった。じんましんがブツブツと出ていくハルトを見て「うっわよえ~~~」と素直な感想を本人に告げる紺野さん。

かゆい、と転がるハルトを見てさすがに音ちゃんも笑ってしまった。

音ちゃんはしみじみと、学校でのハルトと目の前のハルトの落差に笑っていた。『ほんとムカつくのになんかおかしい。学校ではあんなにふんぞり返っていばってるのに、本当に変な奴』ハルトはそれどころではなく、かゆみと戦っていた。

紺野さんの家からの帰り道、ハルトは諦めたのか家から迎えを呼ぶという。音ちゃんも乗って行かないかと誘うが、音ちゃんは「それより早く病院行きなよ」と断っていた。去り際、ハルトは何か言いたげに「あ…」と声に出してしまう。

それに気づき止まる音ちゃん。ハルトは、日曜のことを謝ろうとするが上手く言えない。

「あれ、この前の日曜日…あれな…」もたついているハルトに音ちゃんは「あれって何よ。もしかして、私にひどいこと言って悪かったと思ってる?」と核心をつく。

ギクッとするハルトをよそに、音ちゃんは柔らかい笑顔で「いいよもう。確かにつっこみたくなるような人生だし」とハルトに笑いかけた。ハルトは音ちゃんを見てとっさに

「関係ないとか言うなよ。お前の人生にオレは1ミリも関係ないとか言うなよ」と赤くなりながら音ちゃんに伝えた。恥ずかしくなったのか、そのまま「じゃあな」と言って背を向けて歩いていった。

残された音ちゃんは「え…?」と赤くなりながら困惑していた。ただハルトの背中を見送ることしかできなかった。

『思えば、こんな言い方をせずもっとちゃんと言っておくべきだった。初めてオレに江戸川音の笑顔が向けられたのに、その笑顔が見られなくなるなんて…。その時のオレは考えてもいなかった。』

次の日英徳学園の校門前にビラがまかれる。

そのビラには、【2年D組江戸川音はド庶民 出て行け!】と顔写真付きで書いてあった。

 

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第10花

真矢愛莉(まや あいり)は、歳をとってからできた一人っ子、ということもあり両親にそれはそれはかわいがられていた。世界中のスイーツを取り寄せ、寝室の枕元には毎日メイドが花束を飾っている。誰も持っていないようなおもちゃに、世界中でただ一つの夢いデザイナーによるオートクチュールの服。

欲しいものは何でも買い与えられて、世の中の全てのものは私のもの、と幼い愛莉は感じていた。

友だちとの遊びはいつもお姫様ごっこで、愛莉はもちろんお姫様、友達は召使の役だった。

愛莉はケーキをむしゃむしゃ食べながら「また私たちが召使役なの?」と文句を言う友達に「愛莉が召使なんてできるわけないじゃん。現実世界でお姫様なんだから」と言い放っていた。

そう言われて「遊ぼう!」と言える友達なんていない。嫌そうな顔をしていると愛莉は「何よ。この間一人ずつにあげたプリンセスの鏡を返してもらうけど?」と脅しにかかる。友達は「鏡なんていらないよね。あとで返す」と口々に言い合い、帰って行った。

帰っていく友達に「馬鹿な人達。せっかく遊んであげたのに」と悪びれる様子もなく椅子にドカッと座る愛莉。イライラしたので、メイドにチョコを持ってくるように命令する。するとメイドは「ご主人さまがお菓子を少し控えるようにと…」とすまなそうに進言する。

またしても自分の言うことを聞かない人物、メイドに愛莉は「うるさい。ママに頼んでクビにするよ。早く持ってきて」と脅し、命令するのだった。

愛莉にとって、友達がいないことなんて全く問題なかった。きれいなスイーツやかわいいぬいぐるみもいる。お姫様はいつも孤独なもの。人間の友達なんていらない、と考えていた。

しかしやはり肥満には勝てず、愛莉の父が危惧した通り、お菓子を食べ過ぎて歩くのも辛くなってしまった。

運命が動いたのは小学3年生の遠足の時。先生は「30分歩いてこの先の公園まで行きますよ~」と生徒たちに声をかける。肥満児の愛莉はぜーぜー息を切らしてそれどころではなかった。そんな愛莉を見て笑うクラスメイトたち。

愛莉が転んでも、誰も助けようとしない。「転んだ、愛莉転んだ」「いい気味」「いつも女王様気どりでいるからじゃん」「デブすぎ」とここぞとばかりに悪口を浴びせ、転んでいる愛莉をみんな置いていった。愛莉がこれまで他人にしてきたことが返って来たようなものだった。

『平気。友達なんかいらない』はいつくばって、地面を見ながらそう考えている愛莉に「おい、つかまれ」と手が差し伸べられる。

「早くしろよ、ほら。おぶってやる」と幼いハルトが手を差し出していた。愛莉はそれを素直に受け取れない。初めて話しかけられたのに「何よ。神楽木晴。そんなやせっぽっちで何ができるのよ。愛莉を支えられるわけないじゃん。もっと鍛えてからきなさいよ」と憎まれ口しか返せない愛莉。

そんな愛莉にイラっとしたハルトは「鍛えてる間ここに寝てんのかよ。デブ」と返す。愛莉はその言葉にムカついて「デブって言ったわね。つぶしてやる!」とハルトの背中に覆いかぶさった。

あまりの重さに「うっ!!」と苦しそうな声が出るハルト。おんぶができず、愛莉の足は地面についている。ひきずるような形になっているが、ハルトは諦めていない。

「ちくしょう、負けるか。絶対運んでやる!」と負けないハルトに、「いいのよやめても。あんただって私のこと良い気味だって思ってるんでしょ」と愛莉は助け船を出す。しかしハルトは諦めない。

「関係ねぇ!運ぶといったら運ぶ!これはオレの問題だ!」そう言って、愛莉を公園までひきずっていった。公園に着いた頃にはみんな移動した後で、公園に来るまで2時間かかっていた。

その日から愛莉は変わった。ハルトのために痩せた。ハルトがいたからコレクト5に入った。あの運んでもらった日から、全てはハルトのため。邪魔する者は誰であろうと許さない。

 

英徳学園前にばらまかれたビラを見て、杉丸や一茶は驚いていた。一茶は音ちゃんを覚えていて「江戸川音って子の前車の前に飛び出した女じゃね?」と驚く杉丸に教える。海斗はすぐに犯人がわかった。愛莉だ。

「愛莉、お前…」と何か話そうとすると、愛梨は「ねぇ、いつ退学届けつきつける?庶民はさっさと辞めてもらわないと。示しがつかないでしょ。」と海斗が何か言うのを止めるように話し出す。

愛莉は続ける。「私たちコレクト5は英徳の秩序の守護者でしょ。例外は無いはずよ」

 

音ちゃんが学校に登校すると、他の生徒たちからは「涼しい顔して図々しい~」「隠れ庶民が」となじられた。

『今朝来たら…私の顔写真が入ったビラで地面が埋め尽くされてた…。もしかして神楽木が…?まさか…』と考えていると、前にパンケーキに誘ってくれたり、心配してくれたクラスメイトの麻美と京子が立っていた。

「嘘つき。よくも騙してくれたわね。」「運転手が休みとかよく言うよ」音ちゃんも騙すつもりは無かった。「ごめんなさい」と謝ることしかできない。「パンケーキ食べる金も無いとか、貧乏すぎ」麻美にそう言われるも、返す言葉も無い。

教室に着き、入ろうとするとクラスの男子に「入ってくんなよ。お前の机はもう無いし」と言われる。他の男子は「もういらないだろ?外出しといたぜ」と机を指される。音ちゃんの机は廊下の端に投げ出されていた。

音ちゃんは『ひどい…どうしよう…お母さんに何て言おう…。あと1年もあるのに…』と涙ぐみながらこれからのことを考える。

『どうしてあの時、バイト先で神楽木と出会ってしまったんだろう。昨日あんなに笑っていたあいつが…このビラを配るなんて…。そんなことあるの…?』ハルトとの事を思い出しながら考えながら校舎の外まで歩いていると、後ろから「江戸川音」と呼びかけられる。

話しかけてきたのは、真矢愛莉だった。「ハルトならいないよ。泣きつこうったってダメだから。教えてよ。どんな手を使ってハルトに取り入ったの?」と愛梨は汚いものを見るように言い放つ。

「取り入るなんて…してないです」としか音ちゃんは答えられない。愛莉はそんな音ちゃんの言葉は信じられず、「そう?ハルトの家の門の前にいたじゃん。あんな夜に男の家を訪ねて行くとか、ちゃんとした家の子がやることじゃないよね」と侮蔑も込めて返す。

音ちゃんはハルトに会って確かめたいと「今日、神楽木…さんは」と聞くが「いないって言ってるでしょ」としか返ってこない。「このビラは神楽木さんが?」と確かめる音ちゃん。

愛莉は「そうよ?私がハルトに頼まれたの。英徳のライバル校、桃乃園学院の生徒会長である馳天馬と付き合ってるなんて許せないってね」と音ちゃんに言い放つ。「な、なんでそれを…」と困惑する音ちゃんに、愛莉は続ける。

「ほら、隠してたんでしょ?ハルトはそういうの大嫌いだから。追い出そうってことになったの。わかった?わかったらさっさと出て行って。」

音ちゃんは昨日のことを思い返していた。『だから昨日…桃乃園学院の制服を着ていたの?調べていたの?憎めないと思った。悪い人じゃないって…思ってたのに…』

 

昨日出たじんましんのせいで少し遅れての登校となったハルト。リムジンの中で小林に改めて「食べ物にはお気をつけくださいね」と注意される。「外の食事は不衛生ですよ。誰が作ったものだったんですか?」と心配する小林。

ハルトは、音ちゃんを思い出し顔中赤くなってしまう。顔が赤くなったのはまた発作では!?と心配する小林に、顔をぺたぺた触られることになってしまった。

すると、校門から出てくる音ちゃんが見える。車を止めさせ、降りて音ちゃんに「おい、サボりかよ」と話しかける。音ちゃんはハルトに話しかけられたことにビクッと反応していた。

昨日との反応の差に驚くハルト。「な、なんだよ…」と聞くと、音ちゃんから「近寄らないで」とはっきり拒絶される。ついていけないハルトに、音ちゃんは続ける。

「これが目的だった?私に近づいて叩き落す。これで満足?よかったね、思い通りになって。あんたなんて、もう顔も見たくない!」

泣きながらそう言って、音ちゃんは走って行った。後に残されたハルトは、頭が追い付かない。フラフラと校門をくぐると、音ちゃんを糾弾するビラがまかれているのが目に入る。ビラを拾っていると、後ろから声がした。

「私がやったの。コレクト5のため。英徳のため。そして、ハルトのためよ」

ハルトの後ろには愛莉が腕を組んで立って、ハルトに告げたのだった。

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第11花

『江戸川音はド庶民だ』と顔写真付きのビラを作って校門前に撒いたのは愛莉だった。そしてハルトに言われてやったことだ、と音ちゃんに嘘をつき、傷ついた音ちゃんはハルトを見て泣きながら走って帰って行った。

ビラをみつけたハルトに愛莉は「江戸川音に振り回されるハルトなんて見たくない。だって私たちはコレクト5なんだよ?」と言う。ハルトは持っていた音ちゃんのビラを握りつぶすとビラを作った愛莉をにらむ。ハルトはビラを作ったのが誰かわかったようだった。

ハルトに睨まれた愛莉は「な、なによ!」と怖気づくも言葉を止めない。

「私は間違ってないよ!?そうでしょハルト!江戸川音は、私たちが絶対に勝たないといけないライバル校、桃乃園学院の人間と付き合ってるんだよ!?コレクト5を作った時にいったよね?自分たちの代で英徳学園を終わらせるわけにはいかないって!」

愛莉の言葉で、ハルトは自身の言葉を思い出す。そして、道明寺に「頼んだぜ」と言われたことも。握っていたビラを捨てると、ハルトは愛莉に何も言わず背を向けて歩き出した。愛莉はハルトになおも話し続ける。

「ハルト!あの女に汚い手を使われたんでしょ?愛莉わかってるよ!庶民の女がやりそうなことだよ。ハルトの優しさにつけこんで…!」ハルトは愛莉を止めようと名前を呼ぶが、愛莉は止まらない。

「大丈夫だよハルト。さっさと追い出して、私たちは日常に、」話し続ける愛莉をハルトは「もういいっ!」と止める。「これ以上言われたら、オレ、お前をボコボコにする」そう言って愛莉を睨むと、ハルトは帰って行った。

愛莉はびくっとしてしまい、ハルトを追いかけることはできなかった。「なによ…!なによハルト、バカじゃないの!?あの女、絶対に許さない」愛莉の言葉は、ハルトには届いていない。

 

学校から逃げるように団地まで帰ってきた音ちゃんは、ドアを開けるのをためらっていたが意を決して家に帰る。

「た、ただいま」お母さんは「早かったのね」というだけで特に不審がっていなかった。英徳学園を辞める、と伝えようと話しかけるが母は話を聞いてくれず「今、アルバムを見てたところなの」とのほほんと話し出す。「え?」と言うことしかできない音ちゃんに母はどんどん写真を見せていく。

音ちゃんが赤ちゃんの頃の写真、七五三の時の写真…。音ちゃんが話し出そうとしても、母は全く聞いていない。

「あ、これ…。私と美代子さんだわ。大学の卒業式ね…」そう言って、母と女の人が着物姿で写っている写真を見る母。その顔はとても懐かしそうだった。美代子さんと音ちゃんの母は、大親友だったが息子の天馬くんを残して早くに亡くなってしまった。

写真の中には、幼き日の天馬くんと音ちゃんの写真もあった。音ちゃんの母が言うには、美代子さんはずっと『いつか自分の子どもたちを通して家族になりましょうね』と言っていたらしい。しかしそれも今は遺言になってしまっている。思い出した母は涙ぐんでしまった。

そんな空気の中、「英徳学園を辞める」なんて言えない音ちゃん。「天馬くんは元気?」と天馬くんの話を振られるが…毎月20日以外は会っていないのでよくは知らない音ちゃん。ちょっとでかけてくる、と言って家を出た。

『今も親友の死を受け止めきれない、少女みたいな母。英徳を辞めるとか言ったら、死んじゃいそう…。』困った音ちゃんは、スマホである人物に電話をする。

 

そこは馳家。神楽木家もすごかったが、馳家も大きなお屋敷だった。

『神楽木の家に初めて行った時、バーベキューって言ったのに、何故かすごいガーデンパーティーだったなぁ。白馬に乗って現れてホントバカみたいだった。肉でぶったんだっけ…。思えばすごいことをしたなぁ。バイトの帰りに公園で先輩に襲われた時、助けてくれた。パンケーキ食べに誘ってきたりした。そしてあの言葉。

本当に…あのビラは神楽木なの…?』

そこまで考えたところで、天馬くんが家から出てきてくれた。家にあがるよう勧めてくれるが、外で構わないと伝える。電話では「話がある」としか言っていなかった音ちゃん。

「あの、天馬くん…。まだ母には話してないんだけど…。私、英徳を辞めることになった。」と告げる。親が決めた約束だけで毎月20日に会っていた音ちゃんと天馬くん。天馬くんのお父さんは、美代子さんを亡くした後再婚した。

今の天馬くんの両親は、音ちゃんが英徳に在校するのを条件に美代子さんの遺言を受け入れたらしい。しかし、英徳を辞めてしまえばその条件は無効になる。音ちゃんは、条件が無効になったことを伝えに来たのだった。詳しい事情は天馬くんにも話せない。迷惑がかかるかもしれないからだ。

「亡くなったお母さまには申し訳ないけど、天馬くんはこれで自由になれるよ!ずっと、天馬くんにはもっとふさわしい人がいると思ってた」

音ちゃんが話終えると、天馬くんは少し驚いたようだった。「もしかして、コレクト5が原因?しめつけがすごいと噂には聞いているけど。神楽木晴と栄美杉丸がウチの学校に潜り込んでいたけど、もしかしてこれが原因?」

音ちゃんは「違う」と否定する。天馬くんの予想は大方合っていた。音ちゃんは自分のせいだと、天馬くんに答える。

「音は、昔はいつも笑ってたよな。生きてるのが楽しくて仕方ないって感じでよく喋って言いたい事言ってた。英徳を辞めたら、音は昔の音に戻れる?」天馬くんにそう聞かれた音ちゃんは「わからない」としか答えられなかった。

 

苦しい英徳学園の生活の中で、音ちゃんがほんの少し昔の自分に戻った時があった。押し殺していた自分を気づいたら解放していた。へんな奴のおかげで。神楽木晴、なんという皮肉だろう。あいつといる時が、昔の自分に戻れていた時だった…。

 

神楽木邸で、海斗はハルトに確認をとっていた。

「愛莉がしたことは確かにひどい。でもなハルト、遅かれ早かれこうなる運命だったんだ。お前もわかっていただろ?いつまでもこのまま隠していられないことくらい。明日、江戸川が登校するタイミングで退学届けを出す。

コレクト5による、庶民狩りを行う。」

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第12花

朝、メイドたちに着替えを手伝ってもらうハルト。愛莉と海斗の言っていた言葉が頭で繰り返される。コレクト5に例外はなく、このままでいかないこともわかっていた。2年前コレクト5を作った自分が一番理解していた。小林が、皆が待っていることを告げる。

外にはハルト以外のコレクト5が揃っていた。英徳学園に庶民はいらない。寄付金を払えない者は排除する。例外は無い。

 

音ちゃんも、家を出る。出発前の音ちゃんの顔を見て、母に心配されてしまう。今日はちょっと早く帰る、と母に告げて音ちゃんも家を出た。

音ちゃんが英徳に入学したのは、中一の2学期だった。その頃高等部にはF4が君臨していた。校舎が違うから噂はたまにしか流れてこなかったが、絶対的なF4支配の中でただ一人、F4に刃向かって、学園中を敵に回した女の子がいたという。

音ちゃんは、会社が倒産し全ての物が強制執行された。しかし自分を偽り英徳に通い続けた。自分の身を守り、バレたら尻尾を巻いて逃げるつもりで。

『私は…その女の子にはなれない』

 

音ちゃんが登校したのを窓から見ていた生徒が、「チラシのってあいつだろ」と言いながらバケツに用意していた水をかける。音ちゃんは頭からずぶ濡れになってしまった。「こーいうのはやべーだろ」と止める生徒に、水をかけた生徒は「お達しがあったんだよ」と返す。

「何年も庶民だってことを隠してて悪質だから徹底的にやれって、コレクト5からだぜ!!」「マジかよ!」「オレ一回女をぶん殴ってみたかったんだよ!」と言いながら廊下を走る男子たち。

音ちゃんは水をかけられたことに驚きつつも、大きく狼狽はせず『こーいういじめ、前はあったって聞いたけど…』と考えていた。すると走って来た男子に顔を殴られる。

倒れそうになる音ちゃんの腕をつかみ、倒れないようにする英徳の生徒たち。「あんた嘘つきなんだって?」「それ相当のおしおきしろってさ、コレクト5が!いくぜ」と言って音ちゃんを殴り出す。

 

コレクト5はサロンに集まっていた。騒がしさに気づくが愛莉は「もうすぐ冬休みじゃん?それで騒いでいるみたいよ。ほっときなよ」と見に行こうとする杉丸を止める。この言葉で、一茶も海斗も騒ぎを気にしなくなった。愛莉が「コレクト5のお達し」を出した人物なのだろう。

動こうとしないハルトに「根っこでも生えたのか、ハルト」と話しを振る一茶。「江戸川って子、もう来てるの?だったら早く済ませよーぜ」

ハルトは座ったまま口を開く。

「オレは、F4の名にかけて英徳を守ろうとした。例外は許されない。庶民を排除する、コレクト5はその役割を担っている。わかってる!でもオレには…どうしても江戸川を排除できないんだ」

ハルトの言葉に、愛莉は傷ついたようだった。杉丸と一茶はハルトの想いに察しがついた。一茶たちがその話を詳しく聞こうとすると、愛莉はそんな話は聞きたくないとばかりに「わかった。ハルトができないのなら私がやる。女にふぬけにされた、だらしないリーダーの代わりに!!」

そう言ってサロンを走り出る愛莉。愛莉を追ってハルトも飛び出す。ホールに出ると…人垣の真ん中で音ちゃんが倒れていた。

音ちゃんを殴っていた男たちが「ボコボコにやっときましたよ!」と達成感のあるような顔でハルトに報告してくる。ハルトはまたもついていけない。「なに…やってんだ…」と聞くと、「え?だってこの女は特例で悪質だからって…」と自分を正当化させる生徒。

突然殴っていた男たちが、脇の方へ投げ飛ばされる。

「大丈夫か、音」

そう言って、音ちゃんを丁寧に抱き上げる天馬くん。天馬くんの登場に、ハルトは言葉も出ずただ驚く。

「最低だな神楽木。これが英徳のやり方なのか」そう言われて、「馳…天馬…」と名前を呼ぶことしかできないハルト。ヤジ馬も「どうして桃乃園学院の生徒が校内に!?」と騒ぎ出す。その声で音ちゃんも助けてくれたのが天馬くんだと気づいた。

愛莉はそんな2人など気にせず告げる。「なんでかぎつけたのか知らないけど、ちょうどよかった。2人で出てってよ。この女、寄付金払えなくて今から追い出されるところなのよ。」

そう言うと、英徳学園の事務…だと思われる男が走ってくる。

「待って下さい!江戸川さんを退学にすることなんてできません。たった今、馳様より5000万円の寄付金がよせられました!」あまりの金額に驚愕する音ちゃん。「ちょっと待って、え?何??なんで?」と天馬くんに問いかける。

「音、昨日言ったね。俺が解放されるって。だったら今日から好きなように生きる。音のために。」天馬くんは、ハルトにも言っているようだった。

「神楽木、寄付さえあれば退学にならないな?いいか、二度とやってみろ。お前を、ひねりつぶす。江戸川音の、婚約者として。」

天馬くんは、音ちゃんを守るように立ち、ハルトの目を真っすぐ見ながらそう言った。

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第13花

サロンに移動したコレクト5。5000万円を寄付した音ちゃんの退学は取り消された。5000万円は、英徳に在学するには十分な額だった。しかし愛莉は納得がいかない。「男に貢がせた汚い金だよ?」と食い下がる。しかし金は金。寄付は寄付。

一茶たちは天馬くんが飛び込んできた現場を見ていない。面白そうに「女の子は地味なのにな。ドラマみたいに飛び込んできたってマジかよ。つか、馳ってハルトの知り合いなん?」とハルトに聞く。しかしそこに、ハルトは居なかった。

ハルトは校舎の外、中庭に居た。

『本当にどうしようも無い男だ。もっと早くに行動を起こしていたら…江戸川をあんな目に遭わせなかった。江戸川とコレクト5、英徳との間で判断力を失ってしまった…。馳天馬の言う通り、オレは最低だ。あの人だったら…こんな時どうするんだ…』

 

音ちゃんは、総合病院にいた。検査の結果、軽い打撲で内臓にも問題が無い。医者が言うには、天馬くんの心遣いで入院手続きまでとってあるらしい。「いえ、帰ります」と固辞する音ちゃん。そこに天馬くんが入ってくる。

「音、そうしてくれ。心配だから。」天馬くんが入って来たことで、音ちゃんは疑問をぶつける。

「さっきのあんな大金、どういうこと!?私はちゃんと辞めようと思ってた。それが自分を偽ってた私にとっても、天馬くんにとっても良い機会だと思ったのに…」

「音、本当に俺が、何も感じてなかったと思ってる?俺は、ただの親に決められたいいなずけだと思ったことは一度もない。音は?」

天馬くんにそう問いかけられ、音ちゃんは困惑する。

「私、私は…」

考えこんでしまいそうな音ちゃんを見て、「いや、ごめん。弱ってるときに問いただす話じゃないよな」と話しを切り上げてくれる天馬くん。「今度ちゃんと聞くから。また来るよ」そう言って部屋の戸を開ける。

するとそこには、天馬くん目当てのたくさんの看護師が。そんな彼女たちに「皆さん、彼女をよろしくお願いします」と微笑みかけ、天馬くんは帰って行った。

 

音ちゃんには、看護師たちの声は入ってこない。さっき天馬くんに言われたことを、考えていた。

『私は…親に決められたいいなずけだと、思ってたよ!?英徳を辞めると決めた時、何枚も重ね着したコートを脱いだような気分だった。お母さんのことは心配だけど、それよりも自由になる解放感で満ち溢れてた。5000万円なんて…返済するのに一生かかる。また明日から普通に通って…今までと同じ生活を繰り返すの?』

 

ハルトは、まだ中庭で悩んでいた。その様子を見た生徒は「普通の人っぽい…?」と口に出してしまう。そんな彼らに「おいおい、何か用か?オレも考えごとくらいするぜ!」と指を鳴らしてアピール。「かっこいい~!」と感動する生徒を置いて、ハルトはまたかっこつけて歩き出した。

無意味にかっこつけてしまう自分を呪うハルト。通販で買ったアメジストを握りしめ、一人になれる場所を探す。すると、見慣れないところに非常口があった。

そこには先客がいた。私服で座っている。それはまさしく、花沢類だった。『なんでここに…花沢さんが!?なんだこのスターのオーラ。ダイヤモンドダストかよ…。空気がキラキラしてる』思うだけで、ハルトは言葉も出ない。

あまりにも見られるので、花沢類は「何?」とハルトを睨む。

「あぁ!すみ、すみません!」と謝ると、今度は手に持っていたアメジストの紐が切れて小さな玉が落ちてしまう。『最悪だ、心を静めるどころじゃねぇ!よりによってF4の前で…この安物!』と心の中でなじっていると、花沢類がその一つを手に取る。

「あぁ!!すみません!!」と謝ると、花沢類は「これ何?石?」と興味を持ったようだった。

「て、天然石です。(通販で買った)アメジストです…」と答えるハルト。すると花沢類は、その石を「もらっていい?」と聞いてきた。

「なんかかわいいから、いい?」という花沢類。ハルトは、どもりつつ「どうぞ!」と返した。ハルトのイメージではとことんクールだったが、すごく親しみやすいことに驚くハルト。

「ここ、俺の場所。高等部の時から」と花沢類は話し出す。ハルトは意を決して、花沢類に「あの、道明寺さんは」と聞いてみる。「司はアメリカ。あんた司の知り合いなの?」と花沢類に聞かれるが、知り合いではないハルトは「いえ!とんでもない知り合いだなんて!!」と返す。

ハルトの言葉に「ふーん」と返すと、花沢類は階段を降りて帰っていく。そんな花沢類を呼び止めるハルト。

「あの!こんなこと聞くの本当に失礼だと思うんですが…オレ今色んなことがごっちゃになってて、がんじがらめで。そういう時道明寺さんなら…どうしてますか?」

「さあ?」

花沢類の答えに、拍子抜けしてしまうハルト。しかし花沢類は続ける。

「あいつは野性だから。そのゴチャっとした中の、一番大事なものしか眼中無いよ」そう言って、花沢類は歩いていった。

大声でお礼を言うハルト。ハルトは走って、音ちゃんの働いていたコンビニに向かう。紺野さんに聞くと、病院に行ってて今日はバイトは休みだとのことだった。車で病院に向かうハルト。

『大事なもの。オレの頭ん中を占領して、腹立つくらいに無視ができない。本当にオレにとって肝心なことは、いつもF4が教えてくれる。

 

病院に着き、「江戸川音」と名札のある病室の前まで走るハルト。病室に入ると、ベッドには音ちゃんがいた。

「だ、大丈びゃか」肝心なところで噛んでしまう。そんなハルトを見てイラっとする音ちゃん。音ちゃんからしたら、元凶がわざわざやって来たようなものだ。

「何よ、何しに来たのよ。帰ってよ」

そう言われて帰るわけにはいかない。「いや、ちょっと、話を聞いてく…れ…」と言って足を出したところで、足がもつれて転んでしまう。

転んだはずみで、両手で音ちゃんの両胸を掴んでしまうハルト。トラブる並のラッキースケベである。

「死ねーーーーーー!!」

『オレは、こいつが好きだ』そう思いながらハルトは音ちゃんからのアッパーを喰らった。

おまけ

ハルトが花沢類と出会ったことを、海斗や杉丸・一茶に伝えるけどなかなか信じてもらえない…という話。

短いけど、西門や美作も1コマだけいますw

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花のち晴れ 2巻 感想

見たことある流れ

1巻でもあったけど、2巻でも「お!ここは花より男子で見たぞ~!」というところが出てくるwつくしが赤札を貼られて、いじめられたように。男子たちにボコボコに殴られた時のように音ちゃんも殴られちゃうからね…。読んでいても辛いわ。

花より男子だと、犯されそうになっていたけどさすがに21世紀の今ではそこまではインパクトが強すぎて問題になっちゃうからね!できないね!!それでも音ちゃんが殴られているのが辛い。

男子生徒も「一回女をぶんなぐってみたかったんだよ!」って喜んでいる辺りクズ。花より男子の時にもこーいう奴いたけど胸糞悪いわ~。

あとは2巻のヒキの「オレはこいつが好きだ」と思いながらも、音ちゃんからアッパー食らうところwここもなんだか、つくしと道明寺を見ているようで微笑ましいwハルトはラッキースケベ体質も持っているのかしらwなんて恵まれた主人公なんだw

愛莉の暗躍

2巻では愛莉がガンガン攻めてくる。音ちゃんをいじめるために英徳が騒がしいときに「冬休み前で騒いでるんでしょ?」って言うから…愛莉が仕組んだのかな。愛莉は「赤札システムやらないなんてつまんない」みたいなこと言ってたし…何より音ちゃんのことを憎んでいるしね。

音ちゃんが庶民なことを隠していたから思いっきりやっていいってコレクト5のお達し…というのも愛莉だろうね。こーいうとこを見ると、コレクト5って力があるんだな、と感じる。F4の時もそうだったけど、こうやってトップが命令することに英徳の生徒は妙に従順だよね。

愛梨の小さい頃の太りっぷりは初見笑ったw一体どれだけお菓子を食べるのか!!wハルトにおんぶしてもらう時も「つぶしてやる!」とか言ってるし。自覚あるじゃん!!動けないならなんとかしようよ!!w

ハルトももう意地で運んだってのがわかる。しかしそれで愛莉がハルトを好きになるんだから、愛梨もかわいいよね。ただその愛情表現というか、表し方がダメなんだけども…。

白馬の王子の天馬くん

音ちゃんの婚約者でもある天馬くん。音ちゃんはずっと「親に決められたいいなずけ」と思っていたのに天馬くんは純粋にずっと音ちゃんのこと好きだったわけだからね。純愛。音ちゃん達のお母さんの約束も「しめしめ」と思ってたんじゃないだろうか。

天馬くんはね…本当に音ちゃんのこと考えてくれてて…良い奴。ジャンプ+で読んでいた時も天馬くんが音ちゃんを受け入れてくれるから「もう天馬くんで良くない?」というコメントが多かったように思うw

英徳を辞めるかも、となった時も天馬くんはまず音ちゃんの心配をしてくれた。音ちゃんが英徳を辞めることになりそう、と言ったからこそ英徳学園に乗り込んできたのかな。きっと天馬くんのことだから、英徳学園で何が起こっているのか調べるのは造作もないはず。

そして…音ちゃんが殴られている現場に遭遇…。天馬くんが颯爽と現れるのが本当にかっこいい。ハルトの意志では無かったにせよ、音ちゃんにも天馬くんにもそんな風に見えちゃうし。

病院にも連れて行ってくれて、5000万も寄付してくれて、天馬くんは音ちゃんに甘いよね。音ちゃんは音ちゃんで「5000万なんて返せるのかな」って返済についてかんがえ出しているし…。気持ちのスタートが違うからこそ、ここも少しすれ違っているのかな。

初めての病

ハルトが音ちゃんに恋をしていると自覚する…と同時に失恋したようなものだからね。好きになったと思ったら「いいなづけがいる」という好きになってもしょうがないような言葉が出てくるんだもの。びっくりするよね。

それで吐き気もして熱も出て大変になるってのが…ハルトだわwなんという素直な体!なんという素直な心!!知恵熱のように出てしまう熱がもう面白いw

音ちゃんのことなんて好きにならないようにしているけど、ハルトの根本はもう音ちゃんが大好きになってる。でも「庶民を好きになるなんて」というプライドとかが邪魔して認められないってのが少女マンガだわ~。

音ちゃんのいるコンビニまで行っちゃって、なし崩し的に音ちゃんにご飯も作ってもらえるし。「俺じゃだめか」は読んでいてハッとした。ハルトの考えとは裏腹に素直に言いたいことを言っているし。道明寺っぽい野性?もあるけど、それを止めてしまっているのがハルトなのかしら。

ラストもとっても少女マンガwトラブるのリトさんほどではないけど、ラッキースケベですね!!w

花より男子の名残

つくしが「王様の耳はロバの耳ーーーー!!!」をやっていたあの非常階段のところに、花沢類がいてそこでハルトと遭遇するのはドキドキしたわ。この2巻はつくしは出てくる…といえば出てくるけど、後ろ姿だけだしね。

花沢類が何も変わってなくてよかった。いつも通りだった。大学生…なんだろうけど、いつものこのけだるい感じ。F4が出てくるだけど「おおお!きた!!」となる。嬉しい!

つくしも後ろ姿だけじゃなくてもっと出てくれば良いのに…。しかしつくしのことが伝説のようになっていてさすがだわ。F4に一人立ち向かう庶民の女。それがつくし。いじめられても持ち前の力と根性でそれを切り抜けるというw

音ちゃんが「私はその人みたいになれない」って言ってて…まぁ…ですよね…。あたしも無理だわwつくしだからできることだわ。

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